“薔薇に触れ銀の雫となりし雨”俳句の展示入れ替えました。(2017.05.12)


野草園の休憩所内に展示している俳句作品を入れ替えました。
今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。
今朝の’オードリー・ヘップバーン’

“薔薇に触れ銀の雫となりし雨” 松尾康乃
(ばらにふれぎんのしずくとなりしあめ)

今年の園内のバラ園の開花は、やや遅めでした。
この数日間が、一年でバラ園が最も輝く時期になりそうです。
しかし、残念ながら今日はあいにくの雨。
お客様の姿もまばらです。


句でも、雨に濡れるバラの姿が詠まれています。
「花の女王」とも称されるバラ。
その絶対的な美しさは、花びらに付く雨しずくさえも、輝く“銀の雫”に変えてしまうようです。




まうサクラしめるネクタイ覚悟見ゆ 白根
(まうサクラしめるネクタイかくごみゆ)

今年のソメイヨシノの開花は、バラと同じく遅いものでした。
植物園のソメイヨシノも、2015年の開花が3月21日、2016年が3月20日だったのが、今年は3月29日と、いつもよりも1週間以上遅い開花でした。
そのおかげ()で、久しぶりにサクラの花びらの中を歩く新一年生の姿を見ることができたのは、うれしいことでした。



句に詠まれているのも、桜吹雪となって、自由に舞うサクラの花。
その下を足早に歩くのは、新しいネクタイを締めやや緊張した面持ちの新社会人でしょうか。
どちらも「春」を象徴する風物。
二つのコントラストが楽しい句です。

*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。

*今回展示している俳句の一覧です。



(園長 上田)


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