2020年1月29日水曜日

ちいさな大発見!? No.64(2020.1.29)世界で最も変わった花?

 常緑で大きな葉をもつユリ科のハランは,生け花のわき役に使われます。また,今はプラスチック製のバランが多く使われていますが,以前は葉に抗菌作用があるため料理の仕切りに使われたりしました。
 みなさんはこのハランに,花が咲くのを知っていますか。

 今,植物園の野草園西や花木園Aで見ることができますよ。ただ株元をじっくりと探さないと見つかりませんので,まずはブログで紹介します。
 大きな葉ですね。いったいどこに花があるのか,一見しただけでは絶対にわかりません。
濃い緑色で厚いハランの葉!

 葉をかき分け落ち葉を取り去ると,・・・出てきました。花径3cmほどでしょうか。茎もなく、何とも不思議な奇異な花です。
地面に咲いた王冠型の花!
こちらは仲良く2輪!

 こちらは蕾です。まだ,紫色のラインや斑点は見られませんが,ずいぶんと膨らんでいます。
 蕾が4つあります!

 さらに探していると,地下茎の側に薄い緑がかったものを見つけました。これは蕾ではなく,1年かけて生長した実のようです。
直径2cmくらいの実!

  ハランの花は「世界で最も変わった花」の1つと言われています。
  是非,見に来ませんか。
 【解説員K】

2020年1月28日火曜日

ちいさな大発見!? No.63(2020.1.28)1株で2度おいしい?

 今,花木園Bを中心に,ツバキの開花が進んでいます。一口にツバキと言っても,花の大小,一重や八重の花形,絞りや覆輪などの花色等,千差万別です。
 ところで,次の写真を見てください。
1本の枝に2つの花が…?

 実は1本の木から異なった花色のツバキが咲いていました。名前はツバキ田主丸,別名を吹上絞と言います。久留米地方に古くからある大輪の古典品種です。
 下の写真がそのアップです。
白地に淡い紅色の小さめの縦絞り!

 しかし,こちらは単色の紅色です。色は違いますが,花の形は同じです。
これも田主丸!

 他にもないかと探してみると,野草園西でも見つけました。
 ツバキ和歌の浦です!
八重咲きでピンク地に紅の小絞り
 こちらはピンクの単色

 写真はありませんが,ツバキ秋の山は3種類の花を付けていました。

 このような咲き方は「枝変わり」と言われています。
 「枝変わり」は、茎や枝の生長点の細胞に遺伝子の突然変異が起こり、樹木などの一部が変異することで,白い花の木に赤い花が、一重の花を咲かせる木に八重の花が、緑の葉の木に斑入りの葉が現れたりするのが、その例だそうです。
 ですから,このような枝を挿し木すれば、新しい品種が生まれる可能性があるとのことです。
 そこで,見つけましたよ。ツバキ大虹です。
花径12~13cmほどの極大輪で八重咲き

 ツバキ大虹は紅い花弁に白い斑が入る変異を起こしたもので,何と,日本最大品種の1つであるツバキ明石潟の枝変わり種だそうです。
 これがツバキ明石潟,まだ平開前です!

 一般に枝変わりの場合,親より劣ったものになるケースが多いようですが,稀に親より優れたものや新品種として残しておく価値のあるものが出現することもあるそうで,それがツバキ大虹ですね。
 是非,ツバキ園へも足を運んでください。
【解説員K】

2020年1月24日金曜日

上を向いて歩こう・・温室で!(2020.1.24)

 暖冬傾向とはいえ、この季節はやはり寒さ知らずで暖かい温室が人気です。この時期温室を廻ると、幹やつるの上のほうで花や果実が大きく育っている種類が観察できます。見頃の植物たちを見落とさないようによ~く上を向いて廻ってください。 入口を入って左側、ブーゲンヴィレアが咲く廻廊の先のロータリーで、伸びたつるからぶら下がっている暗赤色の花はトケイソウ【時計草】(トケイソウ科)です。和名は特徴的な花被を時計の文字盤に見立てたものです。アラタという種類で果実は食べられます。
                                     
 同じくロータリー周囲で、3~4mぐらいの高さのところに直径20cmほどもある大きな黄色い花を咲かせているのはソランドラ・マキシマ(ナス科)です。メキシコ原産で、和名は大きく広がる花の形と色からウコンラッパバナ【鬱金喇叭花】と名付けられています。
 ラン室を抜けて水生植物室入口のところで、上に伸びたつるの3mぐらいのところに細長い果実がぶら下がっています。なんだと思いますか? なんとケーキやアイスクリームなどの甘い香りの原料になるバニラの実なんです。バニラはメキシコ、中央アメリカ原産のラン科植物です。ラン科としては珍しいつる性で、黄色い小さい花を咲かせます。一日花でなかなか見ることができませんが、次の写真は平成25年6月に撮影したものです。


 残念ながら下がっている果実には香りはなく、収穫後発酵と乾燥を繰り返すことによって、あの甘い香りのバニラビーンズが出来上がります。
 サボテン室、ベゴニア室を抜けて大温室に入ると、お馴染みの果物が観察できます。


 上から順にパパイア(パパイア科)、バナナ(バショウ科)、グアバ(フトモモ科)の果実です。パパイアは薄い黄緑色の花も見ることができます。

 大温室では色づき始めたコーヒー(アカネ科)の果実も見ることはできます。最近では観葉植物としても親しまれているコーヒーですが、果実を見る機会は少ないのではないでしょうか?コーヒーの木は低いので目の前で果実を見ることができます。
 春の到来までもう少し、寒い日には暖かい温室でお過ごしください。          (解説員)

2020年1月22日水曜日

ちいさな大発見!? No.62(2020.1.22)復活の木??

 先日,散歩をしていたとき,愛犬が草地で何やら匂いをかいでいたので目をやると,何とツクシが顔を出していました。昨年は2月6日に確認していたので,今年は暖冬で待ちきれなかったのでしょうか。
 ※「チョット気になる路傍の花たち No.20(2019.2.11)」で詳しく紹介しています。参考にされて下さい。
 
1月18日早朝,南区にて,高さ5cmくらい!

 さて,入り口広場の鉢の中にちょっと目を惹くスタンダード仕立てのギョリュウバイを見つけました。
株全体に花が咲いています!

 すると,情報館1階に出店している花香房さんでも3鉢売っているのを見つけ,さっそく1鉢購入しました。
 そして,ラベルを見て疑問に思ったことがあります。別名に「マヌカ」と表示してあったのです。もしかして,「マオリ語か?」と思い,調べてみると,ニュージーランド原産でフトモモ科ギョリュウバイ属でした。ハチミツの王様と言われるマヌカハニーでも有名ですね。漢字では「檉柳梅」や「御柳梅」などの漢字が充てられていますが,ウメの仲間ではありませんよ。
 さて,英名ではティーツリーと呼ばれ,ニュージーランドの先住民であるマオリ族の人々は,このマヌカの茎や葉を様々な病気の治療に使い,癒しの木、復活の木と呼び重宝したそうです。
 また,大航海時代に活躍したキャプテン・クックがビタミン不足による壊血病対策にマヌカの葉を煎じて飲ませたところ,見事に回復したとの記録も残っているそうです。

 ところで,同じ名前のティーツリーがハーブ園にあります。ギョリュウバイと同じフトモモ科ですがコバノブラシノキ属で,こちらはオーストラリア原産です。
昨年,5月26日撮影

 そこで,ギョリュウバイはニュージーランドティーツリーと呼んで区別しています。
 さて,ギョリュウバイですが,一重咲きと八重咲きがあり,色も赤やピンク,白とあります。我が家にも3本ほどありますが,大きいものでも1mほどです。ところが,近所で高さ3m,直径1.5mほどの見事なギョリュウバイを見つけました。現地では5mを超えるものもあるそうですよ。
一重咲きのギョリュウバイ!

八重咲です,蕊が少なめ!

南区で撮影,見ごたえがあります!
【解説員K】

2020年1月16日木曜日

俳句の展示作品入れ替えました(2020年1月16日)

昨年12月26日に野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。
その中からいくつかの作品をご紹介します。
(展示スペースの都合上,すべての作品を展示することはできませんので,どうぞご了承ください。)

 “バスを待つコート襟立て息白し” 晴
(バスをまつコートえりたていきしろし)

“讃美歌に突き上げられし冬の空” 晴
(さんびかにつきあげられしふゆのそら)



12月も多くの作品を投稿していただきましたが,その中でも一番投句数が多かったのが晴さんでした。
晴さんには毎月同じくらいたくさんの作品を投稿していただいています。
今年もたくさんの素敵な作品をお待ちしていますね!

“さむいふゆあったかいもの食べたいな” りお


子どもさんの作品だと思いますが,冬の寒さと素直な気持ちが率直に伝わってきますね!

寒さを詠んだ句ですが,今年は例年と比べるとずいぶんと暖かい日が続きました。
当園でも,早くから「ニホンズイセン」は早くから開花し暖冬を感じさせていました。また,今剪定をしていますが,冬のバラも例年よりずっときれいに咲いていて,来園者の方に長く楽しんでいただけました。

今年に限らずここ数年,植物の開花が早くなる傾向にあるようです。
それでも冬は冬,手洗いやうがいをして風邪をひかないよう,みなさん気を付けてくださいね。

その他にも,子どもさんの作品と思われる句がありました。

“こうようだみどりがあってきれいだね” ゆあ
“カバをみた水にはいってたのしそう” ゆき
“とららいおんどんぐりみつけたどうぶつえん” 中川蓮人




感じたことを素直に表現した心が和む句が多く,俳句指導の松尾先生も「今月は子どもが健闘している」と評価されていました。
また,12月は落ち葉を使った作品も多くみられました。

“朴落葉踏んで大地に沈みゆく” 美知子
(ほおおちばふんでだいちにしずみゆく)



当園では12月中旬まで芝生広場におちばのプールを設置していました。
たくさんの子どもたちがふかふかの落葉を踏んだり巻き上げたりして遊び,大好評でした。
いっぱい遊んだ後は靴やポケットの中に落葉が入って,取り出すのが大変だったのではないでしょうか?(笑)

最後に焚火に関する作品を一つ。

“ジャンパーが煙たいごほほ焚火跡” とも
(ジャンパーがけむたいごほほたきびあと)



近頃は目にする機会の少なくなった焚火ですが,当園では,芝生広場にて「焚火の時間」を開催しています。
焚火を楽しむとともに,焼き芋や焼きマシュマロ体験もできるイベントです。

「あったかい!」「けむたい!」と大人も子供もそれぞれに焚火を楽しまれている様子。
2月末までの日祝日に開催(雨天中止)していますので,ご来園の際は,ぜひお立ち寄りくださいね。

俳句の展示は,当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており,約1か月おきに入れ替えをしています。
投句は,野草園休憩所(俳句展示スペース)と緑の情報館1階のポストで受け付けています。
初心者の方も大歓迎ですので,ぜひ挑戦してみてくださいね。
皆さんのたくさんのご投句お待ちしています!

*今回展示している俳句の一覧です。

 

2020年1月13日月曜日

ちいさな大発見!? No.61(2020.1.13)可憐な花が・・・

 針葉樹園花壇で同じ仲間とは思えない2種類のエリカ(ツツジ科エリカ属)が咲いています。
 1つはジャノメエリカです。樹高は1.5m程あります。釣鐘型(ベル型)のピンクの花を無数に咲かせ,株全体がピンク色に見えるほどです。
長い雌しべと,黒い雄しべの葯が目立ちます!

 もう1つは樹高0.3m程のエリカ・ケリントイデスです。長さ3㎝程のピンクの筒状花が、茎の先っぽから垂れ下がるように咲いています。
白やオレンジ色もあります!

 ところが,情報館入り口で最近開花した鉢植えのエリカ・セッシリフローラです。一見するとサボテンのように見えていたのですが,新しい穂の先端からクリーム色の筒状花が咲いて,セッシリフローラと分かった次第です。
 
花の姿がとてもユニークです!

 一般にエリカはツツジ科で700種類以上存在し,ヨーロッパ原産種以外では全体の90%以上が南アフリカ原産です。別名をヒースと言いますが,ヒースは英語で荒地を意味し,エミリー・ブロンテの小説「嵐が丘」に出てくるイギリス北部にあるヨークシャー地方の荒地に咲く植物でもあります。 
 また,エリカは,ヨーロッパでは燃料や屋根ふきの材料,家畜の寝わらなど,生活に欠かせない植物となっています。
 植物園で現在見ることができるエリカは3種類ですが,すべて南アフリカ原産です。
 植物園にお出での際は是非見てください。
【解説員K】

2020年1月2日木曜日

ちいさな大発見!? No.60(2020.1.2)新春にふさわしい・・・?

 新年あけましておめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いします。

 朝,園内を廻っていると,「もう梅の花が咲いていましたね。」と,一人の来園者の方から声をかけられました。
 早速,見に行くと,他のウメたちはまだ小さな蕾をつけているだけですが,本種は新年の到来を待っていたかのように上品で清楚な花を10輪ほど咲かせていました。
顔を近づけると,ほのかに梅の香りが・・・

 名前は「雪月花」という野梅系で早咲きの園芸種です。
 皆さんご存知のように梅には花ウメと実ウメがあります。そして,花ウメは野梅系、紅梅系、豊後系の大きく3系統あり,さらに野梅系のウメは野梅性,紅筆性,難波性,青軸性の4つに分類されます。
 雪月花は野梅性の特徴を持ち,原種に近い白色で一重咲きの大輪です。これから,順次,開花が進んでいきます。
 場所は野草園西側の休憩所の正面です。
 植物園にお出かけの際は,是非,お立寄りください。
【解説員K】

子年にちなんだ植物(2020.1.2)



2020年の干支は子(ねずみ)。例年どおり干支にちなんだ植物を紹介します。(トップの写真はねずみの仲間のモルモットです・・福岡市動物園提供)


 まずご紹介するのはトウネズミモチ【唐鼠黐】(モクセイ科)です。和名は、黒くてコロコロしている果実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ていることから名付けられています。中国原産の常緑樹で、我が国には明治初期に渡来しています。
 当園では、入口広場入って左側の動物園への連絡路脇で見ることができます。


 花は6~7月ごろ、円錐花序に白い小花を多数つけます。
この種は、耐陰性、耐潮性があり大気汚染にも強いことから、高度成長期には緑化木として多用されましたが、あまりに繁殖力が強く在来種のネズミモチと競合するなどの影響があることから、現在では外来生物法で「要注意外来生物」に指定されています。

 次にご紹介するのはネズミムギ【鼠麦】(イネ科)です。ヨーロッパ原産で、イタリアンライグラスと呼ばれて明治時代に牧草として渡来、法面(のりめん)の緑化用としても利用されて野生化し、現在では北海道から九州までの各地の道端などで普通に見られます。
 和名は、ヒゲ(植物的には芒(のぎ)と呼ばれる)が出ている穂の形から名付けられたものでしょうか?

 このネズミムギを牧草として利用しているということで、南区にあるも~も~らんど油山牧場で生育状況を見せてもらいました。


 ロープが張ってある場所が牧草地で、11月頃に種子をまいたそうです。


 現在5~6cmぐらいに生育していますが、翌年5月の連休頃1mぐらいに伸びたものを刈り取るそうです。



 刈り取ったあとはロールの状態で保存して、1年中牛たちの餌として利用されています。


 日当たりの良い肥沃な土地を好んで繁殖力が旺盛なため、牧草や緑化材としては有用な植物ですが、在来植物への生育阻害が懸念され、また花粉症の原因ともなるため、この種もトウネズミモチと同じく「要注意外来生物」に指定されています。




 新年1月2日からは、緑の情報館1階で干支にちなんだ植物や新春にふさわしい「千両」や「金の成る木」など縁起の良い植物を紹介する「新春植物展」を開催しています。
 2020年子年新春にどうぞご覧ください。                      (解説員)