ちいさな大発見!? No.10(2018.12.11)ムクロジの実

 バラ園の南側の斜面を歩いていると,何やら球体の実(写真①)らしきものが落ちていました。目を凝らして見ると,その周辺で10数個見つけることができました。大きさは直径約2cmほどで,半透明のあめ色です。うっすらと,中に黒いものが見え,ゆすってみるとコロコロと動きます。
写真①
 すぐ脇に「ムクロジ」の名標がありました。落葉高木で、雌雄同株にして雌雄異花。時期をずらして雄花と雌花が咲くムクロジ(無患子)の木です。
 この時季は実が熟し,写真①のように実を落とします。そこで,地面に落ちたムクロジの実の皮を割り、黒い種子を取り出してみました。種子(写真②)は1つだけ入っていました。
写真②
 この種子は大変硬く,これまでに羽根つきの羽根の球(写真③)に使われたり,数珠(写真④)に使われたりしてきました。
写真③
写真④

 ところで,皮を向いていて面白いことに気が付きました。
 手やハサミが妙にベタネタとするので,洗うと泡立ちがすごいのです。ムクロジの実には洗剤の効果をもつサポニンという泡立ち物質が含まれています。 
 また,ムクロジの学名「Sapindus mukorossi」のSapindusは、“インドの石鹸”を意味し,インドでは古くから洗濯用に用いられていたそうです。  
 英名では「Chinese soapberry」 もしくは 「Soap nut tree」 とも言い,やはり石鹸がついていますよ。
【解説員K】

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