“太陽がギンギン照らすひまわりを” 俳句の展示入れ替えました。(2018.8.4)
野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。
毎日暑い日が続きますが,こんな暑い中でも植物園に来て投稿いただいた,大変ありがたい俳句を展示しています。
また,今回は,弥永小学校6年生の児童の皆さんの俳句も展示しています。
その中から,素人の私が,独断と偏見でいくつかご紹介しますね。
まず児童の作品から,夏らしい「ひまわり」の句。
“太陽がギンギン照らすひまわりを” 神宮憂雅
(たいようがぎんぎんてらすひまわりを)
“ひまわりは夏のでばんだかがやくよ” 松浦樹愛
(ひまわりはなつのでばんだかがやくよ)
植物園の入口花壇では、11品種3,600株のヒマワリたちが、まさに今、「夏のでばんだ」とばかり、太陽に「ギンギン」照らされながら、元気に「かがやいて」ますよ!
キク科ヒマワリ属で,中央アメリカからペルーにかけて分布するヒマワリは,インカ帝国では太陽神のシンボルとみなし崇めていたそうです。15世紀のコロンブスのアメリカ大陸発見後,早くにヨーロッパに移され,17世紀初頭には園芸書に登場するなど,観賞用の植物として広まっていたようです。
ゴッホのヒマワリの絵は有名ですが,19世紀にゴッホがヒマワリを単独で描くまでは,絵画の中では多くの花の一つとしてしか扱われていなかったそうです。
日本では,江戸時代中期以降,伊藤若冲などの絵でヒマワリが単独で登場しており,その頃には日本人にも親しまれていた花だったのでしょうね。(小学館「園芸植物大辞典」を参考に記述しました)
もう一つ、夏といえば「朝顔」。
“朝顔の一番咲きの色は何” 湧水
(あさがおのいちばんざきのいろはなに)
小学生の時に初めて学校で植物の栽培を習うのがたいていアサガオで,日本人には馴染みの深い植物ですよね。
ヒルガオ科アサガオ属のアサガオは,実は中南米の原産で,日本には奈良時代に中国から渡ってきて,当初は薬用として使われていましたが,すぐに観賞用として広く栽培されるようになりました。江戸時代になると,いろいろな植物で,斑入りのものや変わった色や形の花などの変異を楽しむ「園芸ブーム」が起こりましたが,アサガオも「変化朝顔」と呼ばれる、私たちが知るアサガオとは似ても似つかぬ花を咲かせるアサガオを栽培する技術が発達しました。(化学同人「変化朝顔図鑑」を参考に記述しました)
福岡市植物園では、7月24日から9月2日まで、温室ギャラリー室で「アサガオ展」を開催しています。園芸品種と変化朝顔をそれぞれ約20品種ずつ,合計約80鉢展示しています。「空調のきいた涼しい」温室ギャラリーで、いろんなアサガオに癒されに、是非おいでください!
偶然(?)植物以外の同じ生き物を季語にした、児童の句と大人の句を紹介します。
“梅雨空を見上げて合唱雨蛙” 平山優心
(つゆぞらをみあげてがっしょうあまがえる)
“けふひと日恙無きにと雨蛙” 柳井扶美代
(きょうひとひつつがなきにとあまがえる)
“かたつむりあじさいの上乗っている” 永松誠梧
(かたつむりあじあいのうえのっている)
“原発の廃炉は遠し蝸牛” 越智政弘
(げんぱつのはいろはとおしかたつむり)
福岡市動植物園がある南公園は、約28ha(ヤフオクドーム4個分!)もある、都会の中に残る貴重な「自然」です。この中にはいろいろな生き物がいます。まさに生物多様性の宝庫!アマガエルもカタツムリもたくさんいます。
私の子どもたちは身の回りに「自然」がないところで育ったので、アマガエルやカタツムリを身近で見たことがないんじゃないかと心配するんですが、弥永小学校の児童たちは生き生きと表現していますよね。通学途中などで見られるのかもしれません。生物多様性ができるだけ維持される環境を子どもたちに残してあげたいものです。
*今回展示している俳句の一覧です。
毎日暑い日が続きますが,こんな暑い中でも植物園に来て投稿いただいた,大変ありがたい俳句を展示しています。
また,今回は,弥永小学校6年生の児童の皆さんの俳句も展示しています。
その中から,素人の私が,独断と偏見でいくつかご紹介しますね。
まず児童の作品から,夏らしい「ひまわり」の句。
“太陽がギンギン照らすひまわりを” 神宮憂雅
(たいようがぎんぎんてらすひまわりを)
“ひまわりは夏のでばんだかがやくよ” 松浦樹愛
(ひまわりはなつのでばんだかがやくよ)
植物園の入口花壇では、11品種3,600株のヒマワリたちが、まさに今、「夏のでばんだ」とばかり、太陽に「ギンギン」照らされながら、元気に「かがやいて」ますよ!
キク科ヒマワリ属で,中央アメリカからペルーにかけて分布するヒマワリは,インカ帝国では太陽神のシンボルとみなし崇めていたそうです。15世紀のコロンブスのアメリカ大陸発見後,早くにヨーロッパに移され,17世紀初頭には園芸書に登場するなど,観賞用の植物として広まっていたようです。
ゴッホのヒマワリの絵は有名ですが,19世紀にゴッホがヒマワリを単独で描くまでは,絵画の中では多くの花の一つとしてしか扱われていなかったそうです。
日本では,江戸時代中期以降,伊藤若冲などの絵でヒマワリが単独で登場しており,その頃には日本人にも親しまれていた花だったのでしょうね。(小学館「園芸植物大辞典」を参考に記述しました)
もう一つ、夏といえば「朝顔」。
“朝顔の一番咲きの色は何” 湧水
(あさがおのいちばんざきのいろはなに)
小学生の時に初めて学校で植物の栽培を習うのがたいていアサガオで,日本人には馴染みの深い植物ですよね。
ヒルガオ科アサガオ属のアサガオは,実は中南米の原産で,日本には奈良時代に中国から渡ってきて,当初は薬用として使われていましたが,すぐに観賞用として広く栽培されるようになりました。江戸時代になると,いろいろな植物で,斑入りのものや変わった色や形の花などの変異を楽しむ「園芸ブーム」が起こりましたが,アサガオも「変化朝顔」と呼ばれる、私たちが知るアサガオとは似ても似つかぬ花を咲かせるアサガオを栽培する技術が発達しました。(化学同人「変化朝顔図鑑」を参考に記述しました)
福岡市植物園では、7月24日から9月2日まで、温室ギャラリー室で「アサガオ展」を開催しています。園芸品種と変化朝顔をそれぞれ約20品種ずつ,合計約80鉢展示しています。「空調のきいた涼しい」温室ギャラリーで、いろんなアサガオに癒されに、是非おいでください!
偶然(?)植物以外の同じ生き物を季語にした、児童の句と大人の句を紹介します。
“梅雨空を見上げて合唱雨蛙” 平山優心
(つゆぞらをみあげてがっしょうあまがえる)
“けふひと日恙無きにと雨蛙” 柳井扶美代
(きょうひとひつつがなきにとあまがえる)
“かたつむりあじさいの上乗っている” 永松誠梧
(かたつむりあじあいのうえのっている)
“原発の廃炉は遠し蝸牛” 越智政弘
(げんぱつのはいろはとおしかたつむり)
福岡市動植物園がある南公園は、約28ha(ヤフオクドーム4個分!)もある、都会の中に残る貴重な「自然」です。この中にはいろいろな生き物がいます。まさに生物多様性の宝庫!アマガエルもカタツムリもたくさんいます。
私の子どもたちは身の回りに「自然」がないところで育ったので、アマガエルやカタツムリを身近で見たことがないんじゃないかと心配するんですが、弥永小学校の児童たちは生き生きと表現していますよね。通学途中などで見られるのかもしれません。生物多様性ができるだけ維持される環境を子どもたちに残してあげたいものです。
*今回展示している俳句の一覧です。
(園長 井上)
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