2019年10月24日木曜日

ちいさな大発見!? No.55(2019.10.23)アルテルナンテラ?

 植物園ではニシキギやカエデなど,木々の紅葉(黄葉)が少しずつ始まっていますが,エントランスや園内通路を中心に寄せ植えされた大型の鉢やプランターがお客様を迎えてくれます。
写真① 色とりどりの葉がきれいです!

 それらの植物をじっくりと見ていて気付いたことがあります。それは,この時季の寄せ植えに欠かせない斑入りや銀葉、銅葉、黄葉などのカラフルな色彩を放つカラーリーフが多いことです。
 例えば,写真②をご覧ください。赤い葉が色鮮やかなヒユ科のアカバセンニチコウ(赤葉千日紅)です。千日紅(写真③)の名前が付いていますが、同じヒユ科でも別のグループに属します。アカバセンニチコウは別名をレッドフラッシュ,学名はアルテルナンテラ・デンタータと言います。
写真② アカバセンニチコウ(赤葉千日紅)
 
写真③ センニチコウ 花に見えるのは苞です。

 また,別の鉢ではセンニチコウによく似た植物(写真④)が目に留まりました。
 
写真④ センニチコボウ(千日小坊)

 写真の撮り方でしょうか,感じがイマイチですが,センニチコボウ(千日小坊)です。学名をアルテルナンテラ・ポリゲンスと言います。

 一方,花壇に目をやると,みなさんご存知のアキランサス(写真⑤)が色とりどりの競演をしています。
写真⑤ 秋の花壇の主役 アキランサス?

 ちなみに赤い葉のアキランサスはアルテルナンテラ・フィコイデア・アモエナ、黄緑色の方はアルテルナンテラ・フィコイデア・ベットジッキアナと言います。
 つまり,このページで紹介したセンニチコウ以外は,熱帯アメリカ原産の同じ仲間なのです。

 ついでに,アキランサスは花が咲かないと思っている人はいませんか。じっくりと観察してみると,小さな小さな花(写真⑥)を見つけることができますよ。
 
写真⑥ 小さな金平糖を忍ばせたよう・・・

 26,27日は無料開園日となっています。是非,植物園に足を運んでください。

【解説員K】

2019年10月16日水曜日

ちいさな大発見!? No.54(2019.10.16)ムラサキツユクサの仲間!?

 先日,温室の中で一人の女性の方から,2階にツユクサのような花が咲いているが,「ハカタカラクサですか?」と尋ねられました。
 私はノハカタカラクサ【別名:トキワツユクサ】写真①がすぐに頭に浮かび,その旨告げると,「ノ」が付かない「ハカタカラクサの方です。」と話されました。
写真① 帰化植物で野生化している「ノハカタカラクサ」

 早速,見に行くと,確かに私の知っている「ノハカタカラクサ」ではありません。早速調べてみると,メキシコ原産の「トラディスカンティア・ゼブリナ」,別名「シマフムラサキツユクサ(縞斑紫露草)」(写真②)でした。
写真② 紫の葉に2本の縦縞がゼブラ模様?

 確かにいろいろと調べてみると,「ハカタカラクサ」と記した資料もありました。葉の模様から博多織をイメージして名前を付けたのでしょうか。

 そして,そのすぐ隣には,肉厚の葉が白い綿毛で覆われているツユクサ系の花が一緒に植えられていました。「トラディスカンティア・シラモンタナ」写真③です。「白雪姫」の別名があります。

写真③ 白くてやわらかい毛がびっしり!

 実は「ノハカタカラクサ」は学名を「トラディスカンティア・フルミネンシス」と言い,これらの植物と同じ仲間です。

 ところで,私たちにいちばん馴染みのあるムラサキツユクサ(写真④)ですが,学名を「トラディスカンティア・オハイエンシス」と言います。カナダ南部からアルゼンチン北部が原産です。私はてっきり日本原産かと思っていましたが,今では世界中で野生化しているそうですよ。
写真④ 「トラディスカンティア・オハイエンシス」

 また,庭の片隅でよく見かける「ムラサキゴテン」写真⑤がありますが,こちらもメキシコ原産で「トラディスカンティア・パリダ」と言います。
写真⑤ 多肉質で茎も葉もすべて紫色の「ムラサキゴテン」

 ここで紹介した5つの植物はすべて中南米原産(一部,北米も含む)でツユクサ科ムラサキツユクサ属(トラディスカンティア属)の仲間なのです。

 ②③は今,大温室2階で見ることができます。是非,植物園にお出で下さい。

【解説員K】

2019年10月12日土曜日

ちいさな大発見!? No.53(2019.10.12)ミコシグサ発見!?

 野草園西と水生植物園などで今,5弁花のピンクの花を見ることができます。
 フウロソウ科のゲンノショウコ(現の証拠)です。

写真① ゲンノショウコ

 ドクダミやセンブリと並び,日本古来の3大民間薬に挙げられるゲンノショウコです。乾燥した葉を煎じて飲むと,すぐに効き目が現れることから「現に良く効く証」という意味で名前が付けられたそうです。
 下痢止めに用いる場合には煎液の温かいもの、便秘に用いる場合には冷ましたものを飲むとよいと言われています。また,副作用がないことから,医者いらずとも。
 さて,写真①の右上をご覧ください。花弁が落ち,5裂しためしべの柱頭が見えています。その雌しべの柱頭が長く伸びたのが次の写真②です。

写真② 根元が少し膨らんでいます! 

 この長く伸びた鞘(さや)の中に種はできず,柱頭の根元に5つの種ができます。(写真③)
写真③ 鞘全体が黒くなり,種ができている!

 そして,種が熟すと鞘が下側から縦に5つに割れ、鞘がクルクルと勢いよく巻き上がるはずみで、種子を1つずつはじき飛ばすのです。
 種を弾き飛ばした後の姿を御輿の屋根に見立てて,ミコシグサ(御輿草)の別名が付きました。写真④

 実は昨日,やっと見つけました。本園では3ヶ所でこのゲンノショウコを見ることができますが,おそらくミコシグサの誕生第1号(?)だと思いますよ。
写真④ まだ,全部の種を飛ばしていないようです!

 ちなみに,福岡で見慣れているゲンノショウコはピンクですが,東日本には白花が多いそうです。私は白花を見たことがありません。
 両者を区別するために,ピンク種を「ベニバナゲンノショウコ」と呼ぶことがあるそうですよ。
【解説員K】