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1月, 2017の投稿を表示しています

ハイビスカスは一日花?(2019.1.27)

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冬は植物園でも開花している花が少ないのですが、温室ではハイビスカスやブーゲンビリア、ランなどがよく咲いています。 さて、「ハイビスカスは一日花」と一般的にいわれていますが、果たして本当なのか? 温室の栽培スタッフに聞くと、「数日咲いているような気がする」との答えが返ってきました。 そこで、開花している花に印をつけて検証してみました。 1月21日に四種類の花に印をつけました。その中で最も早く花が終わった品種が次の写真です。 1月24日にくたびれて、25日に萎みました。 次の花は24日、25日と開花は続き、26日に萎みました。 次の花は26日まで開花、27日に萎みました。 現段階で最も長かった花は下の品種で、27日に少しくたびれてきました。 今回調査したハイビスカスは、開花が最も短かったもので4日間、長かったのは7日間(27日を入れて)という結果になりました。 今回は冬季の調査でした。もう少し気温の高い季節だと結果が違うかもしれませんが、当植物園にあるハイビスカスでは、「ハイビスカスは1日花」という一般論は通用しないようです。 (緑の相談員 О)  

雪と植物園(2017.1.23)

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大寒を迎え,昨晩は福岡でも積雪が見られました。 今日は休園日で,来園するこはできませんので,雪化粧をした植物園を画像でお楽しみ下さい。           一晩で雪景色となっていました          グリッピも雪化粧です          ソシンロウバイの黄色と雪の白          ハナナも雪の帽子を被っていました 寒いとなかなか外へ出たくなくなるかと思いますが,雪と植物の風景はとても相性がいいので,是非とも福岡市植物園お越しください。 ただ,今日は天気がいいので,明日まで雪が残っているでしょうか。。                                                                            (植物展示係)

今日は「大寒」。「フキノトウ」ではなく「福寿草」の芽が・・・(2017.01.20)

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今日は二十四節気の「大寒(だいかん)」にあたり、一年のなかでもっとも寒い時期になります。 園内にも冷たい雨と強い風が吹いていて、今日は寒い一日になりそうです。 また、七十二候では「欸冬の華く(ふきのはなさく)」にあたり、凍てついた地面にもフキの花(フキノトウ)が咲きはじめるといわれます。 植物園内のフキは?といえば、たった今、野草園を見に行きましたが、残念ながらフキノトウの姿はまだ見られませんでした。 同じ野草園内で、ちょうど芽を出しはじめていたのが、名前に同じ「ふ」の付く「福寿草(フクジュソウ)」(写真)。 このつぼみ、平年並みであれば、あと10日くらいあとの1月末日頃、金色のつややかな花を開きはじめ、2月中旬頃に見ごろになってくれます。 寒さのなかにも草花たちは春にむけて着実に動きはじめているようです 。 こちらは、入口花壇のハナナ(寒咲き花菜)です。名前のとおり、寒さに負けず花数を増やしてきています。 (園長 上田)

サラセニアの植え替え(2019.1.18)

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少し遅くなりましたが、皆さん、あけましておめでとうございます。 今年初のブログをアップします。 植物園では、今年新たに大温室に食虫植物コーナーを設けました。 その食虫植物のうち、サラセニア( ヘイシソウ (瓶子草))については、冬に大切な植え替え作業があります。 サラセニアは北米の東部の湿地帯に自生している植物で、九州では野外で腰水管理で越冬します。 今は地上部の捕虫葉のほとんどが枯れて、お休み中です。 この時期に植え替えをしてやると、春から勢いのよい新芽が出てきます。 写真は植え替え前のサラセニアです。今の用土は砂っぽい土のようですが、今回はミズゴケで植え替えします。 鉢から出して、根を水洗いした状態です。 よく見ると株が分かれそうなので、ふたつにしてみました。 左は大株ですが、右はちょっと小さいようです。 小さいほうは、今年の開花は期待できそうにありませんが、株づくりをしたいと思います。 しっかり湿らせたミズゴケで根をくるみ、鉢の中に少し硬めに植え替えました。 一鉢のサラセニアが二鉢になりました。 このまま腰水して、植物園の入り口に飾ります。 春の芽吹きが楽しみです。 (緑の相談員 O)

葉見ず花見ず[ハミズハナミズ](2017.1.11)

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 木々が葉を落としたり草が枯れたりして緑が少ないこの時期ですが、針葉樹園の奥や郷土樹木園の木々の根元には、細長い葉の植物が青々と元気に繁っています。なんの葉でしょうか?  実は、この葉は秋のお彼岸のころに真っ赤な花を咲かせるヒガンバナの葉なんです。  このヒガンバナ、大変興味深い生活パターンをもっています。まず花の咲き方が独特です。  今まで何も見られなかった土手などで、ある日突然花のつぼみが顔を出したかと思ったら数日で茎を伸ばして真っ赤な花を咲かせます。  花の時期が過ぎると茎の足元からやっと葉が出てきます。   秋から冬、ほかの植物が枯れるころ葉を青々と繁らせてたっぷりと光合成をして地下の球根に養分を貯めこみます。それから春、ほかの植物が芽を出して大きく成長するころ、さっさと葉を枯らして休眠に入り秋の開花を待ちます。    つまりヒガンバナは「花の時期」~「葉の時期」~「休眠の時期」というパターンで1年間を過ごして、ほかの植物たちと競合しないユニークな生き方をしているんです。    そこでヒガンバナには「花がある時は葉がなく、葉がある時は花がない」ということで「葉見ず花見ず(ハミズハナミズ)」という別名が付いています。                            (解説員)

”枯芝に赤き花びらありにけり”俳句の展示を入れ替えました。

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〈ご応募いただいた俳句作品を展示している野草園休憩所〉 野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。 今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。 “枯芝に赤き花びらありにけり”波田てつお (かれしばにあかきはなびらありにけり) 今回、「枯芝(かれしば)」の季語を使った俳句が多く寄せられました。 冒頭の句の”赤き花びら”は、今の時期ならサザンカでしょうか。 きつね色の芝の上に落ちている赤い花びらが印象的な句です。 〈冬の芝生広場〉 植物園では、一月頃、中央の芝生広場がまさに「枯芝」広場になります。 ここに張られている芝は、日本の在来種である野芝(ノシバ)で、冬枯れする芝です。 〈現在の大花壇の様子/植えたばかりで花はまだ小さいですが・・・〉 一方で、植物園内には、「枯芝」とならないように管理している芝生もあります。 バラ園の横にある大花壇の芝生です。 花の寄せ植えの周りを囲むように、日本芝と洋芝を混植させ「エバーグリーン」の芝生を維持しています。 この緑鮮やかな芝生があることで、冬でも花の色がより一層鮮やかに映えます。 〈数年前の大花壇の様子〉 実は、この大花壇には、以前は芝生はありませんでした。以前は、花壇全てを色とりどりの花で植え尽くしていました。 ところが、毎年行われる管理予算の縮減、また縮減! 花苗代を減らすために、苦肉の策として周りを芝生にしてみたら・・・ 不思議なことに前よりも美しい花壇に! 均質な緑色の中に花の赤色のコントラストとそのバランスが、思いもかけずに良い効果を生み出したのでした。 コントラストが鮮やかさや美しさを引き出してくれるのは、花壇も俳句も同じようです。 〈園内ではソシンロウバイが満開で、すばらしい香りがしています〉 ただし、このエバーグリーンの芝生は、実はものすごく手入れが必要なんです。 「自宅にもこの緑の芝生をつくりたい!」とおっしゃる方、芝刈作業が年間20回以上になることだけはご承知を! *この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。 *今回展示している俳句の一覧です。  ( 園長 上田)

ハナナ咲き始めました(2017.1.5)

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ハナナ(Brassica rapa var. amplexicaulis) が咲き始めました。2月上旬が見ごろ予定です。  (運営係 S)

酉(とり)年にちなんだ植物―ゴクラクチョウカ(2017.1.2)

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 当園情報館1階では、毎年新春にその年の干支にちなんだ植物を紹介しています。  昨年平成28年申(さる)年はサルスベリやサルトリイバラなどを紹介しましたが、今年平成29年は酉(とり)年にちなんでゴクラクチョウカ【極楽鳥花】を取り上げています。  そこで、このブログでもゴクラクチョウカの話題をひとつ。 「極楽鳥」は「風鳥(フウチョウ)」という鳥の別名で、和名はこの鳥に似ている花ということで「極楽鳥花」と命名されています。この植物は南アフリカの原産で我が国には明治の初めに移入されています。  アカカザリフウチョウ【赤飾風鳥】 写真提供:福岡市動物園 花茎からほぼ直角に曲がって鳥のくちばしのように見えるのは苞(ほう:花の集まりを包む葉)で、苞の中から立ち上がって鳥のとさかのように見えるオレンジ色のものは外花被片(萼)で、内花被片(花弁)は青紫色をしています。 このゴクラクチョウカは温室入口部や大温室で見ることができます。 また近縁種のルリゴクラクチョウカ【瑠璃極楽鳥花】は、くちばし(苞)が黒紫色、とさか(萼)は白色です。生長すると高さ4~10mに達する大型種で、温室内水生・水辺植物室で見ることができます。 ルリゴクラクチョウカ【瑠璃極楽鳥花】 なお、いわゆる「極楽鳥」と呼ばれるアカカザリフウチョウはパプアニューギニアの国鳥である貴重種で、福岡市動物園では同国から贈られたオスを平成9年から飼育されていました。このオスは残念ながら平成22年に亡くなってしまいましたが、現在は動物科学館に剥製で展示されており往時の美しい姿を見ることができます。(ちなみに、メスはオスに比べると地味ですが、動物園パプアニューギニア館で生体を見ることができます) 動物科学館の剥製展示 酉年の新春に、干支にちなんだ植物とそのモデルになった鳥を合わせて福岡市植物園+動物園で観察してみてはいかがでしょうか。 (解説員)