2020年3月30日月曜日

ステージガーデンからこんにちは! No.1 (2020.3.30)


『個性豊かなキャスト(植物)が,それぞれの役割を演じながら,時の流れに乗って風景というストーリーを紡ぎだす。』
そんなガーデンを目指して,展望台カフェ前の花壇に2020年1月下旬,苗を植えました。
1月28日 小雨降る寒い中での作業でした


2月11日(火・祝)には,通りがかったお客様にお声掛けして,ご希望された方に芽出しチューリップを植え付けていただきました。

チューリップはピンク、白、赤の順に人気でした!
言葉のキャッチボールが弾みます
「大きくなあれ」と思いを込めて

初めて植物を植えるという小さな子どもさんや、「学校で植えたよ!」とてきぱきと苗を扱う男の子。

ご家族で会話を楽しみながら、植えられたチューリップも花開き,ステージガーデンは第1幕のクライマックスを迎えています
3月23日の様子

3月29日の様子


ブログ「ステージガーデンからこんにちは!」では,個性あふれるキャスト(ステージガーデンの植物たち)の変化の様子や,お手入れの様子をお伝えします。
「私も一花育ててみようかな。」という、植物との出会いにつながりますように!
                          【植物展示係S】

2020年3月27日金曜日

ちいさな大発見!? No.70(2020.3.27)世界3大花木の1つが…?

 コロナ対策による温室閉鎖がとかれるや否や,大温室で世界3大花木の1つとされる西アフリカ原産でノウゼンカズラ科の「カエンボク(火焔木)」の花が咲きました。
かぎ爪のようなツボミ!

 花がチューリップのように見えることから,英名を「アフリカン・チューリップ・ツリー」と言い,現地では高さが20mを超える常緑の高木です。ノウゼンカズラ科と言っても,つる性ではありません。そう言へば花の感じが「ユリノキ」に少し似ているような気がします。

 大温室では,すでに天井まで到達し,緑色の肉厚な複葉の間から鮮やかなオレンジ色の花を咲かせています。少しオーバーな言い方ですが,灯りを灯した松明のように見えなくもありません。
肉眼だとこんな感じで見えるかな?

 さて,「カエンボク」はハチドリなどの吸蜜植物でもありますが,その反面,世界の侵略的外来種にも指定されています。樹勢が相当強いようです。

 観賞スポットは2階に上がって一番奥からみるのがおすすめです。

【解説員K】

2020年3月24日火曜日

風に揺れる黄色いすだれ~ナンバンキブシ(2020.3.24)






 展望台の一角で、淡い黄色のすだれのようなものが春風に吹かれて揺れています。釣鐘型の小さな花が総状について垂れ下がっているナンバンキブシ【南蛮木五倍子】(キブシ科)です。関東以西の海岸近くに多く分布しており、春先の花の少ない時期に一面に花序が垂れるので良く目立ちます。早春を代表する花の一つで、その形や色から「黄色の暖簾(のれん)」、「金色の鎖」、「花かんざし」などとも例えられています。


 小さな花を観察すると、4枚の花弁と同じく4枚の萼片がかわら状に重なっています。
 雌雄異株で当園のものは雌木のようですが、1株だけですので結実は見られません。


 この時期、ナンバンキブシと同様に花を下向きにつける種類を園内で探してみると、あちこちでアセビ【馬酔木】(ツツジ科)とトサミズキ【土佐水木】(マンサク科)が見つかります。
アセビ
トサミズキ


 野草園にも下向きの花が咲いています。スノーフレーク(ヒガンバナ科)とオキナグサ【翁草】(キンポウゲ科)です。

スノーフレーク
オキナグサ


 植物の花の形は、花粉を運んでくれる昆虫たちと切っても切れない関係がありますが、このような下向きの花にはどんな虫たちが寄ってくるのか興味がわきます。


 春がいっぱいの園内でいろいろな花を見つけてください。                    (解説員)

2020年3月21日土曜日

ちょっと気になる路傍の花たちNo.30(2020.3.21)園内の雑草たちPart.2

 前号からの続きです。
 先ずは野草の定番,「オオイヌノフグリ」です。漢字では「大犬の陰嚢」と書きますから,意味はおわかり(?)だと思います。虫が飛び交う15℃くらいを目安に開花し,蜜で虫を誘引します。また,虫がいなくても自家受粉で種をつけるという強者(?)です。「雑草という植物はない」という言葉を残された牧野富太郎先生が名前を付けたそうです。お酒でも飲んでいたのでしょうか。
名前とのギャップが・・・?

 次はフウロソウ科の「アメリカフウロ」です。ゲンノショウコの葉とよく似ているなぁと思って調べてみると,同じ仲間でしたよ。ジャガイモやトマトの青枯病対策に有効な成分があるということで最近,注目されているそうです。
秋には紅葉しますよ!

 バラ園南花壇ではヨーロッパ原産の「ヒメオドリコソウ」が群生していました。No.29で紹介したホトケノザに似ていますが,これもムラサキケマン同様,種にエライオソームをつけ,アリに運んでもらうアリ散布植物の1つです。
半日陰では葉は緑色に!

 次はマメ科の「ヤハズエンドウ」です。「カラスノエンドウ」と言った方がよくわかるかと思います。葉の先っぽから巻きひげを伸ばし,隣の草木にからみついていきます。
茎は四角柱です!

 次はアブラナ科の「ミチタネツケバナ」です。花が終わると,実(長角果)が上に伸び,熟す頃になると,人や動物が触れることでパチパチとはじけ飛びます。
細長い鞘が長角果です!

 その隣で咲いていたムラサキ科の「タビラコ」,別名を「キュウリグサ」と言います。キク科の「タビラコ」は「コオニタビラコ」,つまり春の七草の1つである「ホトケノザ」のことで,混同してしまいますね。ですから,少しだけキュウリの匂いがしたことから「キュウリグサ」と付けたのかな。
あまり,キュウリの匂いは???

 ここからは少しだけ大きな植物を紹介します。キク科の「オニタビラコ」です。ロゼット状に広がった葉から花茎をまっすぐに伸びし,タンポポよりも小さな黄色い舌状花をたくさん咲かせます。ちなみに名前の「オニ」は大きなという意味であり,「タビラコ」はキュウリグサで述べたように春の七草の「ホトケノザ」のことです。ですから,大きなホトケノザの花ということになります。
タンポポのような冠毛で,風で運ばれます!

 そして,キク科の「ノゲシ」,別名を「ハルノノゲシ」と言います。葉柄がなく,茎を抱くように葉がつき,触ってもいたくありません。近縁種に「オニノゲシ」がありますが,こりらは葉のギザギザ(鋸歯)が荒く,触れると痛いです。
花弁の1枚1枚にあるおしべとめしべ!

 最後はキク科の「ハルジオン」,漢字では「春紫苑」と書きます。とても良く似ている植物に「ヒメジョオン」,漢字では「姫女苑」があります。「ヒメジオン」と発音し,よく間違います。「ハルジオン」の方が開花が少し早く,花弁がやや長め,葉が茎を抱き,茎はストロー状になっています。
環境省の要注意外来生物に指定!

 4月からの講座も開催が決まりました。
 園をあげて新型コロナウイルスの感染予防対策に取り組みますので,どうぞ植物園に足を運んでください。
      【解説員K】


2020年3月19日木曜日

ちょっと気になる路傍の花たちNo.29(2020.3.19)園内の雑草たち?

 園内に展示している植物をより引き立たせるため,スタッフの方々が日々きれいに除草作業をしています。それでも,気温の上昇とともに,園内のあちこちで雑草(?)が顔を出しています。
 「雑草」とは人にとって役に立たず,やっかいなものという意味があります。ですから「雑草」という名の草花はなく,それぞれに名前があるのは言うまでもありません。

 最初に紹介するのは春の七草の一つとして有名なナデシコ科の「ハコベ」です。花弁が10枚あるように見えますが,実際は1枚が2つに分けれているので5弁花です。ハコベは地力が高い畑に生える代表的な雑草と言われています。
「はこべら」として春の七草の一つ

 同じく春の七草の一つであるアブラナ科の「ナズナ」です。果実が三味線のバチに似ているところから「ペンペングサ」の別名があります。耳元でクルクル回しても,ペンペンとは聞こえませんよ。
果実はハート形ですよ!

 もう一つ,春の七草の「ホトケノザ」とは何の関係もないシソ科の「ホトケノザ」を紹介します。花が開かない閉鎖花もあり,虫などに受粉されなくても結実します。
子どもの頃,花弁をぬいて蜜を・・・

 次はケシ科の「ムラサキケマン」です。一見すると,ホトケノザに似ていますが,花数が多く豪華です。遠くに種をアリに運んでもらうため,エライオソームというアリが大好きなおやつを種につけて散布します。
アリ散布植物と言われています!

 次はシソ科の「ヤブニンジン」です。花見広場の南斜面に群生しています。新緑のニンジンのような葉に真っ白い小花が映えます。
白い線香花火のよう

 その群生している中にヤブニンジンよりもさらに小さな白花を見つけました。キンポウゲ科の「ヒメウズ」です。
葉がオダマキに似ています!

 次はアカネ科でくっつき虫系の「ヤエムグラ」です。茎は四角で葉や茎に下向きの逆さ刺があります。葉は7,8枚ありますが,本来の葉は2枚だけで,他は托葉が変化したものです。
わずか3mmくらいの白花

 最後はタンポポです。
 セイヨウタンポポにやや押され気味ですが,園内では圧倒的に「カンサイタンポポ」ががんばっています。
花を包む総苞片はそり返らない

 もう一つ,在来種の「シロバナタンポポ」です。関東より北ではなかなか目にすることはできません。
総苞片はやや反り返る

 次号でも「雑草」を取り上げます。             
 【解説員K】

2020年3月16日月曜日

“ふきのとうつちのなかからこんにちは” 俳句の展示を入れ替えました。 (2020.3.16)

俳句小屋の展示作品を入れ替えました。
2月もたくさんのご投句ありがとうございました。
ご投句いただいた100点近くの作品の中から何点かご紹介したいと思います。

“立春に娘とあるく植物園” 香代
(りっしゅんにむすめとあるくしょくぶつえん)




娘さんと来てくださったんですね!ありがとうございます。
俳句小屋は梅園のすぐ近くにあります。見頃のウメを楽しんでいただけたでしょうか。
当園がみなさんの思い出作りの一助になれば幸いです。

春を題材にした作品はほかにもたくさんよせられました。

“ふきのとうつちのなかからこんにちは” ゆき
“春よ来いわくわくするね新生活” ゆうき
“また来よう今度は春に友と言う” ミニー



どれもキラキラとした,また希望に満ちた若さ溢れる作品ですね。
不安や大変なこともあるかもしれませんが,新生活を楽しく過ごされることを願っています。
そしてまたぜひ植物園に足を運んでくださいね。

最後に季節の花を使った作品を2点ご紹介します。

“福寿草金塊の如眩しけり” 晴
(ふくじゅそうきんかいのごとまぶしけり)
“遠目にもわかるミモザの風軽し” 登志
(とおめにもわかるミモザのかぜかるし)



福寿草は陽の光で暖まると黄金色の花を開き,曇ってくると閉じてしまうおもしろい植物です。陽の光を集めて花の中を暖めることで昆虫を呼び寄せ,寒い時期の受粉に利用しているそうです。寄り添うように固まって並んでいる福寿草の姿を見ると気持ちもあたたかくなってきます。
また現在,当園ではミモサアカシアが見頃となっており,バラ園デッキ手前の高い所で黄色い花をサラサラと揺らしています(日本では一般的にアカシア属の植物がミモザと呼ばれています。)早咲きの桜(カンヒザクラ、コヒガンザクラ,オカメ等)やモクレンなども順々に見頃になっており,福岡市植物園も少しずつ春めいています。


ミモサアカシア(2020年3月3日)



ハクモクレン(2020年3月3日)


俳句の展示は当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており,約1か月おきに入替えをしています。投句は俳句小屋(野草園休憩所)と緑の情報館1階のポストで受け付けています。皆さまのご投句お待ちしています。

*今回展示している俳句の一覧です。



2020年3月7日土曜日

ちいさな大発見!? No.69(2020.3.7)うそっ,これが〇〇科!?

 今の時季,植物園ではやっぱりサクラが主役(?)ですが,わき役たちの存在もキラリと輝いています。紹介します。
 先ず,温室前の「マンサク」です。「シナマンサク」や「アカバナマンサク(園芸種)」等もあります。
 
日本固有種のマンサク

 次は水生植物園やバラ園南花壇で見ることができる中国原産の「トキワマンサク」と「ベニバナトキワマンサク」です。落葉樹のマンサクに対し,こちらは常緑ですからトキワマンサクの名前が付いています。
花の雰囲気がマンサクに似ている
トキワマンサク
緑葉と赤葉の2種類ある
ベニバナトキワマンサク

 次はモデル庭園や温室南花壇などで咲いている日本原産の「ヒュウガミズキ」と「トサミズキ」です。トサミズキが高知で見つかったことから,ヒュウガミズキは宮崎だと思っているかもしれませんが,実際は石川から兵庫にかけての日本海側,高知などで自生が確認されています。後に宮崎でも発見されたそうです。
小ぶりですが,花数が多いヒュウガミズキ 
オレンジのおしべが目立つトサミズキ

 次は超地味系の「イスノキ」です。虫こぶで有名ですが,小さな花が密集して咲いています。実際には花弁が退化し,花序の上に両性花,下に雄花をつけます。花木園Cで見ることができます。
別名を「ヒョンノキ」と言います!

 芝生広場や紅葉樹園の階段あたりで,写真のようなイガイガの実を見ることができます。写真左はモミジバフウ(アメリカフウ),右はタイワンフウです。落葉樹で現在は葉がありませんが,モミジバフウは5~7裂,タイワンフウは3裂する特徴があります。
左がモミジバフウ,右がタイワンフウ

 最後は前号でも紹介したロドレイアです。
満開はまだまだ、ロドレイア

 それでは問題です。ここで紹介した植物たちの共通点は何でしょう。
 実はここで紹介した植物は属こそ違いますが,すべてマンサク科の植物なんです。マンサクとは似ても似つかない植物ばかりですね。
【解説員K】