子年にちなんだ植物(2020.1.2)



2020年の干支は子(ねずみ)。例年どおり干支にちなんだ植物を紹介します。(トップの写真はねずみの仲間のモルモットです・・福岡市動物園提供)


 まずご紹介するのはトウネズミモチ【唐鼠黐】(モクセイ科)です。和名は、黒くてコロコロしている果実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ていることから名付けられています。中国原産の常緑樹で、我が国には明治初期に渡来しています。
 当園では、入口広場入って左側の動物園への連絡路脇で見ることができます。


 花は6~7月ごろ、円錐花序に白い小花を多数つけます。
この種は、耐陰性、耐潮性があり大気汚染にも強いことから、高度成長期には緑化木として多用されましたが、あまりに繁殖力が強く在来種のネズミモチと競合するなどの影響があることから、現在では外来生物法で「要注意外来生物」に指定されています。

 次にご紹介するのはネズミムギ【鼠麦】(イネ科)です。ヨーロッパ原産で、イタリアンライグラスと呼ばれて明治時代に牧草として渡来、法面(のりめん)の緑化用としても利用されて野生化し、現在では北海道から九州までの各地の道端などで普通に見られます。
 和名は、ヒゲ(植物的には芒(のぎ)と呼ばれる)が出ている穂の形から名付けられたものでしょうか?

 このネズミムギを牧草として利用しているということで、南区にあるも~も~らんど油山牧場で生育状況を見せてもらいました。


 ロープが張ってある場所が牧草地で、11月頃に種子をまいたそうです。


 現在5~6cmぐらいに生育していますが、翌年5月の連休頃1mぐらいに伸びたものを刈り取るそうです。



 刈り取ったあとはロールの状態で保存して、1年中牛たちの餌として利用されています。


 日当たりの良い肥沃な土地を好んで繁殖力が旺盛なため、牧草や緑化材としては有用な植物ですが、在来植物への生育阻害が懸念され、また花粉症の原因ともなるため、この種もトウネズミモチと同じく「要注意外来生物」に指定されています。




 新年1月2日からは、緑の情報館1階で干支にちなんだ植物や新春にふさわしい「千両」や「金の成る木」など縁起の良い植物を紹介する「新春植物展」を開催しています。
 2020年子年新春にどうぞご覧ください。                      (解説員)

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