2018年8月25日土曜日

「赤と黒」~ 似たもの同士(2018.8.25)



 毎朝バス通勤をしています。最寄りのバス停は「小笹団地正門前」、降りた真ん前に「赤と黒」のツートンカラーが目についたので、携帯でパチリ。図鑑であらためて確認したら、ゴンズイ【権萃】(ミツバウツギ科)の果実でした。赤色は「肉紅色の袋果」、黒色は「薄い仮種皮に包まれた種子」で、この写真は果実が熟して果皮を裂開させ黒い種子を露出させている状態です。


この「赤と黒」の配色、似たものをどこかで見たことがあると思ったら温室にありました。



 回廊温室のオクナ・セルラタです。南アフリカ原産で、反り返った赤色部分が耳のように見えることから別名「ミッキーマウスの木」とも呼ばれています。


 ところで、この「赤と黒」は植物にとってどのような意味があるのでしょうか?
 植物は自分では動くことができないので、種子を遠くへ運ぶことができません。そのハンディをカバーするために様々な動くものを利用していますが、その方法のひとつが鳥に果実を食べさせて種子を運んでもらうこと。そのため、鳥たちに目立つよう色でアピールしていますが、赤と黒のツートンカラーは「二色効果」といって、鳥を引き寄せる効果が倍増するとのことです。
 ちなみに、オクナ・セルラタの赤色部分は萼(がく)、ゴンズイは袋果ですので色彩的には似たもの同士でも、構造的には別ものです。




この「二色効果」については、果実が熟して黒く変化する時期になると果柄が赤く色づくクマノミズキ【熊野水木】(ミズキ科)も、対照的な配色で目立たせる事例としてあげられています。(注:今年は猛暑のせいか果柄の色づきは例年より薄いようですが・・・)


 果実と果柄の関係では、ヨウシュヤマゴボウ【洋種山牛蒡】(ヤマゴボウ科)も身近な例ですね。

 また果実を一斉に成熟させるのではなく、一部は順次、赤色→黒色と変化し、赤色の中で成熟した黒色がより目立つようにしている時間差の「二色効果」の事例としてサクラ類、クワ類などがあげられていますが、園内ではサンゴジュ【珊瑚樹】(スイカズラ科)が今まさにその効果を発揮している最中といえるでしょう。


 さまざまな方法で対照的な色合いを出して、自分の果実の存在をアピールしている植物たちに拍手です。                              (解説員)

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