2021年1月29日金曜日

ちいさな大発見No.114(2021.1.28)ボリジの秘密?

 この時季、ハーブ園ではわずかにローズマリーやワイルドストロベリーが小さな花を咲かせていますが、他には皆無な中、元気に咲いている花があります。

 それが、ムラサキ科ルリヂシャ属のボリジです。

和名は瑠璃苣(ルリヂシャ)

 ボリジは地中海沿岸に自生する一年草のハーブです。たぶん、昨年の秋に枯れた後、こぼれ種で芽吹いたものと思われます。その証拠に花壇ではない草地でも芽吹いている株を見つけました。

こぼれ種で発芽したボリジ
種子が見えている

 花は5弁花の星形でうつむいて咲きます。濃い青色は染色に使われ、聖母マリアの青い衣を描く時にも使われたことからマドンナ・ブルーと呼ばれています。

スターフラワーの別名も!

 ところが、同じ株の中でピンクの花も混じっていることに気づきました。じっくり観察すると、開花してすぐはピンク、そして、徐々にブルーに変化していくようです。

ピンクからブルーへ

 葉の表面や茎、ガクなどには白い毛がびっしりと生えており、触れるとチクチクします。

 花にはミツバチなどのポリネーターが集まり、イチゴなどの受粉を助けるコンパニオンプランツとしての使い方もされています。

 ハーブとしての効能ですが、葉はもちろん、花も食べられるエディブルフラワーとしてサラダや砂糖漬けにして食べることができます。旬の花は何とキュウリに似た味がするそうです。また、高血圧予防など、たくさんの効能が確認されています。

 最後におもしろい情報を1つ。白ワインにボリジの花を浮かべると、青い花がピンクに変わるそうですよ。私もボリジを栽培して、是非試してみたいものです。

【解説員K】



2021年1月24日日曜日

ちいさな大発見No.113(2021.1.24)ロウバイたちの秘密?

 花の少ないこの時季、園内で最も目立っている花が中国原産のソシンロウバイです。

写真① ソシンロウバイ

 レモンイエローの透き通るような花弁がきれいです。園内では6か所で見ることができます。

 一方、ロウバイの原種にあたる和ロウバイは唐梅(からうめ)とも呼ばれ、ソシンロウバイよりもやや花は小ぶりです。

写真② ロウバイ

 本園では、香りの路にある大株はもう花が終わっていますが、温室前の株は今からが見頃です。英名にWinter sweetとあるように辺り一面にとても強い香りを放っています。

 もう一つ、我が家に咲いているマンゲツロウバイを紹介します。

香りが強いマンゲツロウバイ

 ソシンロウバイの実生から選ばれて作り出された新しい園芸品種で、花弁は丸く大きめで、黄色が濃いようです。花の中心部にはうすい紫色の輪が入り、香りもいちばん強いです。

 ちなみにロウバイが日本に入ってきたのは江戸期で、ソシンロウバイはその約200年後の明治期になってです。また、マンゲツロウバイは20年ほど前に埼玉県の植木屋さんが作り出したそうです。

 さて、ここでロウバイの秘密を2つ紹介します。

 一つはガクについてです。つぼみを覆っているガクは褐色ですが、開花時には内側のものが伸びて大きくなり、伸びた部分は黄色くなるため、花弁とガク片の区別がつきにくくなっています。

 もう一つは、受粉にあります。咲き初めの花はまだ雄しべが未熟なため平開しています。(雌性期 写真左上)そして、雌しべの方は熟して、他からの花粉を受け入れるのです。

写真④ 左上は雌性期、右上は雄性期

 そして、雄しべが熟してくると雌しべを取り囲むように起き上がって受粉をします。(雄性期 写真右上)

 つまり,先ずは他の株からの花粉を受け入れ、その後に自分の雄しべが雌しべにくっついて受精する2段構えになっています。虫の少ないこの時季に咲く植物ですから、受精を確実に行う植物の知恵ですね。

 機会がありましたら、是非、植物園にお出で下さい。

【解説員K】


2021年1月16日土曜日

「LittleClown」のYoutubeチャンネルで紹介いただきました(2021.1.16)

 

 九州初のガールズチャンネル「Little Clown」の「短歌女子」ふうかさんが

植物園を紹介してくれました。


 

Youtube

 URL https://www.youtube.com/watch?v=ZvVqg8S0cI8

 こちらからご覧いただけます。



映像は秋の植物園ですが、これからも様々な季節の植物園を紹介してください。
よろしくお願いします。

 

(運営係 藤田)

2021年1月14日木曜日

“寒風に 震える樹木の いじらしさ”俳句小屋の展示作品を入れ替えました(2021.1.14)

(ヒメネコヤナギ 令和3年1月7日)

昨年末に俳句小屋の展示作品を入れ替えました。12月も多くのご投句ありがとうございました。展示させていただいた作品の中から、数点ご紹介します。まずはこちら。

“寒風に 震える樹木の いじらしさ” まさひこ

ヒューヒューと冷たい風に、木の枝や葉が揺らされている様子が伝わってくるようです。その寒さにじっと耐えながら、春の訪れをまっているのでしょうね。

続いて、こたつを詠んだ作品を2点。

   
“都会っ子 炬燵ときけば ばあちゃんち” 江梨子
“懐しき 田舎の炬燵 遠かりし” 孝太郎

都会ではこたつも、だんだんと珍しいものになってきましたね。和室が減ってきたことなども、こたつ減少の一因でしょうか。それでもお互いの距離が自然と縮まり、身も心もあたたかくなるこたつ、やっぱりいいですよね。

最後はこちらの作品。

“紅葉且 散るよ鳥語の 降ることよ” 美知子

(もみじかつ ちるよちょうごの ふることよ)

秋には紅葉する木も落葉する木もありますが、そんな木々を眺めているときに、鳥のさえずり合う声が聞こえてくるというような情景でしょうか。福岡市植物園には、様々な鳥も飛んできますので、そのような場面もあるかと思います。普段見かけないような珍しい鳥に出会うと、うれしいですよね。その名前を知ると、もっと楽しいと思います。冬は葉が落ちるため、野鳥も観察しやすいようです。園内の散策がてら、双眼鏡を片手にバードウォッチングもおすすめですよ。

(ジョウビタキ 園内にて)

(シジュウカラ 園内にて)

俳句の展示は、当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており、約1か月おきに入れ替えています。投句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と、緑の情報館1階のポストで受けつけています。初心者の方も大歓迎です。みなさんのご投句を、お待ちしています!

※今回展示している俳句の一覧です。


<俳句係M>


2021年1月10日日曜日

雪中四友(2021.1.10)

 


 九州北部地方には、数年に一度という記録的な寒気が流れ込んで各地で大雪になっています。当園内もすっかり雪景色になって来園者が少ない中、訪れられたカメラを愛好される常連お客様から素敵な言葉を教えてもらいました。

 「雪中四友」(せっちゅうしゆう)。中国で古来より文人画に好んで描かれた早春に咲く四つの花、梅(うめ)、蝋梅(ろうばい)、水仙(すいせん)、山茶花(さざんか)を指す言葉だそうです。

 早速「四友」を求めて園内を廻ってきました。

 トップの写真はロウバイの園芸品種ソシンロウバイ【素心蝋梅】です。中国原産のロウバイは花被の内片が暗紫色ですが、ソシンロウバイは黄色のみです。


 次は紅葉樹園の斜面に咲いているニホンズイセン【日本水仙】です。地中海原産のものが古くシルクロードを通って中国にもたらされた後、我が国に渡来したとされています。

 サザンカは元来我が国西南地域に自生していましたが、江戸時代前期から多数の園芸品種が栽培され、現存品種数は約300にも達するといわれています。写真のものは「有希(ゆうき)」という福岡で選出された園芸品種です。

 「四友」の一番目に挙げられているウメは、この時期はまだつぼみでした。花を楽しめるのは例年だと2月初め頃からだと思われます。ちなみに、このつぼみは園芸品種「大牟田」で、福岡県天然記念物に指定されている普光寺(大牟田市)の臥龍梅と同じ品種です。

 最後に紹介するのは「四友」の一つサザンカの種間雑種であるカンツバキ【寒椿】です。積もった雪の間から真っ赤な花びらをのぞかせています。園芸的にシシガシラ【獅子頭】と呼ばれている種類で、横張り性で生け垣によく使われています。

 「雪中四友」の説明として「何れも雪中、厳寒を冒して開き香気馥郁(ふくいく)たるもの」という文があります。寒さの中で懸命に咲いている(あるいは準備をしている)花たちの凛とした姿をどうぞご覧ください。(解説員)                     


2021年1月2日土曜日

丑年にちなんだ植物(2021.1.2)



 新年明けましておめでとうございます
 令和3年(2021年)の干支は丑(うし)。例年どおり干支にちなんだ植物を紹介します。
 かつては農耕用として農村地域に行くとよく見られたウシですが、現在は農業の機械化が進み日常生活の中でほとんど接することはありません。トップの写真は、南区柏原のもーもーランド油山牧場に12月中旬にお伺いして撮影したものです。風は冷たかったですが、よく晴れた天気の中、見晴らしの良い牧草地でのんびりと日向ぼっこをしていました。

          

 ウシにちなんだ植物でご紹介するのはミゾソバ【溝蕎麦】(タデ科)です。
 北海道から九州まで、日本全国の小川沿いや沼沢地などに普通に見られる一年草です。

          

 なぜこの草がウシにちなんでいるのか。その訳は葉の形を見てもらうとわかります。

          

 互生で全縁の葉ですが、基部が耳状に張り出してウシの顔のような形をしていることから、別名はウシノヒタイ【牛の額】と呼ばれています。
 ちなみに本物のウシの額のアップ写真をご覧ください。

          

 この植物は、市内でもちょっと郊外に出かけると、コンクリート護岸化されていない用水路脇など水が豊かで栄養価が高めの場所で群生しているのを普通に見ることができます。

          

 また当園の水生植物園の一画でも2、3株生育していますので、どうぞご覧ください。

          

 新年1月2日からは、緑の情報館1階で干支にちなんだ植物や新春にふさわしい「千両」「万両」や「金の成る木」など縁起の良い植物を紹介する「新春植物展」を開催しています。令和3年(2021年)丑年新春にどうぞご覧ください。                            (解説員)