2018年12月11日火曜日

ちいさな大発見!? No.10(2018.12.11)ムクロジの実

 バラ園の南側の斜面を歩いていると,何やら球体の実(写真①)らしきものが落ちていました。目を凝らして見ると,その周辺で10数個見つけることができました。大きさは直径約2cmほどで,半透明のあめ色です。うっすらと,中に黒いものが見え,ゆすってみるとコロコロと動きます。
写真①
 すぐ脇に「ムクロジ」の名標がありました。落葉高木で、雌雄同株にして雌雄異花。時期をずらして雄花と雌花が咲くムクロジ(無患子)の木です。
 この時季は実が熟し,写真①のように実を落とします。そこで,地面に落ちたムクロジの実の皮を割り、黒い種子を取り出してみました。種子(写真②)は1つだけ入っていました。
写真②
 この種子は大変硬く,これまでに羽根つきの羽根の球(写真③)に使われたり,数珠(写真④)に使われたりしてきました。
写真③
写真④

 ところで,皮を向いていて面白いことに気が付きました。
 手やハサミが妙にベタネタとするので,洗うと泡立ちがすごいのです。ムクロジの実には洗剤の効果をもつサポニンという泡立ち物質が含まれています。 
 また,ムクロジの学名「Sapindus mukorossi」のSapindusは、“インドの石鹸”を意味し,インドでは古くから洗濯用に用いられていたそうです。  
 英名では「Chinese soapberry」 もしくは 「Soap nut tree」 とも言い,やはり石鹸がついていますよ。
【解説員K】

2018年12月10日月曜日

「丸太とにらめっこしたよ!」(2018.12.10)



12月8日(土) 「フラワークリスマス」のイベントの一つとして『丸太のサンタ ペインティング体験』を行いました。
当日参加のイベントで,13:30~15:00の間,30名の方にご参加いただきました。
パパのお膝で。


ママと一緒に。
 丸太の年輪とにらめっこ。
大人も夢中!
個性が光ります。 丸太も人も作品も。みんな違ってみんないい!










それぞれ2つのサンタを描いていただき,1本は植物園に飾って1本はお持ち帰り。
丸太のサンタ,思いがけず海外にも旅立ちます!

皆さんの作品は温室ギャラリー室に,12月24日(月・祝)まで展示しています。
個性あふれる丸太のサンタたちにぜひ会いに来てください。
丸太は見かけ通りに重かったり,見かけによらず軽かったり。
樹種によって重さが違うことに驚かれる方もいらっしゃいました。
いろいろな体験が気づきとなって,植物への興味につながっていきますように。

福岡市植物園では,「楽しみながら学ぶ」をコンセプトに,様々な講座やイベントを行っています。
イベント情報は随時更新していきますので,皆さんのご参加をおまちしています
イベント情報はここをクリック!

                                〈植物展示係 佐藤〉




2018年12月8日土曜日

ちいさな大発見!? No.9(2018.12.8)「ハンカチノキ」の実

 バラ園手前の花木園では多くの落葉樹が葉を落とし,ちょっとさみしい時季を迎えました。
 ところで,そのような枝木の中でピンポン玉くらいの実(写真①)がいくつも風に揺られながらぶら下がっていました。
写真①
 よく見ると,「ハンカチノキ」の実でした。竜巻注意報が発令された4日でも,しっかりとぶら下がったままでした。
 毎日,確認していますが,ここ10日ほどの間に4つの実(写真②)を拾いました。表面はザラザラして,クルミのように固いです。
写真②
 1つの実の中に複数の種が入っています。ちょっと,蒔いてみようかなとも思いましたが,翌年発芽することもあれば5年かかって発芽することもあるらしく,発芽率が低く大変難しい種子のようです。
 ちなみに果肉を落として,中から種を取り出したのが写真③です。これを蒔けばよいようです。
写真③
 ところで,ハンカチノキを簡単に紹介します。
 ハンカチノキは「植物界のパンダ」と称され,他に近縁種が存在せず,1科1属1種と言われてきました。パンダ同様,中国の西南部にのみ分布していたからです。
 ちなみに白く見える部分は花弁ではなく,葉が変化した2枚の苞(総苞片)です。もともとハンカチノキには,花弁と萼はありません。中心に黒く見えているのが花で,1つの雌花と多くの雄花で形成されています。
 来春もハンカチノキに多くのきれいな花(写真④)が咲いてくれることを願っています。
写真④
 【解説員K】

2018年12月5日水曜日

ちいさな大発見!? No.8(2018.12.5)

 植物園から動物園に向かうと、小さな橋を渡ったすぐ先に動物園管理事務所があります。その手前左頭上に真っ赤な実(写真①)がびっしりとなっています。
写真①
 クスノキ科のシロダモです。シロダモは雌雄異株でタブノキによく似ていますが,葉の裏が白っぽいことからシロダモと言います。
 秋になると黄色い小さな花(写真②)を密集してたくさん咲かせます。
写真②
 雌木には赤い実ができますが、実が赤く熟するまでには実は1年近くかかります。このため花と実を同時(写真③)に見ることができる木として有名です。黄色い花が赤い実の下の方に咲いているのがわかりますか。おもしろい木ですね。
写真③
 葉をちぎるとクスノキ科特有の香りがしますよ。と言ってもたぶん手が届かないと思います。
 シロダモは紅葉樹園にも大木があります。写真②③は紅葉樹園で撮影しました。
 【解説員K】

2018年12月4日火曜日

“ままといっしょにおちばぷーるかくれんぼ” 俳句の展示入れ替えました。(2018.12.4)

 野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。


 10月20日に動物園の新しいエントランス施設がオープンして以降,
たくさんのお客様に動植物園にご来園いただいています。

 新しくできた『動物情報館』では,最新のデジタルコンテンツを使った体験型の展示を使って,動物のことを学び,考えることができ,学ぶことで動植物園をより楽しむことができます。
 また『飲食施設』では,当園でしか味わうことのできないメニューを提供したり,『物販施設』では,動植物園の来園の記念になるような福岡市動物園オリジナルグッズなどを取りそろえています。『飲食・物販施設』は,入園者以外の方もご利用いただくことができます。
 さらに『駐車場』(普通車89台/有料)も新たにご利用できるようになりました。

 その影響もあってか,11月はたくさんの俳句を投稿いただきました! 
 ありがとうございます。
 その中から,素人の私が,独断と偏見でいくつかご紹介しますね。
 

  “ままといっしょにおちばぷーるかくれんぼ” みさき
  (ままといっしょにおちばぷーるかくれんぼ)


 11月から植物園芝生広場に「落ち葉のプール」を設置しています。
 たくさんの子どもたちが落ち葉にまみれて,楽しそうに遊んでいます。
 「落ち葉のプール」は12月24日(月)までです。遊びにきてね。

   “葉にうもれ落ち葉の気持ちになってみた” 芽
   (はにうもれおちばのきもちになってみた)












    “ガザゴゾと迷うことなく落葉踏む” 志
   (がざごぞとまようことなくおちばふむ)



 落ち葉は,近くに住んでいらっしゃる方にとっては迷惑な事が多いかもしれませんが,
園内では秋の風景の大事な一員です。
 落ち葉を踏みしめなながら園内を散策するのも,花いっぱいの季節とはまた一味違った雰囲気で,なかなかいいもんですよ。


 秋の一大イベント「紅葉狩り」。
 植物園にはたくさんの落葉樹があり,園内のあちらこちらで紅葉,黄葉が楽しめますが,
特に紅葉樹園には秋に黄色や紅色に色づく,プラタナス、イチョウ、ナンキンハゼ、トウカエデ、
ヤマウルシ、イロハモミジ等の落葉高木を収集展示しています。
 今がちょうど見ごろですよ。




   “紅葉見るふりして見てる鵙の顔” 作者不詳
   (もみじみるふりしてみてるもずのかお)




   “もみじのはいろとりどりがいやされる” 作者不詳
   (もみじのはいろとりどりがいやされる)













   “榠樝の実頑固親父の顔をして” 武藤典子
   (かりんのみがんこおやじのかおをして)




 バラ科カリン属のカリンは,果肉が固く生食はできませんが,ジャムにしたりお酒に漬け込んでカリン酒にしたりして利用できます。
 植物園では入口広場から入ってすぐの場所で,今,実をたくさんつけています。







 ごつごつして固い実が「頑固親父」に見えますが,花は可憐(かれん)です(笑)






   “野佛やつわぶきの花寄りそいて” 繁
   (のぼとけやつわぶきのはなよりそいて)



 キク科ツワブキ属のツワブキは,江戸時代の初めから観賞用として茶庭に植えられ,また食用としても古くから利用されています。ちなみにキク科フキ属のフキ(フキノトウ)とは別種です。
 園内では,花の少ない今の時期,あちらこちらでツワブキの黄色い花がひときわ目を引きます。

 


 最後に、「一人一花運動」。

   “コスモスを一人一花植えましょう” 長谷川宏美
   (こすもすをひとりひとはなうえましょう)




 福岡市では2018年から「一人一花運動」をスタートしました。
「一人一花運動」とは,市民・行政・一人ひとりが花と緑を育て、公園や歩道、会社、自宅など、福岡市のありとあらゆる場所を花と緑でいっぱいにしようという取り組みです。日々の暮らしの中に美しい花と緑があれば、心もきっと豊かになります。


 
 植物園では,寄せ植えやハンギングバスケットなどの園芸講座,植物観察会などを行っているほか,
  
 

 

 
 毎月11日(休園の場合はその前後の日)を「一人一花の日」として先着で花苗をプレゼントしたり,
 鉢や苗を持ち込めばその場で寄せ植えが作れる「一人一花ステーション」(土は無料)を設けるなど,

 
 
  
 気軽に花や緑に親しめるための取組みを行っています。
 ぜひみなさんも「一人一花」咲かせましょう!




※今回展示している俳句の一覧です。










(園長 井上)


2018年11月30日金曜日

皇帝たちの競演(2018.11.30)



 入口広場から温室の方に進むと、針葉樹園前花壇で背の高い薄紫色の花が皆さんを出迎えてくれます。
 コウテイダリア【皇帝ダリア】(キク科)です。メキシコ~中米原産で高さは3~5mほどになります。学名はDahlia imperialis(ダーリア・インペリアリス)で、種小名の“皇帝の”とか“威厳のある”という意味から和名がつけられています。


 この花壇では、皇帝ダリアの近くで高さを競い合っている黄色の花も咲いています。


 コウテイヒマワリ【皇帝向日葵】です。コウテイダリアと同じくメキシコ~中米原産で高さもほぼ同じです。どちらも短日植物で日照時間が短くなるのを感じて花を咲かせる性質なので、この時期に開花します。


 ちなみに、この皇帝たちは高く伸びた茎の頂部に花序を出すので花の細部はなかなか見づらいのですが、皇帝ダリアの一部については花壇管理担当さんがピンチ(摘芯)をして仕立てたので、比較的低い位置で花を見ることができます。



 秋になって園内の彩りが少なくなる中、皇帝たちの堂々とした威厳のある姿の競演をお楽しみください。                                             (解説員)