ちいさな大発見!? No.12(2018.12.18)サネカズラ

 温室南側にあるランの庭の片隅に,たくさんの小さな果実(写真①)がひとかたまりの真っ赤な球状になって枝からぶら下がっています。中には赤い実に混ざって緑っぽい実(写真②)もあります。実は光沢があって,とてもおいしそうです。
写真①
写真②

 これらは,常緑のつる性植物でマツブサ科の「サネカズラ」の実です。実(サネ)が美しい葛(カズラ)という意味です。別名の「ビナンカズラ(美男葛)」は、かつて武士がツルに含まれる粘液を整髪料として使っていたことに由来しているとか。
 基本的には雌雄異株ですが,たまに同株のものもあるそうです。9月の花の時期には,雄花と雌花を別々の場所に咲かせます。ちなみに,花弁はどちらも淡い黄色ですが,中心部のしべが,雄花は赤い色(写真③)をしており,一方の雌花のしべは淡い緑色です。(残念ですが,雌花の写真はありません)
写真③「雄花の様子」9月4日撮影

 花の時期はアッという間ですが,実の時期が長いので,生長するにつれて色の変化を楽しむことが出来ます。
ちなみに大変おいしそうに見えますが,酸味が強く甘みはまったくないそうです。時間をつくって,植物園に見に来ませんか。

【解説員K】

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