投稿

“去年今年祈り変らじ子らの幸” 俳句小屋の展示作品を入れ替えました(2021.1.17 )

イメージ
(松尾先生より) 先月末に、俳句小屋の展示を入れ替えました。閑散期だけに投句数は少なめでしたが、それでも小屋いっぱいに俳句を展示することができました。ありがとうございます。 その中から子どもさんのことを読まれた作品を3点ご紹介します。 "去年今年祈り変らじ子らの幸" 松子 (こぞことしいのりかわらじこらのさち) "焼き芋を頬張る吾子の笑顔かな" ポンタ (やきいもをほおばるあこのえがおかな) "子供らの声楽しみて秋散歩" 隆庵 (こどもらのこえたのしみてあきさんぽ) 子どもを想う気持ちはいつの時代も同じですね。今年も花や木を観て楽しんで、思い出をたくさん作っていただけたらなと思います。そして感じたことを言葉にして、俳句もどしどしご投稿くださいね。今年も俳句コーナーをよろしくお願いします! 俳句の展示は、当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており、約1か月おきに入れ替えています。俳句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と、緑の情報館1階のポストで受け付けています。初心者の方も大歓迎です。みなさんのご投句を、お待ちしています! ※今回展示している俳句の一覧です。 <俳句係 M>

ちいさな大発見!? No.152(2022.1.9)ハリーポッター、伝説の植物?

イメージ
  みなさんはマンドレイクと言う植物を知っていますか。  ハリーポッターの映画の中で登場するのですが、スプラウト先生が石にされた生徒を救うために育てている魔法薬草です。茎を引っ張り出すと根の部分に顔があり、大声で泣き出し、その声を聞くと死んでしまうこともあるとか。授業では耳あてをして生徒たちが苗を引きぬくも、ネビルは気絶してしまうシーンがあります。  実はこのマンドレイクは実際に存在するのです。  中世ヨーロッパの時代から薬草として利用された記録があり、根や果実には幻覚や幻聴などを起こし、時には死に至る神経毒が含まれているそうです。また、根茎が複雑に絡み合って分かれ、個体によっては人の姿に似るようで、それが映画の中で使われているのです。 やっぱり、ナス科ですね!  さて、マンドレイクはナス科マンドラゴラ属の植物で、茎はなく、5枚の花弁と1本のめしべ、5本の雄しべからなります。原産地はヨーロッパの地中海沿岸などで育つナス科の多年草で、栽培するのは難しく、花が咲くのは珍しいと言われています。  植物園では入手してから3年目ですが、昨年の12月31日に一番花が咲き、その後、2番花、そして今は3番花が咲いています。だいたい1週間程度で終えてしまうようで、現在咲いている花が最後になるかと思います。 根がどうなっているのか?  実際に根を引き抜いてお見せすることはできませんが、植物園にお出での際は是非、温室ベゴニア室に足を運んでください。 【解説員K】

寅年にちなんだ植物(2022.1.2)

イメージ
 令和4年(2022年)の干支は寅(とら)。例年どおり干支にちなんだ植物を紹介しますが、まず最初は主役のトラの写真から。福岡市動物園から提供いただいたアムールトラのカイ君(オス・15歳)です。  以下トラ舎の説明板からの引用です。アムールトラはネコ科最大の動物で成熟したオスの体長は3.3mにもなる。ロシア極東部や中国北部に生息するが、現在野生では500頭ほどに減少。国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種としてレッドリストに掲載されているとのことです。  トラの体の特徴はなんといっても黄色の毛に入る黒色の縞模様でしょう。そのため、植物にも葉に縞模様が入るものにトラにちなんだ名前が付けられています。  どうですか、この縞模様!温室の観葉植物トラフアナナス【虎斑あななす】(パイナップル科)です。スリナムなど南アメリカ北部原産で、現地では多く樹木や岩に着生しています。ちなみにアナナスとは、園芸上はパイナップル科植物の総称を意味しています。  次も和名に「虎斑」が入る観葉植物トラフヒメバショウ【虎斑姫芭蕉】(クズウコン科)です。ブラジル原産で、葉の表面はビロード状の光沢があります。おもしろいのは学名Calathea zebrinaで、この種小名はzebra(シマウマ)にちなんでいます。この縞模様を見て、命名者はトラよりシマウマをイメージしたのでしょう。  次は、この3種の観葉植物の中ではたぶん最もポピュラーなサンセベリア(流通名)です。標準和名はアツバチトセラン【厚葉千歳蘭】(リュウゼツラン科)ですが、別名トラノオ【虎の尾】とも呼ばれています。この種は前2種に比べると縞模様がやや薄く、私はトラの尾というより背中の模様の方が感じが似ていると思いますがいかがですか?  最後は皆さん方のお庭などでも普通に見られる植物ユキノシタ【雪の下】(ユキノシタ科)です。  我が国から中国にかけて普通に分布する種ですが、葉の形や模様から別名虎耳草[こじそう]とも呼ばれています。葉に粗い毛があるのも雰囲気が出ていると思います。  参考ですが、トラの耳の裏に白い斑紋が入っているのがわかりますか?これは虎耳状斑 [こじじょうはん]と呼ばれるもので、トラやライオン、ヒョウなどネコ科の仲間の特徴だそうです。詳しくは動物園ホームページ「オモシロイ!どうぶつ雑学」https://zoo.city.fu

ちいさな大発見!? No.151(2021.12.26)南アフリカ原産?その2

イメージ
 前号では南アフリカ原産で日本に定着している植物を紹介しました。今号はその続きとなります。春から開花順に紹介します。  まず、早春に花壇を彩るハマミズナ科で1年草のリビングストン・デージーです。花弁に見えるのは雄しべが変化した仮雄蕊(かゆうずい)です。近縁種にマツバギクがあり、こちらも南アフリカ原産ですよ。  キク科ではありません!  次は4月中旬から咲き始めるアヤメ科のヒメヒオウギです。6枚の花弁のうち、3枚の基部に濃い斑点が入ります。  フリージアの仲間!  同じく5月から7月くらいまで咲くサトイモ科のカラーです。花に見える部分は仏炎苞と言い、萼が変化したものです。中心部の黄色い部分が花の集合体となります。  サトイモ科特有の仏炎苞   6~7月頃、爽やかなブルーの花をつけるユリ科のアガパンサスです。  別名はムラサキクンシラン  6~8月頃、オレンジの鮮やかな花を空き地や野原でよく見かけます。アヤメ科のクロコスミア、別名をモントブレチアと言います。園芸種で真っ赤な花を咲かせるクロコスミア・ルシファーがあります。  ヒメヒオウギズイセンの和名をもつ  6月に開花し、7月には花と果実が一緒に見られ、10月上旬頃まで風船状の果実を楽しめるガガイモ科のフウセントウワタです。  果実が熟すと、中から綿毛が…  サボテン室では6~9月頃にかけて、ガガイモ科のサイカクが咲きます。ヒトデのようなユニークな形をしていますが、花から悪臭を放ち、ハエを呼び寄せて受粉させます。  ツボミがサイの角に似ている…  6~7月にヒペリカムに似た黄色い5弁花をつけ、その後、花弁が落ちて、やがて受粉した子房が膨らんで緑色の果実ができます。それが黒く熟すとミッキーマウスノキの完成(?)です。  学名はオクナ・セルラタ    No.150、151で紹介した植物以外にもイキシアやオリヅルラン、ガザニア、ガーベラ、クンシラン、カネノナルキ、キダチアロエ、ゼラニウム、ディモルホセカ、フリージア、ペラルゴニウム、ホメリア、ルリマツリ、ロベリアなど、南アフリカ原産の植物は私たちのまわりに数多くあります。 【解説員K】  

ちいさな大発見!? No.150(2021.12.25)南アフリカ原産?その1

イメージ
 バラ園花壇でスタッフと話している際、たまたま球根植物の話から・・・  ・解説員K:「南アフリカ原産の植物が数多く日本に入ってきているんですよ。」  ・スタッフ:「本当ですか、熱帯の植物が日本の冬を越せるんですか。」  実は南アフリカは、暑くて砂漠が多いと思われがちですが、世界有数の植物の宝庫と言われています。例えば、最南端の喜望峰があるケープタウンは、最も寒い7月の最低気温が9度で、最も暑い1月の最高気温が25度程です。夏は雨が少なく乾燥し、冬は比較的温暖で雨が多い地中海性気候なのです。うらやましい!  そこで、今回は2度にわたり、南アフリカ原産で日本に定着している植物を紹介します。  先ず、南アフリカの国花であるヤマモガシ科のキングプロテアです。花径が最大で30cmにもなる常緑低木です。主に切り花で見かけます。 花の王様と称される!  次はブルニア科のバーゼリアです。ドライフラワーにしてリースなどにも使われます。 晩秋になると、緑色の蕾が・・・  そして、ツツジ科のエリカです。エリカは世界中で700種類以上存在し、一部、ヨーロッパ原産種を除くと、そのほとんどが南アフリカ原産です。  エリカ・カナリクラータ(和名:ジャノメエリカ)   エリカ・セシリフローラ エリカ・ケリントイデス  次は今、園内で咲いている南アフリカ原産の植物を紹介します。  まず、ゴマノハグサ科のネメシアです。1年草と多年草があり、花色も含め、多くの園芸品種が作られています。  四季咲き性の強い品種も!  そして、キク科のユリオプスデージーです。開花期間が長く、8月末から咲き始め、翌年の5月くらいまで咲いています。 乾燥気味に育てるのがポイント!  次はちょっとやっかいな野草です。カタバミ科のオオキバナカタバミです。すでに紅葉樹園の北斜面で開花が始まっています。  オキザリスの仲間です!  ついでに温室で咲いている食虫植物も1つ紹介します。タヌキモ科のウサギゴケです。高山地帯の湿地の岩壁に根を張り付かせて自生しています。  コケの仲間ではありません  No.151に続きます! 【解説員K】

園芸講座「レモングラスでしめ飾りづくり」を実施しました。

イメージ
 開催日 令和3年12月21日 火曜日 13時30分から15時30分  講 師 植物園ハーブボランティアの皆さま  内 容 今回はレモングラスの生育状況により定員数を増やして受付しましたが、それを優に上回る100件以上の応募がありました。こちらの講座では、実際にレモングラスを編みこむところから始め、稲穂やナンテンの実、ダイダイなどで飾り付けてお正月のしめ飾りを作ります。会議室内でレモングラスのいい香りが漂う癒しの空間の中、今年もたくさんの素敵なしめ飾りができました。 参加者の感想 とても貴重な体験をさせていただき有難うございました。しめ縄の知識も深まりました。 初めてのしめ飾りづくりでしたが楽しく参加させていただきました。レモングラスの爽やかな香りに癒されました。また来年も参加したいです。 (運営係 A)

気になる落葉(2021.12.19)

イメージ
 先日、緑の情報館相談コーナーに中央区在住の女性がお見えになり「熊本に出かけた時、気になるイチョウの葉があったので拾ってきました」とのこと。トップの写真がそれですが、葉の幅が大きいものは約15cmもあって切れ込みも深く、確かに気になる葉です。ちなみに、この葉は熊本市南区にある光徳寺というお寺さんで拾ってきたということです。そして気になる話をもう一つ「博多駅前の住吉通方面のイチョウの街路樹にもこのように変わった葉がある」との情報をいただきました。  私は通勤でJR博多駅を利用しているので、早速帰りに調べに行きました。  冬になって黄葉した葉はすっかり落ちていましたが、木枯らしに吹かれて植樹帯の中の吹き溜まりに重なっている葉をかき分けて探すと、ありました!  いろいろな切れ込みの葉です。  そして大形サイズの葉も発見。  葉の幅は大きいものは15cm近くもありました。ちなみに上の写真は下側に標準的な葉(と考えられる)として当園内で採集した葉(幅約10cmほど)を比較のため並べています。なお博多駅前に落ちていた葉の多くは、扇形で切れ込みがないか、浅く2裂している標準的な形で幅も10cm未満のもので、このような変形・大形の葉は一部ではありますが、なぜこのような変わった葉が発生するのでしょうか?  ヒントとして考えられるのが、このエリアの街路樹の樹形です。  残念ながら、イチョウ本来の樹形にはほど遠いヒョロヒョロの姿をしています。  このエリアのイチョウは、道路というさまざまな制約がある空間の中で維持管理していくために、樹形を小さくコントロールする剪定がかなり強く行われているようです。  一般的に、強度の剪定をした後に伸びる枝につく葉は、葉が減って失われたエネルギーを補おうとして光合成量を増やす必要があり、通常より大形になります。  この写真は、枝をぶつ切りにされた後に出てきたケヤキの葉の例です。  ということで、強剪定の後に出てくる大きな葉というのは、樹木にとってはSOS信号になっているんです。  ちなみに、最初にお持ちいただいた熊本のお寺さんのイチョウは、お聞ききすると過去に雷が落ちたことがあるとのこと。あの大形の葉は、雷で受けたダメージから回復するための姿だったということが考えられます。  また深い切れ込みについては、大形化した葉は風の抵抗を受けやすくなり、風で葉がむし