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継子の尻拭い[ママコノシリヌグイ](2017.9.27)

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 今モデル庭園で、薄いピンク色のまるで金平糖のような可愛い花が咲いています。きれいなので近づいてよく見ようとして花に近づいたら鋭いトゲがチクリ。                 よく見たら茎には下向きのトゲがいっぱい。この花の標準和名は「継子の尻拭い」といいます。  この和名は、トゲだらけの茎や葉から「憎い継子の尻をこの草で拭く」というすさまじい意味からつけられています。タデ科の一年草で、トゲで他の植物などを引っかけながら茎を伸ばして勢力を広げていく「つる植物」の一種です。  この花には花弁はなく花びらのように見えるのは萼です。また葉柄のつけ根には鞘状の托葉があり茎を包んでいるなど興味深いポイントがありますから是非とも間近に観察してください。   ただし、この時期の「つる植物」はヤブガラシやヘクソカズラなどと同様に、庭園管理上はやっかいものの雑草です。作業時期がきたら引き抜かれますからお早目にご覧ください。そして、くれぐれもトゲにはご用心を!                                      (解説員)

50日前!福岡マラソンプレイベントを動植物園で開催!(2017.09.25)

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気候が段々と穏やかになって,植物たちも冬を迎える前にとせっせと花を咲かせだしました。 植物たちにとっても過ごしやすい気候なのでしょうね。 人間にとっても過ごしやすい季節である秋。 芸術の秋,食欲の秋,読書の秋,そして,スポーツの秋ということで, 9 月 23 日(土)今年が初めてとなる『福岡マラソ 2017   50 日前イベント』を福岡市動植物園で開催しました! これは福岡マラソン 2017 の大会 50 日前を記念して,福岡マラソン実行委員会と福岡市動植物園が共同で企画したイベントとなります。 第 1 部では,本イベントのために特別に行ったもので,開園前の植物園メイン園路でのランニングを行ったり,ランニングに適した靴の選別からストレットの仕方までランニングコーチのレクチャーのもと行っていきました。 普段は落ち着いた感じの植物園ですが,今日だけはランナーの活気であふれていました 第 2 部では,南公園の花見広場の 250 段の階段と坂道を使ってのトレーニングです。福岡マラソンはフラットな部分が多いですが, 20Km と 32Km の坂道(特に 32Km の坂道は心が折れます(経験者))をどう攻略するかがカギとなるので,このトレーニングは福岡マラソンを走る方には特に重要なものですね。 第 3 部は植物園の芝生広場に場所を変えて,アスリートの理想的な食生活に関してと,それを実現するための「アスリート弁当」のご紹介していました。 走るのは苦手という人でものんびりウォーキングを秋の植物園でいかがでしょうか? そして,福岡マラソンを走られる方は,頑張って下さい!(落選した私の分まで。。) 坂道トレーニングにはぜひ南公園をご活用下さい! (植物展示係 浜部)

高原で秋を堪能(2017.9.10)

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9月8日、所用があって大分県に出かけました。 前日の雨が嘘のような秋晴れの中、九重の飯田(はんだ)高原に立ち寄り、写真をパチリ。 タデ原湿原から三俣山をパチリ。 木道を歩き、湿原周辺の植物を写してきましたので、いくつか紹介します。 マツムシソウです。 ワレモコウです。 ススキです。赤い屋根は長者原ビジターセンターです。 ハギ(マルバハギ)です。 サイヨウシャジン(ツリガネニンジン)です。 サワギキョウです。 ヒゴタイです。 短時間の滞在でしたが、青空の中、心地よい風を感じながら、秋を堪能できました。 (緑の相談員 O)

9月の植物から②(2017.09.14 )

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野草園では,ナンバンギセルが咲いています。ちょっとわかりにくいのですが,俳句を展示している四阿(あずまや)から降りたタカノハススキの根元に咲いています。『思い草』ともいわれ万葉集では,「道の辺の 尾花が下の 思い草 今さらさらに 何をか思はむ」と詠まれています。 同じく野草園にワレモコウがひっそりと咲いています。源氏物語にも取り上げられた秋の名花のひとつで,そのたたずまいが好まれ,茶花などによく用いられます。多数の小さな花の集まりで,花弁はなく, 4 個の萼片があります。 次に紹介するのはタマスダレです。レインリリーともよばれています。 先週,めぐみの雨が降ったおかげで,次々と咲いています。 紹介した植物が観察できます。(解説員 N)  

“小さくともはや瓢箪でありにけり”俳句の展示入れ替えました。(2017.09.12)

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野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。 今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。 “小さくともはや瓢箪でありにけり” 松尾康乃 (ちさくともはやひょうたんでありにけり)  “瓢箪(ヒョウタン)”はウリ科ユウガオ属のツル植物です。原産地はアフリカ南部ですが1万年も前から世界中で栽培されているなど、人類との関わりの深い植物です。日本でも縄文時代には栽培されはじめ、イネよりも古く「日本最古の栽培植物」とも言われています。  なぜそこまで広まったのか?ヒョウタンは成長が早く、そしてたくさんの実をつけます。さらにその実は大小さまざまで軽量かつ加工もカンタンです。水を運ぶ容器として、食器として、そして楽器として、人類の生活に不可欠な植物だったようです。 楽器のマラカスももともとヒョウタンで作られていました。  福岡市の植物園内でも、毎年6月からの8月の間、ヒョウタンの棚で作った「ヒョウタントンネル」をつくり、たわわにぶら下がるたくさんのヒョウタンの実をご覧いただけます。 ヒョウタントンネル  そのヒョウタンの実は、句にもあるように、花びらが枯れた直後からすでにヒョウタンのくびれが見られます。“小さきヒョウタンの実”は、ほぼそのままの姿でサイズアップしながら成長を続けるのです。 まだ若いヒョウタンの実  ご紹介したヒョウタンの句は、読むにつけ、句の作者の自然に対する観察眼と、そこから「物語」を見出す感性の高さを感じます。俳句は素人の私でも「いい句だな」と感じます。  最近、「ヒョウタンランプアート」などヒョウタンを使ったクラフトが人気のようです。植物園でも、毎年、園内でできたヒョウタンを使って「マイひょうたんづくり」のクラフト教室を開いています。今年は11月5日13:30~です。現在、参加者募集です。たくさんの申し込みをお待ちしています。 たまには、こんなばちかぶりのヤツも出てきます。 *この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。 *今回展示している俳句の一覧です。 (園長 上田)

9月の植物から(2017.09.012 )

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先日の観察会での植物を 2 種類紹介します。 温室では,世界1大きな実のパラミツが実っています。熱帯アジアでは,食用として重要です。 幹から直接実がつく,幹生果(かんせいか)です。 野草園では,キバナノツノゴマにオクラによく似た実がついています。全草が粘液質の毛でおおわれていて小さな虫などがくっついています。じつは,食虫植物の仲間だともいわれています。 若い時は,食用にされますが,やがて黒く熟して木質化して釣り針状になり,動物にひっかけて種子を拡散しています。ひっかかったり,踏みつけると大変なことになりますね。 紹介した植物が観察できます。(解説員 N)