ちいさな大発見!? No.156(2022.3.1)雄しべがうごく?
玄関やマンションのエントランス脇によく植栽されるメギ科のヒイラギナンテンを紹介します。 学名はMahonia japonica ですが、日本原産ではなく、台湾原産の常緑性低木です。 ギザギザの鋸歯がある葉がヒイラギに、果実がナンテンに似ているところから名前が付いたとか。葉には硬いトゲがあり触れると痛いので、魔除けや縁起木として、今でも玄関脇に植えられているのを見ます。 硬くて厚みがある葉にトゲ ところで、ヒイラギナンテンにはおもしろい秘密があります。 次の写真を見てください。 雄しべは花弁側に開いている! 花径1cmほどの花弁は6枚ですが、黄色いガクが9枚あり、それも花弁に見えるため豪華な八重咲きに見えます。真ん中にあるのは雌しべの柱頭です。その周りに6本の雄しべが外側に開いています。 ところが、次の写真ではその雄しべが雌しべを取り囲むように中心に移動しています。 雌しべを取り囲む雄しべ これは、雌しべや雄しべをピンセットで刺激した結果です。いきなりきます。つまり、昆虫が蜜を求めて花筒に入ると、受粉しやすくするための行動なのです。このような動きは振動傾性運動と言い、他にもアザミやマツバボタン、ヤグルマギクなどでも見ることができます。 一般に動く植物と言うと、食虫植物やオジギソウなどが有名ですが、ヒイラギナンテンもおもしろいですよ。機会があれば是非やってみてください。 植物って、すごいですね。 【解説員K】