2020年2月19日水曜日

ちいさな大発見!? No.66(2020.2.19)ジンチョウゲ科の仲間!

 園内を散策中,温室近くに来ると,どこからかとてもよい匂いが鼻をくすぐります。3大香木の1つ,ジンチョウゲです。そろそろ満開の時期を迎えつつあるのか,辺り一面を上品で甘い香りに包んでいます。
漢字では「沈丁花」と書きます

 ジンチョウゲはジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木で,雌雄異株です。中国から入ってきたときに雄木ばかりだったようで,日本では実の付いた雌木を見ることはほとんどありません。
 花びらに見える部分は、ガクが筒状に変化したもので、花弁ではありません。よく見かける内側が白色、外側が紫のものは「ウスイロジンチョウゲ」と言い,他にも花全体が白い「シロバナジンチョウゲ」もあります。
これが「シロバナジンチョウゲ」

 もう一つ,同じジンチョウゲ科のミツマタも香りの路で開花が始まりました。
 これも中国やヒマラヤが原産で,うつむくように下を向いて咲く花にはジンチョウゲとはまた違った芳香があります。黄色い花弁に見えるものは,4つに裂けて反り返っているガクです。そして,小さな花がたくさん集まって1つの球形をつくっています。
満開になると見事ですよ!

 この樹木の特徴は何といっても,どの枝も3つに分かれているところであり,これがミツマタの名前の由来になっています。
 この2つの植物の共通点として樹皮がとても強い繊維質でできており,特にミツマタは良質の紙の原料として有名で、紙幣などにも使われています。

 最後に,もう一つ同じジンチョウゲ科の仲間を紹介します。オーストラリア原産で常緑の小低木,ピメレア・フォーシーズンズです。
今はまだ小さくめだちません!

 ジンチョウゲのように小さな花が集まって,1つの大きな球状の花をつくっています。名前の通り,四季咲きです。まだ,植えたばかりですから,30cmほどの高さしかなく,花も少なめです。ピメレア・フォーシーズンズは草本ではなく,木本と聞いて驚かされます。濃淡のあるピンクの花弁(実際はガク)が球状になるそうです。
 市民花壇で見ることができますよ。もし見つけられなかったときは遠慮なく声をかけてください。普段は情報館1階にいます。
【解説員K】

2020年2月14日金曜日

“すいせんがおひさまむいてわらってる”俳句の展示を入れ替えました。(2020.02.14)

先日俳句の展示を入れ替えました。
1月もたくさんのご投句ありがとうございました。
展示している作品の中から何点かご紹介したいと思います。

「すいせんがおひさまむいてわらってる」さき


読み手も思わず笑顔になりそうな作品ですね!
みなさんも,ニホンズイセンをよ~くみていると,笑顔に見えてきませんか?
福岡市植物園のニホンズイセンは紅葉樹園の斜面一帯に花を咲かせています。
足を運ぶと「ここまで私たちを見に来てくれてありがとう」という合唱が聞こえてきそうなくらい,たくさんあります。

季節の植物を使った作品は他にも。

「芳香に思はず仰ぐ蝋梅の花」かほり
(ほうこうにおもはずあおぐろうばいのはな)
「神の手に一粒といふ竜の玉」小山さち子
(かみのてにひとつぶといふりゅうのたま)




当園にはロウバイもありますが,花の中心まで真黄色になるソシンロウバイがたくさんあります。
全てのソシンロウバイをめぐって歩けば園内一周できるかもしれません。
竜の玉とはジャノヒゲの実のことですね。別名をリュウノヒゲともいいます。
庭先の葉についた瑠璃色の実を宝石のように扱っていた子どものころを思い出します。
いくつになっても忘れたくない感性ですね。

ちなみにロウバイ(蝋梅)はロウバイ科ロウバイ属の樹木であり,バラ科サクラ属であるいわゆる「ウメ」とは違う種類なのですが,現在はその「ウメ」が見頃になっています。


またカワヅザクラも見頃になっています。

正月に関する作品もたくさんよせられました。
中でも目を引いたのが

「今年はね大吉でたよいい年だ」瀬戸彩日香



新年早々縁起がいいですね。そしてとにかく…絵がかわいい!
筆ペンで絵を描くのって,難しいんですよね。
俳句小屋を明るくしてくれるので額に入れて飾っています。ぜひ見に来てくださいね!

俳句の展示は当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っています。約1か月おきに入替えをして,投句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と緑の情報館1階のポストで受け付けています。初心者の方も大歓迎ですので,ぜひ挑戦してみてくださいね。
みなさんのたくさんのご投句をお待ちしています。

*今回展示している作品の一覧です。


2020年2月12日水曜日

ちいさな大発見!? No.65(2020.2.12)「思いのまま」になりません?

 今、植物園の梅園ではウメの花が満開の時期を迎えています。紅や白、桃など、色とりどりの梅の木がほのかな芳香を放っています。
 階段を降りると最初に目に入ってくるのが「思いのまま」です。
 写真① 紅や白、絞りに咲き分ける「思いのまま」

 「思いのまま」は咲き分けをするウメで有名です。1本の樹で複数の花色を咲かせる咲き分けは、いくつかパターンがあります。例えば、1本の枝に複数の色の花を咲かせたり、枝単位で異なった花色を咲かせたりします。また、1つの花に紅と白の花弁が混ざったり,絞りが入ったりします。
しかし、梅園の「思いのまま」は今年も写真①のように淡いピンク一色でした。これも、「思いのまま」なのです。ちょっと残念です。

 それでは、次の写真をご覧下さい。
写真② 
写真③ 
写真④

 ②~④の写真はモデル庭園トイレ裏にあるウメです。間違いなく、咲き分けをしています。品種名は不明ですが、その系統のウメでしょう。

 ところで、「思いのまま」のすぐ隣に「見驚」と言うウメがあります。八重咲きの大輪で咲き進むと白くなる特徴があります。これは咲き分けではないようです。 
写真⑤「あまりの大輪を見て驚く」が名前の由来

 ちなみに,私の近所で見かけた「思いのまま」です。樹高1.5mほどの若い梅の木ですが,株全体で紅白競い合っていました。
写真⑥ ご近所の「思いのまま」

【解説員K】

2020年1月29日水曜日

ちいさな大発見!? No.64(2020.1.29)世界で最も変わった花?

 常緑で大きな葉をもつユリ科のハランは,生け花のわき役に使われます。また,今はプラスチック製のバランが多く使われていますが,以前は葉に抗菌作用があるため料理の仕切りに使われたりしました。
 みなさんはこのハランに,花が咲くのを知っていますか。

 今,植物園の野草園西や花木園Aで見ることができますよ。ただ株元をじっくりと探さないと見つかりませんので,まずはブログで紹介します。
 大きな葉ですね。いったいどこに花があるのか,一見しただけでは絶対にわかりません。
濃い緑色で厚いハランの葉!

 葉をかき分け落ち葉を取り去ると,・・・出てきました。花径3cmほどでしょうか。茎もなく、何とも不思議な奇異な花です。
地面に咲いた王冠型の花!
こちらは仲良く2輪!

 こちらは蕾です。まだ,紫色のラインや斑点は見られませんが,ずいぶんと膨らんでいます。
 蕾が4つあります!

 さらに探していると,地下茎の側に薄い緑がかったものを見つけました。これは蕾ではなく,1年かけて生長した実のようです。
直径2cmくらいの実!

  ハランの花は「世界で最も変わった花」の1つと言われています。
  是非,見に来ませんか。
 【解説員K】

2020年1月28日火曜日

ちいさな大発見!? No.63(2020.1.28)1株で2度おいしい?

 今,花木園Bを中心に,ツバキの開花が進んでいます。一口にツバキと言っても,花の大小,一重や八重の花形,絞りや覆輪などの花色等,千差万別です。
 ところで,次の写真を見てください。
1本の枝に2つの花が…?

 実は1本の木から異なった花色のツバキが咲いていました。名前はツバキ田主丸,別名を吹上絞と言います。久留米地方に古くからある大輪の古典品種です。
 下の写真がそのアップです。
白地に淡い紅色の小さめの縦絞り!

 しかし,こちらは単色の紅色です。色は違いますが,花の形は同じです。
これも田主丸!

 他にもないかと探してみると,野草園西でも見つけました。
 ツバキ和歌の浦です!
八重咲きでピンク地に紅の小絞り
 こちらはピンクの単色

 写真はありませんが,ツバキ秋の山は3種類の花を付けていました。

 このような咲き方は「枝変わり」と言われています。
 「枝変わり」は、茎や枝の生長点の細胞に遺伝子の突然変異が起こり、樹木などの一部が変異することで,白い花の木に赤い花が、一重の花を咲かせる木に八重の花が、緑の葉の木に斑入りの葉が現れたりするのが、その例だそうです。
 ですから,このような枝を挿し木すれば、新しい品種が生まれる可能性があるとのことです。
 そこで,見つけましたよ。ツバキ大虹です。
花径12~13cmほどの極大輪で八重咲き

 ツバキ大虹は紅い花弁に白い斑が入る変異を起こしたもので,何と,日本最大品種の1つであるツバキ明石潟の枝変わり種だそうです。
 これがツバキ明石潟,まだ平開前です!

 一般に枝変わりの場合,親より劣ったものになるケースが多いようですが,稀に親より優れたものや新品種として残しておく価値のあるものが出現することもあるそうで,それがツバキ大虹ですね。
 是非,ツバキ園へも足を運んでください。
【解説員K】

2020年1月24日金曜日

上を向いて歩こう・・温室で!(2020.1.24)

 暖冬傾向とはいえ、この季節はやはり寒さ知らずで暖かい温室が人気です。この時期温室を廻ると、幹やつるの上のほうで花や果実が大きく育っている種類が観察できます。見頃の植物たちを見落とさないようによ~く上を向いて廻ってください。 入口を入って左側、ブーゲンヴィレアが咲く廻廊の先のロータリーで、伸びたつるからぶら下がっている暗赤色の花はトケイソウ【時計草】(トケイソウ科)です。和名は特徴的な花被を時計の文字盤に見立てたものです。アラタという種類で果実は食べられます。
                                     
 同じくロータリー周囲で、3~4mぐらいの高さのところに直径20cmほどもある大きな黄色い花を咲かせているのはソランドラ・マキシマ(ナス科)です。メキシコ原産で、和名は大きく広がる花の形と色からウコンラッパバナ【鬱金喇叭花】と名付けられています。
 ラン室を抜けて水生植物室入口のところで、上に伸びたつるの3mぐらいのところに細長い果実がぶら下がっています。なんだと思いますか? なんとケーキやアイスクリームなどの甘い香りの原料になるバニラの実なんです。バニラはメキシコ、中央アメリカ原産のラン科植物です。ラン科としては珍しいつる性で、黄色い小さい花を咲かせます。一日花でなかなか見ることができませんが、次の写真は平成25年6月に撮影したものです。


 残念ながら下がっている果実には香りはなく、収穫後発酵と乾燥を繰り返すことによって、あの甘い香りのバニラビーンズが出来上がります。
 サボテン室、ベゴニア室を抜けて大温室に入ると、お馴染みの果物が観察できます。


 上から順にパパイア(パパイア科)、バナナ(バショウ科)、グアバ(フトモモ科)の果実です。パパイアは薄い黄緑色の花も見ることができます。

 大温室では色づき始めたコーヒー(アカネ科)の果実も見ることはできます。最近では観葉植物としても親しまれているコーヒーですが、果実を見る機会は少ないのではないでしょうか?コーヒーの木は低いので目の前で果実を見ることができます。
 春の到来までもう少し、寒い日には暖かい温室でお過ごしください。          (解説員)

2020年1月22日水曜日

ちいさな大発見!? No.62(2020.1.22)復活の木??

 先日,散歩をしていたとき,愛犬が草地で何やら匂いをかいでいたので目をやると,何とツクシが顔を出していました。昨年は2月6日に確認していたので,今年は暖冬で待ちきれなかったのでしょうか。
 ※「チョット気になる路傍の花たち No.20(2019.2.11)」で詳しく紹介しています。参考にされて下さい。
 
1月18日早朝,南区にて,高さ5cmくらい!

 さて,入り口広場の鉢の中にちょっと目を惹くスタンダード仕立てのギョリュウバイを見つけました。
株全体に花が咲いています!

 すると,情報館1階に出店している花香房さんでも3鉢売っているのを見つけ,さっそく1鉢購入しました。
 そして,ラベルを見て疑問に思ったことがあります。別名に「マヌカ」と表示してあったのです。もしかして,「マオリ語か?」と思い,調べてみると,ニュージーランド原産でフトモモ科ギョリュウバイ属でした。ハチミツの王様と言われるマヌカハニーでも有名ですね。漢字では「檉柳梅」や「御柳梅」などの漢字が充てられていますが,ウメの仲間ではありませんよ。
 さて,英名ではティーツリーと呼ばれ,ニュージーランドの先住民であるマオリ族の人々は,このマヌカの茎や葉を様々な病気の治療に使い,癒しの木、復活の木と呼び重宝したそうです。
 また,大航海時代に活躍したキャプテン・クックがビタミン不足による壊血病対策にマヌカの葉を煎じて飲ませたところ,見事に回復したとの記録も残っているそうです。

 ところで,同じ名前のティーツリーがハーブ園にあります。ギョリュウバイと同じフトモモ科ですがコバノブラシノキ属で,こちらはオーストラリア原産です。
昨年,5月26日撮影

 そこで,ギョリュウバイはニュージーランドティーツリーと呼んで区別しています。
 さて,ギョリュウバイですが,一重咲きと八重咲きがあり,色も赤やピンク,白とあります。我が家にも3本ほどありますが,大きいものでも1mほどです。ところが,近所で高さ3m,直径1.5mほどの見事なギョリュウバイを見つけました。現地では5mを超えるものもあるそうですよ。
一重咲きのギョリュウバイ!

八重咲です,蕊が少なめ!

南区で撮影,見ごたえがあります!
【解説員K】