ヒスイカズラのタネ出現(2018.8.2)
今年3月から4月にかけて、回廊温室と大温室で神秘的な色の花を次々に咲かせて私たちを楽しませてくれたヒスイカズラ【翡翠蔓】(マメ科)。
フィリピン諸島のごく限られた地域にのみ自生するつる性植物で、自生地ではオオコウモリの仲間が花粉を媒介して受粉しているといわれています。わが国のオオコウモリがいない環境では交配は困難な訳ですが、当園の温室管理担当がコウモリ役(Batman!)になって人工授粉に挑戦したところ、3月末にみごと受粉・結実に成功しました。
この果実がぶら下がっている写真は5月20日に撮影したものです。各地の植物園でも人工授粉が行なわれており、その記録を拝見するとせっかく結実してもまもなく落果してしまうなど最終的な結実率はかなり低いようですが、当園ではこの1個が残りました。
資料によると成熟期間は120日とのことですが、7月31日に熟した果実が裂けて中からタネが飛び出しているのを温室担当が発見しました。
果実の中には大形のタネが4個入っていました。温室担当は、次は採取したタネの発芽に挑戦するとのこと、結果が楽しみです。 (解説員)
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