チョット気になります,路傍の花たち No.20(2019.2.11)ツクシ

 路傍の花No.19が昨年の10月28日でしたから本当に久しぶりです。その間、小さな大発見シリーズが主流になっていましたよ。

 さて、早春を告げる使者(?)と言えば,園内ではやっぱり「フクジュソウ」を挙げたいと思います。しかし,私たちの身近な空き地や原っぱなどの生活圏で「フクジュソウ」を見ることは,まずありません。
 先日(2月6日),愛犬と散歩をしていたとき,ふと足元に目をやると,見覚えのある植物が顔を出していました。そうです,「ツクシ」です。
 やっぱり,私的には春の到来を告げる使者は「ツクシ」(写真①)です。
  
写真①「ツクシ」トクサ科
 子どもの頃,ツクシを摘んで家に持ち帰ると,袴をとった後に母が煮物を作っていました。特に頭の部分は苦みがあり,あまり好んで食べてはいなかった記憶があります。

 ツクシはスギナの胞子茎と言われています。ツクシを漢字で書くと,「土筆」。先っぽの筆の部分をよく見ると,1つ1つが6角形をしています。その部分がだんだんと熟して開いてくると,中の袋から胞子(粉状のもの)が飛び出します。この小さな胞子がやがてスギナになっていくのです。
 つまり,ツクシは花にあたる部分であり,スギナは根や葉にあたります。ツクシとスギナは地下茎で繋がっています。
 試しにちょっと掘ってみると,確かに繋がっていましたよ。(写真②)
写真②「地下茎でつながるツクシとスギナ」
 そして,地下茎の太いことと言ったらビックリです。(写真③)途中で切れてしまったのですが,別名を「地獄草」と言い,宅地や農地に生えると大変なのもよくわかりますね。
写真③「とっても太い地下茎」
 ツクシは繁殖のために緑色の胞子を散らすと,その役目を終え,やがて枯れてしまいます。そして,スギナが大きく生長してきます。

 この関係は,例えば,ヒガンバナ(写真④)の生長とよく似ています。
 写真④「ヒガンバナ」
 ヒガンバナは初秋の頃、地面から花茎を伸ばし,花を咲かせます。そして,花が枯れてしまうと,葉が伸びてきますよね。
 みなさんも,近所の空き地や野原でツクシを探してみませんか。
 【解説員K】

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