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「エアープランツを育ててみよう」を実施しました。

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開催日 令和4年7月20日 水曜日 13時30分から15時30分 講  師 お花の教室ユルリラ主宰 渡辺 しおみ 先生 この講座ではエアープランツで楽しく作品を作りながら、その特性や管理方法を学んでいきます。エアープランツとは主にパイナップル科のティランジア属のこと指しており、中南米の乾燥地やジャングル等に生息しています。ふさふさした形がパイナップルの頭に少し似ていますね。土がなくても成長するので室内でも管理が簡単で育てやすい植物です。 そんなエアープランツで今回オシャレなリース型のインテリアを作りました! エアープランツを取り付ける際は根の方向を見ながら針金でくくりつけていきます。下から二番目の葉の根本あたりに針金を通し締め付け過ぎないように巻き付けていきます。時々グルーガンでつけてある物もありますが、そこから傷んでしまうのでお勧めではないそうです。            エアープランツを取り付け終わったら、貝殻やビーチグラス等をグルーガンでとめていきます。完成形をイメージして自分好みに飾り付けしたら完成です! こちらが渡辺先生のお手本です。エアープランツのリースに貝殻やガラスの飾りがアクセントとなって、海の雰囲気が感じられますね。この状態で徐々に根が張っていきますので、ベランダや風通しの良い場所で霧吹きしながら育てていきます。管理がよければ花が咲いたりもしますよ。 次回の多肉植物の講座は来年3月に寄せ植えを作る内容で予定しています。だいたい1カ月前から募集をかけますので、興味のある方はご応募ください! 参加者の感想 エアープランツについて全く知らなかったので色々知ることができて良かったです。頑張って育ててみたいと思います。 昨年のエアープランツも元気に育っています。ゆっくりな育ち方がいいです。新しい仲間も気長に育ててみます。 大変楽しかったです。エアープランツはほったらかしで育つのかと思っていたので勉強になりました。 (運営係 A)  

ちいさな大発見No.161(2022.7.25)よろこびの木【喜樹】

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 福岡市植物園では、植物の学名、特徴等については小学館の「園芸植物大辞典」に準拠しています。そこで、今回、紹介するニッサ科のカンレンボクについては、「雌雄同株で雌性・雄性の球花序が3~5個総状につき、頂生の球花序は雌性で、腋生の球花序は雄性・・・。」と記載されています。  ちょうど、今、芝生広場や苗圃で、カンレンボクの開花が始まりましたので、早速、観察してみました。  先ず、次の写真を見てください。   写真1  先端につく頂生花序です。よく見ると雌しべが伸びてきていますが、数本の雄しべが確認できます。 写真2  写真2では雄しべはすべて脱落し、雌しべのみとなっています。 写真3  これは頂生花序の脇で開花した腋生花序の雄花序です。  本来であれば、頂生花序の蕾の段階で観察し、開花した様子が写真3であれば、説得力も倍増したと思うのですが。  つまり、頂生花序では先ず雄しべが出現し花粉を飛ばす雄性期を経て、その後、雄しべが脱落し始めると、雌しべが出て熟す雌性期を迎える雌雄異熟という咲き方をするようです。ですから、頂生花序は両性花ということになり、冒頭で紹介した内容と少し違っているようです。 写真4  写真4では一番花である頂生花序の受粉後に腋生花序である雄花序が一斉に4輪咲いています。これが開花時期をずらすことで、自家受粉を防ぐことが目的のようです。  ちなみにクマバチや他の多くのポリネーターたちが蜜を求めて花から花へと飛び交っていましたよ。中には羽や体に花粉をたくさんつけている虫もいましたよ。 写真5(昨年の写真)  腋生花序の雄花序は開花後、数日経つと、花柄からすべて脱落してしまいます。残るのは頂生花序のみと言うことになります。ですから、写真5は頂生花序の両性花が結実した果実で、昨年9月末の様子です。  さて、中国原産のカンレンボクは、生命力が強く果実がたくさんできることから子孫繁栄を表す喜びの木、キジュ(喜樹)と呼ばれています。  園内に植栽されているカンレンボクは中国広州市との友好都市締結10周年を記念して1989年に福岡市に寄贈されたものです。  ご来園の際はぜひ、観察してみて下さい。 【解説員K】  

"あじさいの色移るかな雨にぬれ"俳句小屋の展示作品を入れ替えました(2022.7.22)

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7月1日に俳句小屋の展示を入れ替えました。 6月はバラからアジサイへと見どころが引き継がれ、アジサイを詠まれた作品がたくさんありました。アジサイの魅力の一つは、やはりその多彩な花色とその移ろいですね。こちらはそんなアジサイの花色を詠まれた作品です。 "あじさいの色移るかな雨にぬれ" えい子 "紫陽花の夢色一つ本に閉づ" 作者不詳 "白紫陽花装うことなし潔く" 陽子 色変わりを楽しめるアジサイも、色を変えない真っ白のアジサイも、魅力的ですね。どちらも花壇にあるとお互いがよりひきたちます。夢色というのもおもしろいですね。人それぞれの、アジサイの新しい色ですね^^ "良い人と紫陽花の頃出逢いあり" 俊介 "誕生日紫陽花愛でてまた来年" 悟 数ある出会いの中でのかけがえのない出逢い、もしかしたらアジサイがめぐり合わせてくれたのかもしれませんね^^ アジサイの季節と共に、思い出や出来事が彩られるのは素敵ですね。 つづいて "三歩先道案内の雀の子" カワセミ 親雀の後を必死で追っている子雀と遭遇すると、気持ちがなごみますね。  (市内にて) 園内には雀は少ないですが、今はハンミョウが行く先行く先へ先回りするように、道案内をしてくれます。 (野草園のハンミョウ 2022/7/21) 最後にこちらの2作品。 "夏は虫たくさんいるな蚊にさされ" 真月 "おでかけは楽しみいっぱいカもいっぱい" 紗英 植物園も俳句小屋も、この時期はとても蚊が多いですね。長袖を着ていてもちょっと見えている手首をめがけて飛んできます。植物園事務所には虫刺されの塗り薬が常備してあります。 なんとそんな困りものの蚊も夏の季語だそうです。確かに私たちにもっとも身近な昆虫ともいえるかもしれません。草むしりなどするときは、完全防御で身を守りましょう~! 今回の展示の様子です。 俳句の展示は、当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており、約1か月おきに入れ替えています。俳句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と、緑の情報館1階のポストで受け付けています。初心者の方も大歓迎です。みなさんのご投句を、お待ちしています! ※今回展示している

「ハーブの効用2」を実施しました。

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開催日 令和4年7月13日 水曜日 13時30分から15時30分 講  師 ハーブコーディネーター 中原 真澄 先生 この講座ではハーブの効用を学びながら、ハーブオイルを使用した小物作りをおこないます。石鹸やクリーム等、どれも日常に役だつ物なので毎回大人気です!また作る工程で湯煎したり混ぜたりと作る楽しみもあるので、終始和気あいあいな楽しい雰囲気でした。 そんな中、今回作ったのは虫よけスプレーとハーブのクリームです。 夏になるとレジャーやイベントで外に出かける機会が増え、気づいたら蚊に刺されていたということがよくありますね。講座で作る虫よけスプレーにはレモンユーカリやシトロネ、ゼラニウムなどのエッセンシャルオイルが混ぜてあります。虫が嫌う香り成分「シトロネラ―ル」を含んでいることによって虫よけの効果があるんですね。柑橘系で爽やかな香りが気持ちもリフレッシュさせてくれます。 ハーブのクリームもラベンダーやティートリー、ユーカリが混ざり合いとてもいい香りでした。ホホバオイルとミツロウが入っているので肌の上でなめらかに溶け馴染みます。肌に塗って保湿も出来るし、鼻に塗って花粉症を軽減させたりも出来るらしいですよ。無添加なので肌に優しいのも嬉しいですね! 一見作るのが難しそうに思えるハーブグッズですが、ネットで検索すると石鹸や美容液の作り方などいろいろあがっています。作り方も簡単な物が多いので、今回参加されて興味がわいた方はぜひご自宅でもチャレンジしてみてください。また講座も3回目を予定しております。初めての方や今回残念ながら受講できなかった方のご応募お待ちしております! 参加者の感想 思っていたより簡単に作ることが出来て良かったです。ぜひ家でも作ってみたいと思います。 作っている時にエッセンシャルオイルの香りが漂ってきてめちゃくちゃ癒されました。 毎回楽しみで先生のお人柄も素敵です。お話も為になり生活に取り入れてみたいと思います。 (運営係 A)  

「旬の植物ガイド(7月)」を実施しました。

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開催日 令和4年7月9日 土曜日 13時30分から15時30分 講  師 植物園緑の解説員 加来 孝 ・ 二又 徳子 当日もとても暑い日でしたが常連の方や初めての方等、たくさんの方が受講されました! 夏になると暑さのせいもあってか入園者が少なめですが、この時期にしか見れない植物や人の少ない園内ものんびりできるのでおススメですよ。特に温室内にある鉢花室は涼しい上にベゴニア等、色とりどりの花が見れる隠れオアシス的スポットです。 座学後に園内をまわりながらこの時期の見頃の植物を観察しました。 お茶として飲めたり消臭効果もあるゲットウや、バラゾウムシとエキナセアの共存関係等、その植物に関する豆知識も一緒に知ることができるのも植物ガイドの魅力です。 今回の観察に含まれているパラグアイオニバスは、8月から開催予定の夜の動植物園で人気の植物のひとつです。普段は水の上にお皿みたいな葉を浮かばせている植物ですが、この時期になると夜に白い花を開花させ、翌日は花がピンクに変化する不思議な植物です。開園時間が延長になる夜の動植物園でしか見れないので、ぜひご来園の際は観察してみてくださいね。また生育状況によっては小さな子ども向けにオオオニバス試乗会も実施予定です。(生育次第のため、詳細はHPでお知らせします。) 熱中症に気をつけつつ、夏の植物園もぜひお楽しみくださいね。 次回の植物観察会は9月10日土曜日の予定です。テーマは【秋の野草】。植物園ではどんな秋の植物が観察できるのかお楽しみに! 【観察した15種】 アカバナフヨウ、宿根フロックス、ミソハギ、ハマボウ、ゲットウ、エキナセア、ユッカ・アロイフォリア、パラグアイオニバス、サバクオモト、ノリウツギ、カリガネソウ、アソノコギリソウ、タカトウダイ、フウセントウワタ、ヤブミョウガ 参加者の感想 楽しかったです。パラグアイオニバスの種、葉裏が見れるなんて。よくわかりました。普段見れない物が見れるって特別感があって嬉しいですね。 とっても暑かったけど楽しかったです。今日教えて頂いた植物じっくり観察しようと思います。 それぞれの植物に特有の構造があることや色彩に昆虫を寄せるための工夫がある点に感心した。  (運営係 A) 

園芸講座「寄せ植え講座2」を実施しました。

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開催日 令和4年6月29日 水曜日 13時30分から15時30分 講  師 英国王立園芸協会会員 石井 康子 先生 内 容  今年度2回目の寄せ植え講座です。 今回はアンゲロニア・セレナータ、スーパートレニア・カタリーナ・ブルーリバー、ペチュニア、千日紅の4種の苗を寄せ植えしました。これらの種類は開花する期間が長く、だいたい10月ごろまで花が見れるそうです。秋頃まで花が楽しめるなんて嬉しいですね! 机の上には、↑こんな状態で苗や土などが置いてあります。それを先生の説明を聞きながら白い鉢に植え替えをおこなっていきます。それぞれの苗の高さや広がり等バランスを見ながら寄せ植えするので一見難しそうに見えますが、先生が机をまわりながら丁寧にご指導していただけるので初めての方も簡単に寄せ植えが出来ちゃいますよ。 先生が作られたお手本の寄せ植えです。ピンクと紫、赤の花が華やかに1つの鉢にまとまっていて素敵ですね! 次回の寄せ植え講座は9月頃を予定しています。 参加者の感想 寄せ植えポイントが楽しくわかりやすく聞けてあっという間に時間がたちました。 初めての寄せ植えでしたが、石井先生の説明もわかりやすかったし、サポートしてもらったので良かったです。 今回もエレガントな寄せ植えが完成して嬉しかったし楽しかったです。大切にお世話して長く楽しみます。 (運営係 A) 

~花緑の園~「日日のまなざし」No.002:ツユクサは巧みな戦略家(2022.7.5)

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 7月 、 梅雨明けとともに 、 夏の訪れを告げるかのように 、 道端に鮮やかな青色の小さな花が目立つようになりました。 それは 、 皆さん良くご存じの「ツユクサ」です。 和名:ツユクサ(露草) 学名:Commelina communis ツユクサ科ツユクサ属 ツユクサの花は一日花。 たった一日 、 いえ 、 早朝咲いて 、 昼過ぎには萎むため 、 半日程の儚い命。 花の寿命が短い分 、 自然界でいかに子孫を残していくか 、 過酷な自然界を生き抜くツユクサの巧みな戦略には 、 驚くべきものがあります。 今日は,そのツユクサの生き残り術をのぞいて見たいと思います。 ◆目立ってなんぼの色作戦    ★草花の生存戦略の重要なポイントは『受粉』 そのためには、いかにして花粉を運んでくれる昆虫を誘い込むかがキー! 「まずは目立たなくちゃ!」とばかりに、ツユクサの花は、青紫の花びらに黄色のおしべの色使い。なんとも目立つコントラストではありませんか? 色相環で見ると、「青」と「黄色」は捕色の関係。 服装で言えば、メリハリの効いたコーデといったところ! では、他の色と比べてみましょう。 どの色の組み合わせが一番目立つと思いますか? 反対色のピンクも目立ちますが、虫を呼び込むネオンサインとしては「黄色」の方が遠くからでも目立つ気がしますね。 ◆海老で鯛釣る!作戦  植物の花粉は、虫たちのエサでもあるため、虫たちも大好き。 でも誘い込んだ虫たちに全部食べられてしまっては、受粉どころではない。 そこで、ツユクサは、3種類もの雄しべを用意して、周到な作戦を立てています。 ①花のど真ん中にある目立つ黄色の雄しべは、虫を呼び込むだけの花粉のない見せかけのオブジェ。そう、ニセモノ(仮雄しべ)です ②誘い込んでも食料がないと、虫がすぐに立ち去ってしまうので、ニセモノの花粉の近くにちょっとだけ花粉を持つ雄しべを用意しています ③そして、虫が少量の花粉を食べてる間に、虫のお腹に花粉がたっぷりとつくように花粉をたくさん持つ本物の雄しべは、その時を待つのです このようにツユクサは、花粉のオブジェで誘い込んだ虫に、少量の花粉を食べさせる代わりに、花粉を巧く運ばせようと画策しているのです。 ◆リスクヘッジもバッチリ!  短命な花だけに、虫たちの力を借りることができず、受粉せずに花が終了! なんてことにもなり兼

ちいさな大発見No.160(2022.7.1)歴史の生き証人?

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  今、野草園ではアソノコギリソウ(阿蘇鋸草)が風に揺れながら純白の花を咲かせています。名前に「阿蘇」が付いていますが、阿蘇地方を中心に九州の限られた場所に生息しています。環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種(NT)に指定されています。  普通のノコギリソウに比べると、鋸歯はややおとなしい感じですが、花は一回り大きいようです。 6/23撮影  さて、今号では、アソノコギリソウに関連し、阿蘇地方を中心に自生する植物を5種類紹介します。  まず、ツツジ科のゲンカイツツジ(玄海躑躅)です。九州、四国、中国地方に自生しています。こちらも、原種は準絶滅危惧種(NT)に指定されています。ツツジの仲間の中では最も開花が早いです。  3/17撮影  そして、バックヤード(苗圃)で育て鉢植えで展示されていたハナシノブ科のハナシノブです。阿蘇地方に自生していますが、個体数も減少し、絶滅危惧IA類に指定されています。  5/5撮影  2年前に野草園で咲いたキク科のヒゴタイです。アザミのような葉をもち、球形の紫の花は小花がたくさん集まっている集合花です。こちらも絶滅危惧II類(VU)に分類されています。ちなみに、本園では絶滅しました。  2020年 7/31撮影  ユリ科のヒメユリは、ヒメが付いているようにテッポウユリやヤマユリなどに比べると、一回り小さなユリです。絶滅危惧ⅠB類に分類されています。星型の花が上向きに咲くことからスターリリーと呼ばれています。  2019年 6/1撮影  もう一つ、キンポウゲ科のタンナトリカブト(耽羅鳥兜)を紹介します。  日本では本州、四国、九州に自生しています。「丹那鳥兜」と記載された図鑑もありますが、「耽羅鳥兜」の方を多く使用しています。「耽羅」は、韓国済州島の古い呼び名だそうです。  2018年 10/10撮影  これらの6種類の植物は大陸系遺存植物の一部です。  今からおよそ15万年前の氷河期に日本がユーラシア大陸と陸続きであった頃、中国から朝鮮半島を経由して分布を拡げ、温暖化に伴い日本に取り残されたと考えられています。日本列島が大陸と陸つづきだったことを証明する貴重な植物たちです。 【解説員K】