早くも新春の雰囲気(2018.12.13)



 
センリョウ
「献歳植物」(けんさいしょくぶつ)という言葉をご存知でしょうか?
 新春を祝う縁起の良い植物のことで「瑞祥植物」(ずいしょうしょくぶつ)とも呼ばれます。なかでも親しまれているのは常緑樹で美しい赤色の実をつけるセンリョウなどの低木類ですが、当園内では歳末を前に野草園の一角に揃って実をつけています。
 葉の上側に実をつけているのはセンリョウ【千両】(センリョウ科)です。葉には光沢があり対生です。
マンリョウ
葉の下側に実をつけているのはマンリョウ【万両】(ヤブコウジ科)です。葉の縁は波状の鋸歯で互生です。
ヤブコウジ
マンリョウと同じく葉の下側に実をつけているのはヤブコウジ【薮柑子】(ヤブコウジ科)です。センリョウ、マンリョウより小柄なので十両と呼ばれます。
 我が国では古くから、これらにカラタチバナ(百両)とアリドオシ(一両)を加えて縁起物として商売繁盛などの願いを託してきました。
 また、すぐ横には「難を転じる」として厄除けの縁起物であるナンテン【南天】(メギ科)もびっしりと赤い実をつけています。
ナンテン
野草園でこれらの献歳植物を見ると、早くも新春の雰囲気が感じられるようです。暖冬傾向から一気に本格的な冬が訪れてきましたが、暖かくして植物園にお越しください。


 なお新年1月2日からは、緑の情報館1階で献歳植物や干支にちなんだ植物を紹介する「新春植物展」を開催します。どうぞお楽しみに!                                                             (解説員) 

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