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不思議植物 ヤドリギ発見!(2017.12.23)

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                  園内では木々の落葉が進んで一気に冬の景色になってきました。芝生広場のケヤキもほうきを 逆さまにしたような樹形がよく目立つようになっていますが、葉をすっかり落としたはずの枝になにやら緑色のものが見えます。  ケヤキが葉を茂らせている時には気付かなかったのですがヤドリギ【宿木】(ヤドリギ科)でした。葉は緑色をしているので光合成をして自分で栄養をつくりながら、根を侵入させて寄生した植物からも養分を吸収するという「半寄生」の植物です。  ヤドリギの果実には粘液質の部分があり種子が包まれています。鳥が果実を食べて、この粘液質に包まれた種子が排泄されると樹皮上の張り付いてそこで発芽する仕組みになっています。自分では動くことができない植物が身につけた優れた種子散布の技のひとつといえるでしょう。  園内では、鳥たちが種子を運んで広がったと思われる木々が他にもありました。  上はケヤキの洞(うろ)で育つアコウ【赤榕】、下はブロック壁で育つイヌビワ【犬枇杷】どちらも クワ科です。わずかなスキマの中でたくましく生きています。 ところで、葉が落ちた木の中で緑色が目立つヤドリギを古代ヨーロッパの人々は不思議な力を 持つものとして宗教的な行事に使っていたそうです。  イギリスでは、クリスマスの「ヤドリギ飾り」の下では女性にキスをすることが許されていたとか。  寒い日が続いていますが、芝生広場でちょっと不思議な植物「ヤドリギ」を探してみてください。すぐに見つかると思います。                                   (解説員)

さまざまな樹皮の表情(2017.12.14)

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園内では木々の落葉が進んで一気に冬の景色になってきました。落葉樹の葉がなくなって樹林 地の見通しが良くなると目立ってくるのが樹皮の模様です。今回はさまざまな表情を見せる樹皮をご紹介します。  まず最初にあげたのはカゴノキ【鹿子の木】(クスノキ科)、和名はまだらにはがれた樹皮が鹿の子模様に見えることからつけられています。  このように樹皮の特徴がそのまま和名になっている樹木を続けます。 上はサルスベリ【猿滑】(ミソハギ科)、ツルツルな樹皮からついています。下はバクチノキ【博打の木】(バラ科)、次々にはがれる樹皮を博打に負けて身ぐるみはがれた様子にたとえています。  次に街路樹など私たちの身近な場所に多く見かけられる樹木を並べていきます。名前を当てて みてください。  上からクスノキ【楠】(クスノキ科)、深い縦じま模様です。  ケヤキ【欅】(ケヤキ科)、成長に伴いうろこ状にはがれていきます。 オオシマザクラ【大島桜】(バラ科)、サクラ類は横じまが入るのが特徴です。皮目(ひもく)といっ  て空気の通り道です。  イチョウ【銀杏】(イチョウ科)、灰色で縦に荒く裂けます。  モミジバスズカケノキ【紅葉葉鈴懸の木】(スズカケノキ科)、いわゆるプラタナス、大きくはがれて  まだら模様になります。  ヒノキ【桧】(ヒノキ科)、縦に裂けて薄くはがれます。  ドングリのなる木(ブナ科)にも特徴的な樹皮が見られます。 上からアベマキ【棈】、クヌギ【椚】、カシワ【柏】です。いずれも不規則な縦の裂け目が特徴で、  特にアベマキは「あばたまき」の意味で厚いコルク層が発達してあばた状になることからつけられ ています。  棘があるタイプもあります。  上はハリギリ【針桐】(ウコギ科)、下はカラスザンショウ【烏山椒】(ミカン科)、です。チェックする時は棘に気をつけてください。  冬場に樹木を観察する場合、特に葉を落としてしまう落葉樹は樹皮の模様が大きな目印になります。寒い日が続きますが冬場ならではのさまざまな表情を見せてくれる樹木たちを探しに植物園にお越しください

 「!!!コート着てるし!!」(2017.12.12)

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 アレクサンドリア(モクレンとハクモクレンを交雑した園芸品種)の冬芽です。 春の開花に備え,暖かな芽鱗(がりん)に包まれています。  こちらはハクモクレンの冬芽。 この綿毛に包まれた芽鱗を脱ぎ捨てながら、 春に向けてつぼみをふくらませていきます。 開花時期はハクモクレン→アレクサンドリア→シモクレンの順番だとか。 アップ写真。 大きさは2~3センチほど。 毛並み?もつややかで、ほんとうに動物みたいです。 園のスタッフ作。 来年の干支である戌(いぬ)の耳にもなりそうですね。 寒い日が続いていますが,私は冬が大好きです。 凛とした空気の中で,生き物たちの息づかいを感じてみませんか? 12月植物PRポスター (植物展示係 佐藤)

謎のガーデントレイン! 実は動物が融合した列車だった!!(2017.12.12)

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謎のガーデントレイン運行をお知らせしていましたが! 12月9日(土)にその全容が明らかになりました。 なんと動物が融合した列車だったのです。 先頭車両はゾウの車体にチンパンジーの車掌,天井にはライオン! 黄色をメインとした明るい車両でした! 後ろにもライオンの親子が! 今年の運行予定もあと2回! 12月16日(土),17日(日) です! みなさまのご来園お待ちしてます。 おちばプールもまだまだやってますよ~ (運営係 藤田)

紅葉 黄葉 いろいろな形の葉(2017.12.6)

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 本格的な冬の訪れを前に、園内では赤色や黄色に色づいた葉が秋の終わりを告げています。これらの紅葉(黄葉)した樹木のなかで、特徴的な形の葉を紹介して今年の秋をふり返ります。  まず最初にあげたのは、大きく裂けた黄色が目立ったハリギリ【針桐】(ウコギ科)の葉です。入口すぐの水生植物園で見られます。幹や枝には鋭いトゲがあります。                       掌状に5~7裂する葉と長い葉柄が特徴で大きいものは30cmほどになります。                                              次はカシワ【柏】(ブナ科)です。端午の節句に食べる柏餅を包む葉でおなじみですね。花木園と芝生広場で見ることができます。波状の大きな鋸歯が特徴で,冬の間も枯れ葉が落ちずに残ります。                                              次はメグスリノキ【眼薬木】(カエデ科)です。樹皮を煎じて洗眼に用いられたのが和名の由来で、 紅葉樹園の中でも赤色がよく目立ちます。葉は3つの小葉からなり、裏面に毛があります。                                            同じく紅葉樹園で見られるモミジバスズカケノキ【紅葉葉鈴懸木】(スズカケノキ科)、いわゆるプラタナスです。世界の街路樹の代表的な樹種のひとつで、かつては福岡市内でも植えられていましたが近年少なくなりました。葉の形はやや掌状で中位から3裂以上に分かれます。                                            次は「モミジバ」つながりでモミジバフウ【紅葉葉楓】(マンサク科)です。和名に「楓」がついていま すがカエデ科ではありません。アメリカフウとも呼ばれて、福岡市内では街路樹に多く植えられてい ます。葉は星形の掌状に5~7裂します。温室入口両側に大木があります。                                             次はツタ【蔦】(ブドウ科)です。冬には落葉してしまうのでナツヅタとも呼ばれます。甲子園球場 の外壁で有名です。卵形の3つに浅く裂ける葉と長い葉柄が特徴で、温室入口の外壁を覆

“父母にそっと手をふる石蕗の花”俳句の展示入れ替えました。(2017.12.5)

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野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。 今回は、展示スペースに収まりきれないほど多数の作品をお寄せいただきました。 今回展示できなかった作品は、次回展示させていただく予定です。 展示した句の中から、いくつかご紹介します。 “父母にそっと手をふる石蕗の花” 百理 (ちちははにそっとてをふるつわのはな) “石蕗(ツワブキ)”は、キク科の多年草です。 ツヤのある丸い葉は一年中濃い緑を保ち、日陰にも耐えることから、最近では和洋を問わずさまざまな緑化空間に使われています。 その花は、11月頃に地面よりすっくと花茎を伸ばし、先端に数輪の黄色い花を咲かせます。 花びらは、一枚一枚がクッキリと際立ち、大きく指を広げたかのようです。 言われると確かに、腕を高く伸ばして“手をふっている”かのように見えてきます。 そして、“そっと手をふる”相手は、“父と母”。 明るい黄の花色とも相まって、ちょっとあったかい気持ちになりました。 “青黄赤木の葉色づき信号機” 富雄 (あおきあかこのはいろづきしんごうき) “青黄赤”? 信号機の色は「赤青黄」の順でふつう呼ぶのにな~、と思って気が付きました。 色の並びが紅葉の順番になっていることを。 ご存知の方も多いでしょうが、紅葉の仕組みは、まず葉の中のクロロフィル(青)が分解して、もともとあったカロテノイド(黄)の色が目立つようになり、その後、葉の中に残された糖でアントシアニン(赤)が合成されるというもの。 “青→黄→赤”の順で進んでいくのです。 今、園内のモミジは真っ赤な赤信号です。サザンカの赤も灯りはじめました。 園内を歩いていると、赤信号に足を止められて、なかなか前に進めないこの頃です。 *この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。 *今回展示している俳句の一覧です。 (園長 上田)