2018年9月28日金曜日

チョット気になります,路傍の花たち No.13(2018.9.28)

 愛犬と散歩しながら,いつもより少し上流へと足を運んでみました。
 すると,水の流れが見えないくらい多くの水生植物や蔓性植物が茂っている中に,可憐な黄色の花がたくさん咲いているのを見つけました。
【ヒレタゴボウ】
「ヒレタゴボウ」です。水辺に生える北米原産の一年草です。別名を「アメリカミズキンバイ」と言い,大型の帰化植物です。日当たりのよい田んぼや河原まどで群生します。花弁は4枚で葉脈状の筋が見られます。
【オオイヌタデ】
 そのすぐ脇で「オオイヌタデ」を見つけました。タデ科・タデ属の1年草です。日本全土の道ばたや畑,荒地などにごく普通に生える植物で高さは大きいもので2m近くになります。別名を「カワタデ」とか「タデクサ」と言います。花は赤が多いようですが,白に近いものも見ることができます。
 ちなみに,「イヌタデ」は,ひざ下ほどの大きさですから,いかに大きいかがわかります。
【アシ】
 ところで,この時期に存在感を示すのが「アシ(葦)」です。大群落を作り,花穂を風になびかせていました。和名は「ヨシ(葦)」と言い,イネ科の大型多年草です。
 おもしろいのは,「アシ」は「悪し」を思い起こさせ縁起が悪いからと,「悪し」の反対の意味の「良し」から、「ヨシ」となったそうです。
 ちなみに,アシはよしず(葦簀)の原料です。
【ススキ】
 アシが群生している傍で,「ススキ」が一群れ,存在感を示していました。言わずと知れた,秋の七草の1つで,イネ科ススキ属の植物です。
 花穂が伸びる前は「カヤ(萱)」と言われたり,秋になって花穂が伸びてくると,「尾花」と言われたりします。
【オオブタクサ】
 最後は、北アメリカ原産の帰化植物で「オオブタクサ」です。
 皆さんご存知のように春先のスギやヒノキ,秋のブタクサ(オオブタクサ)と言われるように,花粉症を発症させる草花です。私も花粉症で悩まされるひとりですが,まったく厄介な植物です。
 見かけた株は川底から高さが道路面近くまでの高さがありましたから,約4mはあったかと思います。これからが最盛期を迎えます。皆さん,ご用心ください。
 【解説員K】

2018年9月27日木曜日

チョット気になります,路傍の花たち No.12(2018.9.27)

 今回はエノコログサです。イネ科エノコログサ属の1年草です。
 秋の代表的な雑草ですが,花穂が犬の尻尾に似ていることから、犬っころ草(いぬっころくさ)が転じてエノコログサという呼び方になったそうです。漢字でも狗(犬)の尾の草と書きます。
 花穂をネコの目の前で振ると,ネコがじゃれつくことから猫じゃらしとも呼ばれていますね。我が家の黒柴ももちろん猫ではありませんが,ピョンピョン跳び跳ねて奪い取ろうとします。狩猟本能をくすぐるのでしょうか。大好きですよ。
 ところで,エノコログサもじっくりと見ると,少し違いがあるようです。
【エノコログサ】
 

【アキノエノコログサ】
【ムラサキエノコロ】
【キンエノコロ】
 エノコログサは花穂が直立することが多く,アキノエノコログサに比べると,花穂がやや短めで,小ぶりです。一方,アキノエノコログサは背丈も大きく,花穂が垂れてくるのが特徴です。ムラサキエノコロは,花穂の毛が淡い赤紫色をしています。また,キンエノコロは花穂が硬いため,直立して金色っぽく見えます。

 ところで,五穀の一つである粟(あわ)は,エノコログサから作り出された栽培植物ということを知っていましたか。粟もイネ科,エノコログサ属なのです。エノコログサが粟の原種であるとは驚きですね。
【解説員K】

2018年9月20日木曜日

チョット気になります,路傍の花たち No.11(2018.9.20)

 小笹団地正門前のバス停から植物園方面へ階段を上がってくると,登りきった脇に1本立ちの菊のような花が咲いているのを見つけました。途中折れ曲がっていましたが,伸ばしてみると高さは2mほどあります。花弁は薄い黄色で花弁の中心には多くのおしべと,先っぽが二つに分かれためしべが見えます。
アキノノゲシ
 名前は「アキノノゲシ」。キク科アキノノゲシ属の一年草または二年草で,和名は春に咲くノゲシに似て、秋に咲くことから付けられました。茎を切ると白い乳液が出てきますが、乳液が皮膚に付着して直射日光を浴びると、かぶれることがあります。花が終わると綿毛状になって,風に乗って種子を飛ばすようです。


レタス
 突然ですが,ここで「レタス」の話をします。
 新鮮なレタスを切ると,白い乳液が出ますよね。これは,苦みを持つサポニン様物質というポリフェノールの一種です。レタスの学名「Lactuca sativa」のlacは「乳」という意味で,さらにレタスの和名を「ちしゃ」といいます。ちしゃは,ちさ(乳草)から来ていると言われています。
 ここまでお話すると,お気づきかと思いますが,アキノノゲシもレタスも同じ仲間なのです。レタスは地中海沿岸、西アジア原産のキク科アキノノゲシ属の一年草または二年草です。
 レタスがキク科なんて,ちょっと驚きですね。ちなみに,アキノノゲシも3,4月頃の新芽や若葉は食べられるそうです。
 余談ですが,レタスとキャベツは同じ仲間だと思っていませんか。実は,キャベツは菜の花と同じアブラナ科なんです。おもしろいですね。
 【解説員K】

2018年9月19日水曜日

チョット気になります,路傍の花たち No.10(2018.9.19)

 自宅前に,ちょうど樋井川(上流)がながれています。
 道路面から5mくらい下ですが,水深は50cm程でハヤが泳いでいます。川幅は7~8mあり,両岸はコンクリートですが,上流から流されてきた川砂が堆積し,多くの植物が繁茂しています。すぐ近くに堰があり,水は比較的きれいです。
 これまでにカワセミやアオサギ,マガモ,ハクセキレイ,キセキレイなどが観察されています。
 改めて,川岸をのぞいてみると,大株に育ったジュズダマの群生が見られます。熱帯アジア原産でイネ科の多年草です。雌雄同種で穂の先っぽに尾花が,もとの方に雌花が咲く変わりものです。実(み)は苞葉の鞘が変化したもので,雌花をその基部にある苞葉の鞘が包みこみ,硬くなったものです。
 実はその中心に穴が空いているので,私よりも年配のみなさん(?)は子どもの頃,糸を通して数珠を作った経験があるのではないでしょうか。
ジュズダマ

 その脇に小さな黄色い花をみつけました。高さが1mほどで,あまり見たことのない植物を見付けました。そこで,護岸の上からはよくわからないので,河川敷に降りてみました。黄色い5弁花が下向きに咲いています。
 熱帯アメリカ原産でマメ科の1年草,「エビスグサ」です。江戸時代に中国より薬用として渡来したそうで,種子は決明子(ケツメイシ)と呼ばれ、それを煎じたものはハブ茶になります。同じ場所に数株育っていましたので,種が上流の方から流されてきたのでしょうか。
 
エビスグサ
 余談ですが,音楽グループに「ケツメイシ」というグループがあります。彼らのうち二人は薬科大卒で,たまたま薬草図鑑を開けたページに載っていたのが決明子です。決明子は昔から下剤などに使われてきた中国の薬草で,この効能が「全てを出し尽くす」という意味があって,この名前がグループに付けられたそうです。
へぇ?

 ところで,雑草が生い茂っている中にピンクの花が目に留まりました。よくよく目を凝らしてみると,ピンク色の小さな花がびっしりと咲いていることに気づきました。一見するとハギのような可憐な紫の花です。少なくとも,去年までは見られなかった種だと思い,調べてみました。
 北アメリカ原産でマメ科の帰化植物です。繁殖力が大変強く,実ができると,やがて動物たちによって運ばれるそうです。いわゆる,くっつき虫です。名前は,「アレチヌスビトハギ」です。

アレチヌスビトハギ
 秋の七草のハギとは同じマメ科ですが,ハギはハギ族に対し,アレチヌスビトハギは,ヌスビトハギ属ですから異なります。
 【解説員K】

2018年9月17日月曜日

チョット気になります,路傍の花たち No.9 (2018.9.17)

 路傍の花たちNo.8からの続きです。
 神社を過ぎると駐車場に出ました。駐車場わきにオレンジ色のユリ科(?)の植物が風に揺られていました。ワスレグサ科(ユリ科)の「アキノワスレグサ」です。本園の野草園東に今、咲いているので,すぐにわかりましたよ。
 近縁種のノカンゾウは開花期間が6~8月で,冬は地上部が枯れてしまいますが,こちらは常緑です。ですから,「トキワノカンゾウ」という別名があります。
アキノワスレグサ

 
  そして,遊歩道脇には「クズ」がびっしりと広がっていました。大きな葉が重なる中にひっそりと紅紫の葛の花が咲いていました。
  秋の七草の1つであるクズは,根がイモ状に大きくなり,葛粉がとれます。葛粉は葛切りや葛餅などの原料となります。また,根を干したものを生薬で葛根(かっこん)といい、発汗・解熱剤になります。厄介者のクズですが,実は私たちに多くの恵みを与えてくれているのです。
 
クズ

 
 次に目に留まったのが,直径1cmにも満たないかわいい花が咲く「キツネノマゴ」です。虫たちが大好きな花です。
 キツネノマゴ科の1年草で,淡い紅紫色で唇形の花をつけます。上唇の花びらには2本のおしべとめしべがあり,下唇の花びらには虫たちをおびき寄せる蜜標があります。ミツバチが蜜を吸いに中に入ると,背中に花粉がついて,他の花に受粉をしてくれるわけです。正にギブアンドテークの良好な関係を保っています。
キツネノマゴ

 
 最後は,クリスマスのころによく見かけるポインセチアに似た花です。よく見ると,茎の上の方の葉のみ赤く色づいています。花に見えた部分は、実は赤く色づいた苞です。
 名前は「ショウジョウソウ」。別命を「サマーポインセチア」と言い,熱帯アメリカ原産でトウダイグサ科の1年草です。道路脇にも数株が茂っており,こぼれ種で増えたのではないでしょうか。
ショウジョウソウ(猩々草)

  【解説員K】

2018年9月14日金曜日

バスから見えるチョット気になる花(2018.9.14)


K解説員は散歩の時に見かけた植物をブログで紹介していますが、私は通勤のバスから見える「チョット気になる」花の紹介です。浄水通りの「動物園前」を過ぎて「上智福岡中高前」の少し前、南公園樹林地の縁のところに見える白い花はセンニンソウ【仙人草】(キンポウゲ科)です。



つる性の多年草で花弁はなく白く見えているのは萼(がく)です。和名は、果実が熟すと花柱が成長して羽毛状になるのを「仙人のひげ」に見立てて名付けられています。





「動物園前」の薬院大通方面バス停の上に咲いているのはクサギ【臭木】(クマツヅラ科)の花です。

落葉性の低木で和名は「カメムシのような」といわれる匂いから名付けられています。花を咲かせたあとは、8月25日のブログで紹介したゴンズイと同じように赤っぽい萼と藍色の果実の「二色効果」で鳥たちにアピールします。

馬屋谷方面に少し下った石垣にたくましく育って花を咲かせているのはイタドリ【虎杖・痛取】(タデ科)です。

大形の多年草で和名は「痛みを取る草」というところから名付けられたそうですが、実際はほとんど効果はないとの説もあります。雌雄異株でこの写真は雄株のようです。


バスに乗ったらスマホの画面ばかり見ていないで、たまには窓の外を見てみませんか。いろいろな花たちが季節を感じさせてくれますよ。                          (解説員)

2018年9月12日水曜日

チョット気になります,路傍の花たち No.8 (2018.9.12)

 9月も中旬を迎えると,朝夕はずいぶんと涼しくなってきました。
 愛犬と一緒に川沿いを(樋井川の上流)散歩していると,コオロギやウマオイ,クツワムシなどの虫の音が草むらから聞こえてきます。目に映る路傍の花たちも少しずつ変化してきているようです。
 川面に目をやると,アシ(葦)が茂り,両岸にはクズ(葛)が蔓を伸ばしている中に,色鮮やかな朱色が目につきました。花弁は五角形で,アサガオに似たロウト状のオレンジの花です。北アメリカ原産でヒルガオ科の一年性植物でマルバルコウ(丸葉縷紅)です。

マルバルコウ
 植物園温室入り口に近縁種のルコウソウの鉢植えがあります。見に来ませんか。

 次に目に留まったのが,キクイモです。北アメリカ原産で、世界中に外来種として分布しているキク科ヒマワリ属の多年草です。別名は「エルサレムアーティチョーク」ですが,江戸時代後期に家畜のえさとして取り入れたため,「アメリカイモ」とか、「ブタイモ」などと言う呼び方もあります。名前の通り,根の先っぽにゴツゴツした芋ができ,昨今,健康食品として見直されているそうです。
キクイモ

 その近くで,キバナコスモスを見つけました。キク科の1年草または多年草で,原産地はメキシコです。一重咲きと八重咲きがあります。暑さに強いのが特徴で, 性質は非常に丈夫で放任でもよく育ちますよ。
キバナコスモス

 川沿いを離れ,神社の境内がある斜面で,うす紫のツルボが顔を出していました。ツルボは,キジカクシ科の多年草です。別名を参内傘(サンダイガサ)と言い,宮中に参内するときに貴婦人が使った柄の長い傘を畳んだ形に見立てたものだそうです。
ツルボ

 さらにその近くにはヒガンバナ科のニラがたくさん群れをなして咲いていました。ニラは中国から入ってきたものですが,何と弥生時代から栽培されています。葉をちぎってみると,独特なにおいが鼻をつき,「ああ,やっぱりニラだ。」と思いましたよ。
ニラ

【解説員K】

2018年9月1日土曜日

“ひょうたんひとつまん丸育ってく” 俳句の展示入れ替えました。(2018.8.31)

 野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。


 8月も暑かったですね。
 こんな暑い中でも植物園に来て俳句を投稿いただいた皆様,ほんとにありがとうございます。
 その中から,素人の私が,独断と偏見でいくつかご紹介しますね。



  “ひょうたんひとつまん丸育ってく” 山並ゆうき
  (ひょうたんひとつまんまるそだってく)

 植物園の入口広場から花壇を抜けた先に,約25mの「ひょうたんのトンネル」が出来上がってます。大きいもの小さいもの,形も様々なひょうたんの実が100個以上もぶら下がっているトンネルは,見て楽しく,歩いて涼しいですよ。
 今が見ごろです! ぜひお越しください。
 このひょうたんの苗は,ひょうたんの愛好団体である「福岡地区愛瓢会」様より毎年提供いただいて園で育てています。11月18日(日)には,採取したひょうたんを使った「マイひょうたんづくり体験教室」(11/4申し込み〆切)を行います。また,毎年4月にはひょうたん展を開催していますので,こちらもぜひご参加ください。



 親子で投稿いただいたと思われる作品をご紹介します。

  “むしあみでつくつくぼうしつかまえた” 四才 とくながつばさ
  (むしあみでつくつくぼうしつかまえた)

  “見上げれば空の宝石天の川” つばさのママ
  (みあげればそらのほうせきあまのがわ)

 親子で植物園に来て一緒に俳句を書く,実に風流なご家族だと思います。
 植物園では,植物や昆虫に触れて環境について体験して学べる理科的な学びだけでなく,
俳句を見たり書いたりすることで文系的な学びも可能なんですね~。
 つばささんとママさん,親子並んで仲良く展示していますので,ぜひ見に来てくださいね。
 

 夏休みを利用して来園いただいたお子様でしょうか,「夏休み」の句をたくさん投稿いただきました。

  “ひまわりの黄色がひかる夏休み” 佐藤主税
  (ひまわりのきいろがひかるなつやすみ)

  “夏休み友だちみんなあせをかく” 作者不詳
  (なつやすみともだちみんなあせをかく)
























  “夏休み友だち連れて動物園” 作者不詳
  (なつやすみともだちつれてどうぶつえん)

  “なつ休みはみじかいな” さな
  (なつやすみはみじかいな)


 「夏休み」,長いようであっという間に終わりが間近に迫り,「自由研究が終わってなーい!(汗)」とあせった苦い経験を思い出します…(笑)
 植物園は,夏休みの自由研究の題材の宝庫です。
 子供向け講座として「食虫植物の不思議」や「葉脈標本づくり」を毎年行っていますし,
今年初めての取組みで「夏休み自由研究・工作応援週間」を設け,道具の貸し出しや材料の提供を無料で行いました。
 来年も実施しますので,ぜひ利用してくださいね。


 最後に,今年の夏を象徴している句を紹介します。

  “逃げ場なき肺の奥まで極暑かな” 小山さち子
  (にげばなきはいのおくまでごくしょかな)

  “河馬の背に容赦なき如極暑かな” 西崎邦子
  (かばのせにようしゃなきごとごくしょかな)




































 
 「命の危険がある暑さ。一つの災害と認識している。」7月の気象庁の記者会見で表現されたように,8月も福岡市で最高気温が35度を超える日が11日もありました(8/30時点)。
 8.30付西日本新聞朝刊の「暑すぎた夏明暗 プール伸びず屋内活況 熱中症対策グッズ,好調」という記事によると,この夏,屋外のレジャー施設はどこもお客様が少なかったとのこと。福岡市動植物園も例外ではありませんでした…(涙)
 でも,「夜の動植物園」は比較的涼しいんです! 
 9月は1日(土)と8日(土)のあと2回開催しますので,これまで屋外のレジャーを控えてこられた方も,今年の夏の最後の思い出づくりに「夜の動植物園」にぜひお越しください。

  
*今回展示している俳句の一覧です。



 
 (園長 井上)