ちいさな大発見No.104(2020.10.3)秋の風物詩!?
園内を歩いていると,どこからともなくキンモクセイ(金木犀)の甘い香りが漂ってきます。そして,やや黄色がかったウスギモクセイ(薄黄木犀)もキンモクセイほどではありませんが,上品な香りを放っています。
2つの植物はモクセイ科モクセイ属ですが,モクセイ(木犀)というと,普通,ギンモクセイ(銀木犀)を指します。日本では圧倒的にキンモクセイが有名ですが,キンモクセイは基本種であるギンモクセイの変種だそうです。本園にも庭木園に2本のギンモクセイがありますが,日照不足のためか,まだ花は咲いていません。
モクセイの仲間は基本,雌雄異株ですが,中国から入ってきたときに雄木のみが導入されたため,日本では実をつけることはありません。しかし,最近になって中国より種子が輸入され,その実生が育ってきているとのことです。そのうち,キンモクセイの実を見ることができるかもしれません。
一方,ウスギモクセイは雄株,雌株共に導入されたため,晩秋には結実します。ちなみに植物園にある3株のウスギモクセイはすべて雌株のようです。
理由は真ん中に雌しべの柱頭があり,その両脇に2個のおしべが見られる両性花が確認できたからです。
他にもギンモクセイとヒイラギが交雑してできたヒイラギモクセイがあります。花色はもちろん白ですが、ヒイラギの系統を受け継ぎ、葉にギザギザの鋸歯が見られます。
バラ園のバラも少しづつ開花が始まっています。
是非,植物園に足を運んでください。 【解説員K】
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