ちいさな大発見!? No.38(2019.5.23)  ノアザミの仲間?

 写真①をご覧ください。今、野草園東で咲いているキク科アザミ属の「ノアザミ」です。今の時期、道路脇や空き地などで普通に見ることができます。よく「アザミ」と言いますが、広義の意味で使っているわけで、実際は、「アザミ」の花は存在しません。
 
写真①「ノアザミ」

 世界中には250種類くらいのアザミの仲間が存在し、そのうち日本には100種類ほどが自生しているそうです。
 ところで、属は異なりますが、チョウセンアザミ属の「カルドン」を紹介します。針葉樹花壇や芝生広場の市民花壇にも植えられています。株全体が2M近くになり、シルバーリーフがとてもきれいで、抜群の存在感があります。(写真②)
写真②葉の切れ込みが大きい「カルドン」

 葉は切れ込みが深く、触ると痛いです。蕾を覆っているガクが棘状に尖っています。(写真③)
写真③「カルドン」の蕾

 もう一つ、同属の「アーティチョーク」を紹介します。ハーブ園や野草園東でみることができます。葉の形状や蕾の形が「カルドン」によく似ていますが、こちらには刺がありません。カルドンと同じ地中海沿岸が原産の大型植物です。(写真④⑤)

写真④「アーティチョーク」の蕾
写真⑤「アーティチョーク」の色違い

 写真③④⑤共に、まだ紫の花は咲いていませんが、開花すると「ノアザミ」の仲間だと納得いただけると思います。
 これらの栽培の歴史は古く、野生のアザミから古代ギリシャ・ローマ時代以降に、品種改良が進んで今日の姿となったそうです。中には野生のアザミから「カルドン」に、さらに改良して「アーティチョーク」になったという説もあるようです。
 両者は同属の近縁種にあたり、どちらも食用になりますが、特にアーティチョークはヨーロッパやアメリカではお馴染みの野菜で、食用にされています。
 アーティチョークの和名は「チョウセンアザミ」と言いますが、外国から渡来したアザミに似た植物という意味合いで、隣国の朝鮮とは何の関係もありません。
 植物園にお出での際は、是非、見てください。
【解説員K】

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