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上品な和名~ムラサキシキブ(2021.6.4)

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 郷土樹木園の中に、葉腋から集散花序を出して淡い紫色の花が咲いています。クマツヅラ科のムラサキシキブ【紫式部】です。花冠の長さ5mmほどの小さい花は、筒状花で先は4裂、黄色い葯(やく)をつけた雄しべが4本と雌しべの花柱が長く突き出ています。  この上品な和名は、もちろん平安時代に「源氏物語」を著した女流作家「紫式部」にちなんだもので、淡紫色の花もさることながら、光沢があって秋に濃い紫色に熟す球形の実から連想されて名付けられたといわれています。    ちなみに、庭木として広く普及して皆様に親しまれているのは、同科同属でやや小ぶりながら実をびっしりとつけるコムラサキ【小紫】ではないかと思います。 コムラサキの実  コムラサキとムラサキシキブはよく似ていますが、コムラサキは果実が葉腋からやや離れた場所につくのに対し、ムラサキシキブは葉腋近くにつきます。 ムラサキシキブの実  実のつく位置の違いとともに、ムラサキシキブのほうがまばらなつき方をしているのがわかりますか?また写真では葉縁がわかりにくいのですが、コムラサキは鋸歯が上半部だけなのに対し、ムラサキシキブの鋸歯はほぼ全周にあることも見分けのポイントです。  なお秋にはコムラサキの白花種であるシラタマコシキブ【白玉小式部】も園内で見ることもできます。(別名シロミノコムラサキ)  余談ですが、和名語源を調べていると「紫敷実(むらさきしきみ)の転とか。」と記された資料がありました。(図説草木名彙辞典 1991 柏書房)この元々の和名であるムラサキシキミを、江戸時代の植木屋さんが洒落たのか、あるいはイメージアップして販売促進を企んだのか、ムラサキシキブと改名して売り出したというおもしろい説があります。  秋に熟す紫色の実を楽しみにしてください。             (解説員)

ゴンズイって・・樹木?魚?(2018.10.31)

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 先日、来園の方に8月25日のブログで紹介した「赤と黒」のゴンズイ(ミツバウツギ科)の話をしたところ、「あれ~、ゴンズイって魚にもいるよね。」と言われました。  そうです。よく波止場などの釣りで外道であがる魚もゴンズイといいます。ひれに毒がある厄介者であまり歓迎されない魚です。同じ名前になったのは、樹木のほうのゴンズイもあまり利用価値がないことからつけられたといわれています。  ということで、今回は同名異種、魚など違った生物と同じ名前がついている植物を探してみました。  これから11月後半頃にかけて白花を咲かせるヒイラギ(モクセイ科)です。葉の縁が鋭くとがりますが老木になるとトゲが取れて滑らかになります。  同名でヒイラギという鰭がトゲ状になった小魚がいます。この名前は、体型が葉のような形状で周囲にトゲがあることから名づけられたといわれています。  4~5月に丸い花弁の白花を咲かせるカマツカ(バラ科)です。材が堅く丈夫で鎌の柄に使われたことからこの和名がつけられています。  同名でカマツカという淡水魚がいます。和名は、樹木と同じように堅い体をもっていることに由来しているそうです。  その他、魚類以外の同名異種ではコムラサキ(クマツヅラ科・蝶と同じ名前)やホトトギス(ユリ科・鳥と同じ名前)などが知られています。 コムラサキ ホトトギス 蝶の仲間では、国蝶のオオムラサキもツツジ類のオオムラサキと同じ名前です。  ホトトギス(植物)の和名は、花の紫色の斑点がホトトギス(鳥)の胸の模様を思わせることからつけられています。  現在コムラサキは野草園で、ホトトギスは庭木園で見ることができます。       (解説員)