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冬場の植物たちのちょっとした表情(2022.2.6)

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 立春を過ぎましたが春はまだまだ・・寒い日が続いています。  ところで、皆さんは当植物園の入口ゲート、向かって左側に見頃の植物の案内板があるのをご存知ですか?  見頃の植物20種類を毎週1回、金曜日に入れ替えて来園の皆様にご案内しています。入替える植物の種類は毎回職員間のチャットで共有していますが、その中に園内で気付いた植物たちのちょっとした表情のメモを「今週の注目」として付け加えるようにしています。 今回は、ここ1か月ぐらいで気付いたメモをご紹介します。  トップの写真は2月4日 温室「ランの庭」で見つけたノシラン【熨斗蘭】(ユリ科)の実。濃い青色、資料によっては「碧色」と形容されている神秘的な色です。  1月28日 カンスゲ【寒菅】(カヤツリグサ科)(郷土樹木園階段際) 風媒花 地味な花です。先端が雄穂で下側に雌穂がつきます。  1月22日 ウメ【梅】(バラ科) 大寒を過ぎると春の気配が・・・  1月14日 ヒガンバナ【彼岸花】(ヒガンバナ科)の葉 一名葉見ず花見ず 競争相手が少ない冬の陽射しの中で、目いっぱい葉を広げている。  1月6日 花木園A サンシュユ【山茱萸】の赤い実 まだ数粒残っていた。 12月24日 ビワ【枇杷】(バラ科)の花  苗圃にひっそりと咲いている。  いかがですか?植物たちのちょっとした表情、いわゆる「小ネタ」ですが、それぞれ季節が確実に動いていることを感じさせてくれます。  寒い日が続きますが、植物たちの季節の変化を探しに来てください。くれぐれも暖かい服装で・・。                         (解説員)

ちいさな大発見No.103(2020.9.25)リコリスの仲間?!

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  この時季,郊外を走ると,車窓から田の畝を真っ赤に染めたヒガンバナが目に入ってきます。植物園でも園内のいたるところで紅白のヒガンバナ(彼岸花)が咲き誇っています。  ヒガンバナは,球根(鱗茎)が有毒であり,その性質を生かして田の畝に植えられました。理由は2つあり,1つは大切な稲をネズミやモグラなどから守るため。もう1つは飢饉時の救荒植物として,しっかり水にさらして毒抜きを行い,貴重な食料とするためです。  また,鮮やかな黄色のヒガンバナも咲いています。ショウキズイセン(鍾馗水仙)です。  この赤いヒガンバナと黄色いショウキズイセンが交雑してできたのが,シロバナマンジュシャゲと言われています。しかし,日本のヒガンバンは種子ができません。一方,中国原産のシナヒガンバナは稔性種のため,種子ができるのです。  ところで,白花と言っても,実際はクリーム色をしており,それも,微妙に濃淡があります。これは,生育環境や太陽光の当たり具合が原因の1つだそうです。  花型にも大きく2つのタイプがあり、ヒガンバナのように花弁が反転するものと、ナツズイセンのようにユリに似たラッパ状のものがあります。  日本のヒガンバナは不稔性のため,球根で増えるしかなかったわけですが,今は園芸種も含め,交雑が進み,リコリスとして多様な園芸種が増えています。  ナツズイセンやキツネノカミソリなども含め,みんなリコリスの仲間です。  花型や花弁の色,蕊の長短など,その違いをじっくりと観察してみませんか。 【解説員K】

チョット気になる路傍の花たちNo.28(2019.9.22)1000もの名を持つ花?

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 車でちょっと郊外に出ると,畦道や野原の土手などで真っ赤に燃えるような花の群れに出合います。中国原産の植物で古い時代に日本に入ってきたヒガンバナ(彼岸花)です。 マンジュシャゲ(曼珠沙華)とも  私が子どもの頃はお墓に咲く花として,あまり縁起の良い花ではないと聞かされていました。  球根には猛毒があり,古代人はその特性を知っていたのでしょうか。墓地や田の畦道に植えることで,土葬された遺体や稲を野獣やネズミなどから守る意味合いがあったのでしょう。また,球根からは他の植物の生長を妨げるアレロパシー物質を出しています。ですから,ミミズもこの物質を嫌い,寄り付きません。結果,モグラが来ないわけです。  ところで,ヒガンバナはたくさんの別名をもつ花として有名(?)です。実に1000以上の名前が存在するそうです。例えば,ソウシキバナ(葬式花),シビトバナ(死人花)、ユウレイバナ(幽霊花)、ヤクビョウバナ(疫病花)、シビレバナ(痺れ花),ジゴクバナ(地獄花),ステゴクサ(捨て子草),カミソリバナ(剃刀花)など,負のイメージを想起させる名前が多いですね。  しかし、中にはキツネノロウソク(狐の蝋燭),キツネノハナビ(狐の花火),テンジョウノハナ(天井の花),ヒガンユリ(彼岸百合)、アカバナ(赤花)、オミコシバナ(御神輿花)、ハナビバナ(花火花)、カンザシバナ(簪花)などもあります。また,葉の時期には花がなく,花が咲く時期には葉がないところからハミズハナミズ(葉見ず花見ず)と言った名前もあります。  それだけ,大昔から人々にとってヒガンバナは身近な存在だったということでしょう。  ところで,ヒガンバナには白い花があるのをご存知ですか。シロバナマンジュシャゲです。 真っ白じゃないです!  これは,ショウキズイセンとヒガンバナとの雑種だと言われています。でも,黄色いショウキズイセンと赤いヒガンバナとの交配で白ができるのは不思議ですね。どうも,白化変種という遺伝子異常によるものだそうです。  ちなみに,日本のヒガンバナはタネができない不稔性なので、中国原産のコヒガンバナが親だと言われています。  最後にショウキズイセン(鍾馗水仙)を紹介します。ヒガンバナ科の中では最も遅く開花します。ヒガンバナと同じ性質ですが,こちらは種ができますよ。 ...

ちいさな大発見!? No.48(2019.7.26)みんな,リコリス!

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 梅雨が明け,真夏の空の下,温室に向かう香りの路入り口でピンクのユリのような花が咲いています。「ナツズイセン」です。  清楚なピンクが愛らしい「ナツズイセン」  名前に‘スイセン’が付いていますが,スイセンの仲間ではなくヒガンバナ科のリコリス属の仲間です。別名を「リコリス」,「ハダカユリ」と言います。ナツズイセンは春に葉を出して,初夏には葉が枯れ,それから花が咲きます。  次に今週の初めまで咲いていた「キツネノカミソリ」と「オオキツネノカミソリ」を紹介します。 キツネの体色をイメージする「キツネノカミソリ」 「オオキツネノカミソリ」  この2つの植物の違いは蕊(しべ)の長さです。キツネノカミソリは花びらと同じくらいですが,オオキツネノカミソリは写真のように倍くらいの長さがあり,長く突き出ています。こちらも,リコリスの仲間です。  他にも,9月以降に咲く「ヒガンバナ」や「ショウキズイセン」などがあります。 「曼殊沙華」の別名もある「ヒガンバナ」 クリーム色もある「シロバナマンジュシャゲ」 花弁の縁が波打つ「ショウキズイセン」  これらは,すべてヒガンバナ科のリコリス属(ヒガンバナ属)の仲間なのです。  ところで,今,野草園で「スパイダーリリー」が咲いています。こちらもヒガンバナ科の仲間ではありますが,リコリス属ではなくヒメノカリス属になります。北アメリカ原産で,クモの足のような花弁が特徴です。 「スパイダーリリー」と言っても花弁は6枚! 【解説員K】

葉見ず花見ず[ハミズハナミズ](2017.1.11)

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 木々が葉を落としたり草が枯れたりして緑が少ないこの時期ですが、針葉樹園の奥や郷土樹木園の木々の根元には、細長い葉の植物が青々と元気に繁っています。なんの葉でしょうか?  実は、この葉は秋のお彼岸のころに真っ赤な花を咲かせるヒガンバナの葉なんです。  このヒガンバナ、大変興味深い生活パターンをもっています。まず花の咲き方が独特です。  今まで何も見られなかった土手などで、ある日突然花のつぼみが顔を出したかと思ったら数日で茎を伸ばして真っ赤な花を咲かせます。  花の時期が過ぎると茎の足元からやっと葉が出てきます。   秋から冬、ほかの植物が枯れるころ葉を青々と繁らせてたっぷりと光合成をして地下の球根に養分を貯めこみます。それから春、ほかの植物が芽を出して大きく成長するころ、さっさと葉を枯らして休眠に入り秋の開花を待ちます。    つまりヒガンバナは「花の時期」~「葉の時期」~「休眠の時期」というパターンで1年間を過ごして、ほかの植物たちと競合しないユニークな生き方をしているんです。    そこでヒガンバナには「花がある時は葉がなく、葉がある時は花がない」ということで「葉見ず花見ず(ハミズハナミズ)」という別名が付いています。                            (解説員)