ちいさな大発見!? No.24(2019.2.22)「カクチョウラン」

 2月9日実施の植物観察会(温室植物)の事前準備中に見つけたカクチョウラン,何とか当日間に合うように咲いてほしいとの願いから観察リストに入れました。
 写真①を見てください。これは1月30日に撮影したものですが,3本の花茎が立ち上がり,一番大きいもので高さが80cmほどありました。
 
 写真①「1月30日の様子)
 この間,花茎が少しずつ伸びているものの蕾の変化はなく,結局,9日の観察会では写真①の状態で行いました。(もちろん写真資料は用意しましたが残念でした!)

 
写真②「2月11日の様子」
 つぼみは1つに固まっていましたが,いちばん下のつぼみが花茎から離れて花柄が伸びてきました。開花のスイッチが入ったのでしょうか。
 写真③「2月14日の様子」
 下から順に花柄が伸びて蕾が独り立ちしたようで,いくつかの蕾の先が少し割れてきましたよ。

 写真④「2月19日の様子」
 ついに開花しました。予想よりも10日も遅かったです。

 開花したのが2月19日,花弁の外側は白いままで内側が淡い褐色の花弁をもち、唇弁はピンクの美しい花です。3本の花茎のうち,いちばん大きな花茎は高さが110cm,15個の花芽(現在開花4含む)を持ち,葉は6枚,長さ55cm,幅11cmもあります。

 写真⑤「見ごろを迎えたカクチョウラン」

 カクチョウランは中国、インド、東南アジアからオーストラリアにかけて自生していますが,日本でも種子島以南で地面に根を下ろす地生種です。そして,日本に自生する最大のランと言われています。
 漢字では「鶴頂蘭」と書き、咲いた花の姿を鶴に見立てたようです。このように,大型で優雅な蘭のため,乱獲が進み,今では沖縄県や環境省が絶滅危惧Ⅰ類(EN)に指定しています。
 クマバチによって受粉される虫媒花ですが,本園の温室にはクマバチはいませんので,安心しておいでください。特に2月の観察会に参加されたみなさん,是非,見に来て下さい。
【解説員K】

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