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チョット気になります、路傍の花たちNo.7(2018.8.28)

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 今回は,路傍の花シリーズからちょっと逸脱しているように思えますが,2つの植物を紹介します。  1つは当園の野草園東で,今,見ることができるワレモコウです。もう1つは,ハーブ園で春先まで咲いていたサラダバーネットです。この2つの植物には,ある共通点があります。 ワレモコウ① ワレモコウ②  ワレモコウは日当たりのよい山野や原っぱなどに自生するバラ科の多年草です。  漢字で書くと,「吾亦紅」,「吾木香」,「我毛紅」,「我妹紅」など,多くの記載が見られます。また,別名でもダンゴバナ(団子花)・キュウリグサ(胡瓜草),ボウズバナ(坊主花),ノコギリソウ(鋸草)などがあります。 全国各地に自生し,多くの人々に親しまれてきた証拠ではないでしょうか。  実は日本の秋を代表する草花であり,短歌や俳句にも多く詠まれています。例えば,高浜虚子の「吾も亦(また)紅なりとひそやかに」という句があります。   写真①でもわかるように,よく目を凝らして見ないと,見落としてしまうくらい地味な花ですが,「私も紅い花ですよ。」と主張しているのです。  ところで、写真②の赤い花穂(約1.5~2cm)の部分は,実は花びらではなく,葉が変化した萼です。おもしろいことに,このタイプは花穂の先端部分から咲き始める有限花序という性質を持っています。 サラダバーネット  もう一つは,サラダバーネット。地中海沿岸を原産とするバラ科の多年草です。  葉や茎にふれると,キュウリのような爽やかな香りがします。軟らかい葉はサラダやスープ、それに酢に漬け込んだバーネットビネガーなどに利用されるそうです。  当ハーブ園では4月中頃から花を咲かせ始め,5月中旬には咲き終えてしまい,今は見ることができません。若葉はビタミンCを多く含み,消化を助けるハーブとして、また、根や茎,葉にタンニンを含み,傷口の止血作用もあるそうです。  最初の話に戻りますが,実はサラダバーネットは,和名では「オランダワレモコウ」と呼ばれています。バラ科のワレモコウ属ですから,本種とワレモコウは近縁種なんですよ。花の写真があればよかったのですが残念! 【解説員K】

「赤と黒」~ 似たもの同士(2018.8.25)

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 毎朝バス通勤をしています。最寄りのバス停は「小笹団地正門前」、降りた真ん前に「赤と黒」のツートンカラーが目についたので、携帯でパチリ。図鑑であらためて確認したら、ゴンズイ【権萃】(ミツバウツギ科)の果実でした。赤色は「肉紅色の袋果」、黒色は「薄い仮種皮に包まれた種子」で、この写真は果実が熟して果皮を裂開させ黒い種子を露出させている状態です。 この「赤と黒」の配色、似たものをどこかで見たことがあると思ったら温室にありました。  回廊温室のオクナ・セルラタです。南アフリカ原産で、反り返った赤色部分が耳のように見えることから別名「ミッキーマウスの木」とも呼ばれています。  ところで、この「赤と黒」は植物にとってどのような意味があるのでしょうか?  植物は自分では動くことができないので、種子を遠くへ運ぶことができません。そのハンディをカバーするために様々な動くものを利用していますが、その方法のひとつが鳥に果実を食べさせて種子を運んでもらうこと。そのため、鳥たちに目立つよう色でアピールしていますが、赤と黒のツートンカラーは「二色効果」といって、鳥を引き寄せる効果が倍増するとのことです。  ちなみに、オクナ・セルラタの赤色部分は萼(がく)、ゴンズイは袋果ですので色彩的には似たもの同士でも、構造的には別ものです。 この「二色効果」については、果実が熟して黒く変化する時期になると果柄が赤く色づくクマノミズキ【熊野水木】(ミズキ科)も、対照的な配色で目立たせる事例としてあげられています。(注:今年は猛暑のせいか果柄の色づきは例年より薄いようですが・・・)  果実と果柄の関係では、ヨウシュヤマゴボウ【洋種山牛蒡】(ヤマゴボウ科)も身近な例ですね。  また果実を一斉に成熟させるのではなく、一部は順次、赤色→黒色と変化し、赤色の中で成熟した黒色がより目立つようにしている時間差の「二色効果」の事例としてサクラ類、クワ類などがあげられていますが、園内ではサンゴジュ【珊瑚樹】(スイカズラ科)が今まさにその効果を発揮している最中といえるでしょう。  さまざまな方法で対照的な色合いを出して、自分の果実の存在をアピールしている植物たちに拍手です。                              (解説員)

チョット気になります,路傍の花たちNo.6(2018.8.23)

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 今回はマツヨイグサ(待宵草)の仲間を紹介します。  ヨイマチグサ(宵待草)とかツキミソウ(月見草)などとも呼ばれているようです。                       オオマツヨイグサ  マツヨイグサの仲間の中では最も大きな花が咲くオオマツヨイグサです。  北アメリカ原産でアカバナ科の2年草です。ヨーロッパで品種改良された園芸品種です。大輪の黄色の花がとても美しいです。夕方から咲き始め,朝になるとしぼんでしまう1日花です。  最近は野原などで,この花を見かけることは少なくなりました。 メマツヨイグサ  次に紹介するのが,メマツヨイグサです。北アメリカ原産の帰化植物です。  マツヨイグサの仲間の中では最も繁殖力が強く,河原の土手や空き地でもよく見かけます。花の大きさは,マツヨイグサの仲間の中では小さいほうですが,多くの花を咲かせます。                        コマツヨイグサ   次に紹介するのがコマツヨイグサです。  海岸や河原,空き地,公園などでも見かけます。マツヨイグサの仲間の中では背丈が小さく,茎は立たずに這って広がるようです。また,花がしぼむと,オレンジぽい色に変化します。   因みに,コマツヨイグサは環境省の生態系被害防止外来種リスト「重点対策外来種」に指定されています。                       マツヨイグサ  最後に紹介するのが,マツヨイグサです。南アメリカ原産のアカバナ科の2年草です。オオマツヨイグサに比べ,花のサイズも丈も小さいです。また,コマツヨイグサと同じように花がしぼむと,オレンジ色になります。  ところで,ハーブ園のコーナーにイブニングプリムローズが咲いています。                       イブニングプリムローズ 「はて,何でイブニングプリムローズ?」と思ったのは私だけではないでしょう。  実はマツヨイグサの仲間を英名で「イブニングプリムローズ」と言います。ハーブ園に植えているイブニングプリムローズは背丈や花の大きさ,細い葉の特徴からメマツヨイグサだと思われます。  そして,メマツヨイグサの中でも,写真のように4つの花弁に隙間が見られる種類を,アレチマツヨイグサと言います。今では双

読めますか?「地湧金蓮」(2018.8.17)

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  「チユウキンレン」と読みます。バショウ科ムセラ属の植物で原産は中国雲南省南部・貴州省南部、標高1,000~2,500mの山の斜面に分布している常緑多年草です。中国名の「地湧金蓮」は「地面から湧いてきた金色の蓮(はす)」の意味で、三角に尖って黄色の花に見える苞(ほう)がハスの花弁に似ていることから名づけられています。当園では温室前の植樹帯で育っています。  実はこの植物、資料によると「耐寒性はかなり強く、関東以西程度の気候なら庭植で十分に越冬します。」とのことでしたが、今年2月の寒波で地上部がすっかり枯れてしまいました。ちなみに、今年の寒波はすぐ近くで生育しているジャカランダの花芽も寒さでやられてしまったほどでした。珍しい「地湧金蓮」も残念ながら寒さで消滅したかなと思っていたら、地下部分はちゃんと残っていたのでしょうか、夏場になったらめきめき復活して花を咲かせてくれました。  黄色の苞が目立ちますが、本当の花は苞の基部に小さく上向きに咲いています。   この温室前の植樹帯では、沖縄地方でよく見られるゲットウ【月桃】(ショウガ科)も2月の寒波で葉がすっかり茶色に変色して心配しましたが、暖かくなったらすっかり回復して6月下旬頃に美しい花を咲かせ、現在はたくさんの実をつけています。   春夏秋冬、めぐる季節の中で植物たちはたくましく生きています。来年はジャカランダの花を是非とも楽しみたいですね。                                    (解説員)

チョット気になる、路傍の花たちNo.5(2018.8.15)

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ヤブガラシ  ブドウ科のつる性の多年草です。 この時期,どこでも必ず見かけるヤブガラシです。一見すると,とてもかわいらしい花ですが,節から伸びる巻きひげで,他の植物やフェンスなどにからみついて這い広がります。そして,絡みついた植物をおおって枯らしてしまうのでこの名がついたそうです。  別名もビンボウカズラ(貧乏葛)と言い,正直,不名誉な名前がついています。畑や藪にふつうに生え,地下茎で増えるので,地上部を抜き取っても地下茎が残るため,除草がとても厄介です。  しかし,昆虫たちにとっては大切な蜜源植物であり,写真のオレンジ色に見える部分は花盤とよばれ,たくさんの蜜を出しています。そして,じっくりと見てみると,4枚ある黄緑色の花弁がついているのがわかりますね。それらの花弁はやがて落ちてしまいます。 ヘクソカズラ  アカネ科,つる性の多年草です。漢字で書くと,「屁糞葛」となります。とんでもない名前が付いています。多くの小さな花をつけ,とてもかわいいのですが,葉や茎にはとても強い悪臭があります。別名を,「灸花(ヤイトバナ)」,「サオトメバナ」,「馬食わず」と言います。 万葉集の中に「くそかずら」の名で詠まれた句があります。万葉集というと,奈良時代です。その後に「屁」もついたわけですから,どれだけ臭いか想像できることでしょう。資料を見ていたら,スカンクの屁の主成分と同じ臭気だと書いていました。害虫から身を守るためにこのようになったのだそうです。  花後は実ができますが,その実がやがて緑色からヤマブキ色になり,リース作りの材料によく使われ重宝されています。実は乾燥すると臭気は,ほとんどなくなるそうです。 【解説員K】

チョット気になります、路傍の花たちNo.4(2018.8.9)

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  温室入り口前で5,6年生くらいの女の子と母親が、ユウガオやヨルガオなどの鉢物を見ながら、 次のような話をしていました。  娘:「ヨルガオとユウガオって,あるんやね。お母さん,知っとった?」  母:「アサガオは朝から咲くでしょう。ヒルガオはお昼よね。ユウガオやヨルガオは    名前は聞いたことがあるけど,あまり見たことがないかな。」  娘:「つぼみはいっぱいついているけど,咲いてないね。」  母:「やっぱり,夕方から咲くんじゃない。」  それでは問題です。  「アサガオ」,「ヒルガオ」,「ヨルガオ」、「ユウガオ」の中で,1つだけ仲間ではないものがあります。さぁ,どれでしょう。答えは最後まで読んでいただければわかりますよ。 ① アサガオ   子どもたちが栽培活動で初めて出合う花と言っても過言ではないでしょう。  多くの小学校で入学直後に生活科の学習で最初に種まきをするのがアサガオです。花色も青,紫,ピンク,白などの他に,写真のように花弁の中心に向かって筋状に白い模様が入るものや,大輪咲き,キキョウ咲きなどの変化アサガオ,そして,葉に斑が入るものまで多種多様です。  ヒルガオ科の1年草で,その歴史は古く,奈良時代後半から平安時代にかけて,薬用植物として中国から日本に入ってきたと言われています。そして,江戸期に入って,観賞用として本格的に多くの園芸品種が生み出され、現代に至っています。 ②  ヒルガオ  日本原産でヒルガオ科の多年草です。午前中から咲き始め,昼を過ぎても咲いています。アサガオに比べると,花も小さく,路地や空き地でよく見かけます。冬は地上部が枯れてしまいますが,春には芽吹き,蔓を伸ばしていきます。  生育が旺盛で、どちらかというと、雑草的なイメージがあるヒルガオです。 ③  ヨルガオ  熱帯アメリカ原産のヒルガオ科の多年草です。日本では1年草として取り扱っています。  夕方から咲き始め,甘い芳香を発しながら暗闇に純白の花を咲かせ,翌朝にはしぼんでしまいます。花柄を摘んでやると,次から次に咲かせます。もちろん,種をとる目的があれば,そのままにしておきます。これは、他の植物も同じです。 ④ ユウガオ  名前の通り,夕方から咲き始め,翌日の朝にはしぼんでしまうウリ科の1年草

チョット気になります,路傍の花たち No.3 (2018.8.9)

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ヤナギハナガサ  南アメリカ原産でクマツヅラ科の多年草です。空き地や道路脇などで見られる帰化植物です。学名を「バーベナ・ボナリエンシス」、別名を「三尺バーベナ」と言います。バーベナ・ボナリエンシスの「ボナリエンシス」は「ブエノスアイレス産の」という意味です。「バーベナ」はヘブライ語の「herbabpna(よい植物)」が語源で、宗教上において神聖な草であることに由来しています。三尺バーベナと言われるくらいですから,90cm以上の草丈になります。この花は茎に特長があり,茎の断面は四角形で,中は中空になっています。 アレチハナガサ  ヤナギハナガサと同じ南アメリカ原産の外来種です。空き地や道端などいろいろな場所で群落をつくります。草丈が高く荒れ地などに群生しますが,花が小さくてあまり目立ちません。茎の断面は四角形でヤナギハナガサと同じですが,茎は中空ではなく,つまっています。  葉の基が茎を軽く抱いていればダキバアレチハナガサ(抱葉荒地花笠)と言う近縁種もあります。茎には小さな毛で被われており,アレチハナガサには毛がないので,区別ができます。 ブタナ  ヨーロッパ原産でキク科の多年草です。日本では外来種(帰化植物)として各地に分布し,環境省は要注意外来生物に指定しています。別名を「タンポポモドキ」,「フタマタタンポポ」と言い,タンポポの花が終わったころから夏にかけて、タンポポとよく似た花を咲かせます。また,フタマタタンポポと言う別名があるように,花茎の途中から二股に分かれて,それぞれに花を咲かせるのが特徴です。  葉は地際からロゼッタ状に広がり,花茎に葉はつきません。タンポポよりもかなり肉厚で,小さな毛がいっぱい生えています。  フランスでは豚が好んで食べることから「豚のサラダ」とよばれていたのが、そのまま和訳されて,ブタナ(豚菜)となったそうです。若葉の頃はクセが少なく、サラダや茹で野菜、揚げものなどで食べることができます。 【解説員K】

“太陽がギンギン照らすひまわりを” 俳句の展示入れ替えました。(2018.8.4)

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 野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。  毎日暑い日が続きますが,こんな暑い中でも植物園に来て投稿いただいた,大変ありがたい俳句を展示しています。  また,今回は,弥永小学校6年生の児童の皆さんの俳句も展示しています。  その中から,素人の私が,独断と偏見でいくつかご紹介しますね。  まず児童の作品から,夏らしい「ひまわり」の句。      “太陽がギンギン照らすひまわりを” 神宮憂雅   (たいようがぎんぎんてらすひまわりを)      “ひまわりは夏のでばんだかがやくよ” 松浦樹愛   (ひまわりはなつのでばんだかがやくよ)  植物園の入口花壇では、11品種3,600株のヒマワリたちが、まさに今、「夏のでばんだ」とばかり、太陽に「ギンギン」照らされながら、元気に「かがやいて」ますよ!  キク科ヒマワリ属で,中央アメリカからペルーにかけて分布するヒマワリは,インカ帝国では太陽神のシンボルとみなし崇めていたそうです。15世紀のコロンブスのアメリカ大陸発見後,早くにヨーロッパに移され,17世紀初頭には園芸書に登場するなど,観賞用の植物として広まっていたようです。  ゴッホのヒマワリの絵は有名ですが,19世紀にゴッホがヒマワリを単独で描くまでは,絵画の中では多くの花の一つとしてしか扱われていなかったそうです。  日本では,江戸時代中期以降,伊藤若冲などの絵でヒマワリが単独で登場しており,その頃には日本人にも親しまれていた花だったのでしょうね。(小学館「園芸植物大辞典」を参考に記述しました)    もう一つ、夏といえば「朝顔」。   “朝顔の一番咲きの色は何” 湧水   (あさがおのいちばんざきのいろはなに)  小学生の時に初めて学校で植物の栽培を習うのがたいていアサガオで,日本人には馴染みの深い植物ですよね。  ヒルガオ科アサガオ属のアサガオは,実は中南米の原産で,日本には奈良時代に中国から渡ってきて,当初は薬用として使われていましたが,すぐに観賞用として広く栽培されるようになりました。江戸時代になると,いろいろな植物で,斑入りのものや変わった色や形の花などの変異を楽しむ「園芸ブーム」が起こりましたが,アサガオも「変化朝顔」と呼ばれる、私たちが知るアサガオとは似

ヒスイカズラのタネ出現(2018.8.2)

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 今年3月から4月にかけて、回廊温室と大温室で神秘的な色の花を次々に咲かせて私たちを楽しませてくれたヒスイカズラ【翡翠蔓】(マメ科)。  フィリピン諸島のごく限られた地域にのみ自生するつる性植物で、自生地ではオオコウモリの仲間が花粉を媒介して受粉しているといわれています。わが国のオオコウモリがいない環境では交配は困難な訳ですが、当園の温室管理担当がコウモリ役(Batman!)になって人工授粉に挑戦したところ、3月末にみごと受粉・結実に成功しました。  この果実がぶら下がっている写真は5月20日に撮影したものです。各地の植物園でも人工授粉が行なわれており、その記録を拝見するとせっかく結実してもまもなく落果してしまうなど最終的な結実率はかなり低いようですが、当園ではこの1個が残りました。  資料によると成熟期間は120日とのことですが、7月31日に熟した果実が裂けて中からタネが飛び出しているのを温室担当が発見しました。  果実の中には大形のタネが4個入っていました。温室担当は、次は採取したタネの発芽に挑戦するとのこと、結果が楽しみです。                               (解説員)

チョット気になります,路傍の花たち No.2(2018.8.1)

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オシロイバナ(白粉花) 南アメリカ原産でオシロイバナ科の多年草です。花色が豊富で,赤や黄色,白,オレンジ,ピンクなどがあります。また,写真のように絞り咲きや咲き分けのものも多く見られます。  ロウト状の花ですが,本当の花びらは退化してありません。花びらのように見えるのは萼(ガク)で、緑色の萼(ガク)に見えるものは総苞(ソウホウ)です。  オシロイバナは、夕方から咲き始めるため,英名でFour o’clock(午後4時)と言います。夜の間もずっと咲き続け,翌朝まで咲いています。  花の奥には蜜があり、私が子どものころは蜜を吸ったり,色水を作ったりして遊びました。また,女の子たちは種をハサミで半分に切り,白い粉を取り出してお化粧をしたりしていました。しかし,根や種には毒性がありますので,要注意です。 ユウゲショウ(赤花夕化粧)  南アメリカ原産でアカバナ科の多年草です。薄いピンク色の4弁花が可憐です。「夕化粧」と書きますが,実際には昼前から咲いているようです。 ところで,ユウゲショウ(夕化粧)は,今では「赤花夕化粧」と呼ばれるようになりました。先に紹介したオシロイバナも,別名を「夕化粧」と言い,秋の季語になっています。それと区別するためだと言われています。  花後に実ができ,雨が降ると実が開いて,雨滴で種を巻き散らす性質(雨滴散布)があります。そして,雨が上がり乾いてくると,再び果実が閉じるそうです。不思議ですね。  【解説員K】