ちいさな大発見!? No.78(2020.4.24)今が旬 Part.6!
今号では今、野草園他で咲いている植物を紹介します。 中国原産でアヤメ科アヤメ属の「イチハツ」です。5月以降に咲くアヤメやカキツバタの仲間です。野草園で咲いているイチハツは、葉が幅広いことと、3枚の外花被片にトサカ状の突起物が付いているのが特徴です。 外花被に白いもじゃもじゃが! その近くで既に咲き終えているはずの「カンザキアヤメ」が一輪だけ咲いていました。カンザキアヤメは地中海原産で1月から2月が開花時期です。「イチハツの仲間だよ。」と言いたかったのかもしれません。 英名は「ウインターアイリス」 野草園東では初めて咲いたキンポウゲ科の「オダマキ」です。日本にはミヤマオダマキ他2種類が自生していますが、セイヨウオダマキを中心に交配が盛んで、たくさんの園芸種が存在します。 花弁に見える部分は萼で、花弁は中心の筒状の部分です。その後方に、角みたいなものが飛び出ています。蜜が入っている距(きょ)です。昆虫は花の中心から入って蜜を吸うので花粉まみれになります。これがオダマキの戦略ですね。 花の後ろに突き出ている距 そのすぐ隣でトウダイグサ科の「ホルトソウ」が咲いています。「ホルト」とはポルトガルを意味し、ポルトガルから渡来した帰化植物です。茎を傷つけると乳液が出ますが、肌に触れるとかぶれます。種子、茎とも有毒で、古くからモグラ避けとして使われたそうです。 種から採れる油は機械油としても! 最後はラン科の「エビネ」です。「ジエビネ」とも言われます。漢字で書くと「海老根」ですが、偽球茎(バルブ)が横に連なっている姿をエビに見立てたと言われています。 乱獲され自生種は少ない! そして、エビネとキエビネの自然交雑種と言われている「タカネエビネ」です。タカネエビネは「高嶺海老根」と書きますが、高嶺に自生するのではなく、飴色の古語「タガネ」からきているとのことです。 キエビネの特徴を多く引き継いでいる 【解説員K】