風に揺れる黄色いすだれ~ナンバンキブシ(2020.3.24)
展望台の一角で、淡い黄色のすだれのようなものが春風に吹かれて揺れています。釣鐘型の小さな花が総状について垂れ下がっているナンバンキブシ【南蛮木五倍子】(キブシ科)です。関東以西の海岸近くに多く分布しており、春先の花の少ない時期に一面に花序が垂れるので良く目立ちます。早春を代表する花の一つで、その形や色から「黄色の暖簾(のれん)」、「金色の鎖」、「花かんざし」などとも例えられています。
小さな花を観察すると、4枚の花弁と同じく4枚の萼片がかわら状に重なっています。
雌雄異株で当園のものは雌木のようですが、1株だけですので結実は見られません。
この時期、ナンバンキブシと同様に花を下向きにつける種類を園内で探してみると、あちこちでアセビ【馬酔木】(ツツジ科)とトサミズキ【土佐水木】(マンサク科)が見つかります。
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アセビ |
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トサミズキ |
野草園にも下向きの花が咲いています。スノーフレーク(ヒガンバナ科)とオキナグサ【翁草】(キンポウゲ科)です。
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スノーフレーク |
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オキナグサ |
植物の花の形は、花粉を運んでくれる昆虫たちと切っても切れない関係がありますが、このような下向きの花にはどんな虫たちが寄ってくるのか興味がわきます。
春がいっぱいの園内でいろいろな花を見つけてください。 (解説員)
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