寅年にちなんだ植物(2022.1.2)

 令和4年(2022年)の干支は寅(とら)。例年どおり干支にちなんだ植物を紹介しますが、まず最初は主役のトラの写真から。福岡市動物園から提供いただいたアムールトラのカイ君(オス・15歳)です。

 以下トラ舎の説明板からの引用です。アムールトラはネコ科最大の動物で成熟したオスの体長は3.3mにもなる。ロシア極東部や中国北部に生息するが、現在野生では500頭ほどに減少。国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種としてレッドリストに掲載されているとのことです。

 トラの体の特徴はなんといっても黄色の毛に入る黒色の縞模様でしょう。そのため、植物にも葉に縞模様が入るものにトラにちなんだ名前が付けられています。

 どうですか、この縞模様!温室の観葉植物トラフアナナス【虎斑あななす】(パイナップル科)です。スリナムなど南アメリカ北部原産で、現地では多く樹木や岩に着生しています。ちなみにアナナスとは、園芸上はパイナップル科植物の総称を意味しています。
 次も和名に「虎斑」が入る観葉植物トラフヒメバショウ【虎斑姫芭蕉】(クズウコン科)です。ブラジル原産で、葉の表面はビロード状の光沢があります。おもしろいのは学名Calathea zebrinaで、この種小名はzebra(シマウマ)にちなんでいます。この縞模様を見て、命名者はトラよりシマウマをイメージしたのでしょう。
 次は、この3種の観葉植物の中ではたぶん最もポピュラーなサンセベリア(流通名)です。標準和名はアツバチトセラン【厚葉千歳蘭】(リュウゼツラン科)ですが、別名トラノオ【虎の尾】とも呼ばれています。この種は前2種に比べると縞模様がやや薄く、私はトラの尾というより背中の模様の方が感じが似ていると思いますがいかがですか?
 最後は皆さん方のお庭などでも普通に見られる植物ユキノシタ【雪の下】(ユキノシタ科)です。
 我が国から中国にかけて普通に分布する種ですが、葉の形や模様から別名虎耳草[こじそう]とも呼ばれています。葉に粗い毛があるのも雰囲気が出ていると思います。
 参考ですが、トラの耳の裏に白い斑紋が入っているのがわかりますか?これは虎耳状斑
[こじじょうはん]と呼ばれるもので、トラやライオン、ヒョウなどネコ科の仲間の特徴だそうです。詳しくは動物園ホームページ「オモシロイ!どうぶつ雑学」https://zoo.city.fukuoka.lg.jp/knowledges/detail/10をどうぞ。
 新年1月2日からは、緑の情報館1階で干支にちなんだ植物や新春にふさわしい「千両」「万両」や「金の成る木」など縁起の良い植物を紹介する「新春植物展」を開催しています。令和4年(2022年)寅年新春にどうぞご覧ください。      (解説員)















 

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