2019年1月14日月曜日

ちいさな大発見!? No.18(2019.1.14)

 野草園を廻っていると,地面から出てきている何やら気になるものを見つけました。
 それは,まるでウミガメの頭のような形をしており,大きいもので高さが10mm,直径が12mm程です。 それが,固そうな土の中からいくつも顔を出していました。(写真①)
写真①(1月10日撮影)

 通路側に回ってみると手前に銘板があり,それには次のように書かれていました。(写真②)
写真②
 「アッ,福寿草かぁ!」と思わず叫んでしましました。
 「フクジュソウ」は、春を呼ぶ縁起物の植物です。旧暦のお正月の頃に咲いていたので,別名を「ガンジツソウ 元日草」と言います。今年の旧正月は2月5日ですので,その頃に咲くのではないでしょうか。
 ちなみに,一昨年の記録では2月15日に次のような状態でした。(写真③)
 今年はもう少し,開花が早いかなぁと思っています。
写真③「フクジュソウ」

【解説員K】

2019年1月5日土曜日

ちいさな大発見!? No.17(2019.1.5)ヒヨドリジョウゴ

 植物園入り口脇にヘデラがスロープに沿って繁茂しています。
 その中にひときわ目を魅く真っ赤なサクランボのような実がぶら下がっていました。(写真①)
写真①

 早速調べてみると,ナス科のヒヨドリジョウゴです。漢字では「鵯上戸」と書きます。「鵯」は野鳥のヒヨドリを,「上戸」はお酒の好きな人。また、酒飲みを意味しています。
 つまり,熟した果実にヒヨドリが群がって食べる様子が、酒に酔った人たちが騒ぐ様子に似ているというのが名前の由来だそうです。どうやら,この実は,ヒヨドリの大好物ということらしいのですが,実際にはヒヨドリがこの実を食べている様子は、ほとんど観察されていないとのことです。
 じっくりと辺りを見ていると,まだ熟していない青い実も見つけました。(写真②)

写真②
 ところが,
 写真③④を見てください。これは植物園入り口脇にあるトイレの屋根の様子です。こんな場所でヒヨドリジョウゴがびっしりと実っていました。

写真③

写真④

 トイレの屋根に落ち葉が積り,そこにヒヨドリなどの野鳥の排泄物から芽吹いたものだと思います。ヒヨドリが食べたと限定はできませんが,少なくとも鳥はこの実を食べることが証明されたのではないでしょうか。しかも,枯れた蔓がたくさん見られますので,毎年,この場所で花が咲き,実ができていると思われます。

【解説員K】

2019年1月3日木曜日

“水仙の立ち去るときに匂ひけり” 俳句の展示入れ替えました。(2019.1.3)

 野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。
 その中からいくつかの作品をご紹介します。


 冬になり,植物園では落葉樹の葉がほとんど落ちてしまいました。
 園内の紅葉樹園もそうです。
 一方で,林床はニホンズイセンでびっしりと覆われて,見ごろを迎えています。


   “水仙の立ち去るときに匂ひけり” 松尾康乃
  (すいせんのたちさるときににおいけり)
 
 ヒガンバナ科のスイセン属は,地中海沿岸から北アフリカ原産で約30種あると言われています。
このうち日本で自生しているのはフサザキスイセンやニホンズイセンで,
古くペルシアからシルクロードを通って中国にもたらされ,
それが海流か人の手で日本へ渡ってきた,とされています。
 個人的には日本的な印象があるスイセンですが,紅葉が終わった紅葉樹園で,
スイセンが咲き誇る地中海を想像してみるのもいいかも。


 冬になり,落葉樹の葉が落ちてしまうと,天気の良い日には青い空から
太陽の光がさんさんと園内の隅々に差し込んできます。
 そんな中,静かな園内をのんびり散策するのも,春や秋と一味違って,
気持ちのいいもんです。

  “病ひとつたずさえ歩く枯木立” まめ
  (やまいひとつたずさえあるくかれこだち)


 冬になり,落葉樹の葉が落ちてしまうと,
これまで事務所から見えなかった園内の芝生広場の様子が分かるようになりました。

 写真の右奥に人が集まっているのが分かりますか?

 なんと「たき火」をしてるんです!
 植物園では,12月から2月までの日曜日と祝祭日に,イベントとして
「焚火の時間」を実施しています。

火事にならないよう,落ち葉をきれいに掃いて耐火レンガを敷き,バケツに水を準備し,
職員の管理のもとで,安全にやっています。もちろん消防局にも届けを出しています。



 園内の剪定枝を有効活用して,お客様に暖を取ってもらったり,
 福岡市都市緑化基金に寄付いただくと,
 焼き芋体験(1個100円から)や焼きマシュマロ体験(1個10円から)ができます。

冬の植物園にも,ぜひお越しください!




*今回展示している俳句の一覧です。






(園長 井上)

2019年1月2日水曜日

亥年にちなんだ植物(2019.1.2)



2019年の干支は亥(猪)。近年は農林業に深刻な被害を与えたり市街地に出没するなど、なにかとニュースになる場面が多い動物ですが、例年どおり干支にちなんだ植物を紹介します。(トップの写真は福岡市動物園のニホンイノシシ ブーちゃんです。)


 ヒユ科のイノコヅチ【猪子槌】です。本州、四国、九州の山野、路傍で普通に見られます。とげが衣服や動物に付着するいわゆる「ひっつき虫」の一種です。
 和名は、茎の節が膨らんで、猪子の膝のように見え、これを槌に見立ててこの名がついたそうです。


 その他、イノシシにちなんだ植物名としてはシシウド【猪独活】(セリ科)があります。
 冬場にイノシシが掘り返して食べることから名付けられたそうです。


 ところで干支は中国の神話時代からの習俗が起源で、元々十二支の「亥」は豚を表していたのですが、我が国に伝来した時にはまだ豚はいなかったので野生の猪を当てたということです。そのため、中国、台湾や韓国などでは2019年は「豚年」だそうです。
 ということで、おまけに「豚」にちなんだ植物を探してみました。









 「豚」といえば身近なものではブタナ【豚菜】やブタクサ【豚草】(どちらもキク科)などが思い浮かびますが、意外なのがシクラメンで和名はブタノマンジュウ【豚の饅頭】。
イタリアのシシリー島ではイノシシがシクラメンの球根を好んで食べるので「豚のパン」(英語でsow bread)と呼ばれていたことにちなんでつけられているそうです。


 新年1月2日からは、緑の情報館1階で干支にちなんだ植物や新春にふさわしい「千両」や「金の成る木」など縁起の良い植物を紹介する「新春植物展」を開催しています。
 2019年亥年新春にどうぞご覧ください。                           (解説員)