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ちいさな大発見No.137(2021.7.18)ミッキーマウスの木? 

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  今、廻廊温室ではヒペリカムに似た黄色い花と、奇妙な形をした果実を見ることができます。 一見すると、ヒペリカム?   〇〇に見えますか?  花は5弁花(たまに6~7弁)で、雌しべは1本、雄しべは多数あります。花後に花弁は落ち、やがて受粉した子房が膨らんで緑色の果実ができます。そして、黒い実に熟す頃、黄緑の萼がオレンジ色から赤くなって反り返ります。その姿がミッキーマウスに似ているということから、「ミッキーマウスの木」と言われています。 まだ熟していない果実  学名はオクナ・セルラタと言い、南アフリカ原産の常緑低木です。  このオクナ・セルラタには異なる2つの見方があります。  1つは野鳥が果実を食べることで、糞と共に種子が撒き散らされ、オーストラリア東部では在来植物を駆逐してしまうほど増え、持ち込みが禁止されて駆除の対象となっているということです。  もう1つ、東南アジアではその黄色の花や実付きから祝の木として好まれ、南アフリカでは、黒と赤、そして黄色のコントラストから魔避けや邪気払いとして大昔から庭先などに植えられ、現在でも縁起担ぎの植物としても親しまれているということです。    ミッキーマウスの木を是非、見に来てください。 【解説員K】

宿存萼(しゅくぞんがく)の話(2019.12.11)

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 前回「ハーブ園の果実」ブログでゲットウの実を取り上げて、その特徴として「頭にチョ コンと 宿存萼 がついている」と説明したところ、「宿存萼」がわかりにくいとの質問をいた だきました。そこで【しゅくぞんがく:花が枯れ落ちたあとも残っている萼】という説明を 追加しましたが、あらためて「宿存萼」のことを取り上げてみたいと思います。  そもそも「萼(がく)」とはなにか?シンプルな説明では「花の最も外側にあって、つぼ みのときは花の内側を保護するもの」と書かれています。  最初の写真はゲットウの花が終わった直後の状態です。花は茶色になって枯れ落ちます が、あとに筒状の萼がしっかりと残っているのがわかります。実が成長しても萼がそのまま 残っている状態が次の写真です。  同じように実の頭に残った萼が目立つものとして、ハマナス(バラ科)とクチナシ(アカ ネ科)の例をご覧ください。  なお、果実が実ったあと果柄(果実を支える柄)側に残った萼は蔕(へた)と呼ばれます。 ロウヤガキのへた タマゴナスのへた  また、果実が熟す頃に果柄側に残った萼が色づいて、鳥などに果実の存在をアピールする 役割を果たすものもあります。  クサギ(クマツヅラ科) オクナ・セルラタ(オクナ科)  オクナ・セルラタは「ミッキーマウスの木」とも呼ばれて親しまれています。  最後に、残った萼が花期後に成長して果実を包み込むタイプのものを紹介します。  夏の風物詩として親しまれているホオズキ(ナス科)です。次の写真は以前観察会用に袋 をはずして撮影したものですが、萼が果実を包み込んでいる状態がわかります。  萼が果実を包み込むものとしては、実は前回ブログで紹介したローゼルも同様です。  あらためて調べてみると「宿存萼」にはいろいろな形や役割があることがわかりました が、他にもいろいろなタイプがあるようです。  植物にはまだまだ不思議がいっぱいです。                    (解説員)

「赤と黒」~ 似たもの同士(2018.8.25)

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 毎朝バス通勤をしています。最寄りのバス停は「小笹団地正門前」、降りた真ん前に「赤と黒」のツートンカラーが目についたので、携帯でパチリ。図鑑であらためて確認したら、ゴンズイ【権萃】(ミツバウツギ科)の果実でした。赤色は「肉紅色の袋果」、黒色は「薄い仮種皮に包まれた種子」で、この写真は果実が熟して果皮を裂開させ黒い種子を露出させている状態です。 この「赤と黒」の配色、似たものをどこかで見たことがあると思ったら温室にありました。  回廊温室のオクナ・セルラタです。南アフリカ原産で、反り返った赤色部分が耳のように見えることから別名「ミッキーマウスの木」とも呼ばれています。  ところで、この「赤と黒」は植物にとってどのような意味があるのでしょうか?  植物は自分では動くことができないので、種子を遠くへ運ぶことができません。そのハンディをカバーするために様々な動くものを利用していますが、その方法のひとつが鳥に果実を食べさせて種子を運んでもらうこと。そのため、鳥たちに目立つよう色でアピールしていますが、赤と黒のツートンカラーは「二色効果」といって、鳥を引き寄せる効果が倍増するとのことです。  ちなみに、オクナ・セルラタの赤色部分は萼(がく)、ゴンズイは袋果ですので色彩的には似たもの同士でも、構造的には別ものです。 この「二色効果」については、果実が熟して黒く変化する時期になると果柄が赤く色づくクマノミズキ【熊野水木】(ミズキ科)も、対照的な配色で目立たせる事例としてあげられています。(注:今年は猛暑のせいか果柄の色づきは例年より薄いようですが・・・)  果実と果柄の関係では、ヨウシュヤマゴボウ【洋種山牛蒡】(ヤマゴボウ科)も身近な例ですね。  また果実を一斉に成熟させるのではなく、一部は順次、赤色→黒色と変化し、赤色の中で成熟した黒色がより目立つようにしている時間差の「二色効果」の事例としてサクラ類、クワ類などがあげられていますが、園内ではサンゴジュ【珊瑚樹】(スイカズラ科)が今まさにその効果を発揮している最中といえるでしょう。  さまざまな方法で対照的な色合いを出して、自分の果実の存在をアピールしている植物たちに拍手です。                              (解説員)