”枯芝に赤き花びらありにけり”俳句の展示を入れ替えました。





〈ご応募いただいた俳句作品を展示している野草園休憩所〉
野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。
今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。

“枯芝に赤き花びらありにけり”波田てつお
(かれしばにあかきはなびらありにけり)



今回、「枯芝(かれしば)」の季語を使った俳句が多く寄せられました。
冒頭の句の”赤き花びら”は、今の時期ならサザンカでしょうか。
きつね色の芝の上に落ちている赤い花びらが印象的な句です。


〈冬の芝生広場〉

植物園では、一月頃、中央の芝生広場がまさに「枯芝」広場になります。
ここに張られている芝は、日本の在来種である野芝(ノシバ)で、冬枯れする芝です。


〈現在の大花壇の様子/植えたばかりで花はまだ小さいですが・・・〉

一方で、植物園内には、「枯芝」とならないように管理している芝生もあります。
バラ園の横にある大花壇の芝生です。
花の寄せ植えの周りを囲むように、日本芝と洋芝を混植させ「エバーグリーン」の芝生を維持しています。
この緑鮮やかな芝生があることで、冬でも花の色がより一層鮮やかに映えます。


〈数年前の大花壇の様子〉


実は、この大花壇には、以前は芝生はありませんでした。以前は、花壇全てを色とりどりの花で植え尽くしていました。
ところが、毎年行われる管理予算の縮減、また縮減!
花苗代を減らすために、苦肉の策として周りを芝生にしてみたら・・・
不思議なことに前よりも美しい花壇に!
均質な緑色の中に花の赤色のコントラストとそのバランスが、思いもかけずに良い効果を生み出したのでした。


コントラストが鮮やかさや美しさを引き出してくれるのは、花壇も俳句も同じようです。

〈園内ではソシンロウバイが満開で、すばらしい香りがしています〉

ただし、このエバーグリーンの芝生は、実はものすごく手入れが必要なんです。
「自宅にもこの緑の芝生をつくりたい!」とおっしゃる方、芝刈作業が年間20回以上になることだけはご承知を!


*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。

*今回展示している俳句の一覧です。


 (園長 上田)

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