葉の上に実がついた!(2019.7.4)



 葉の上に実!?
 4月25日のブログに「葉の上に花?」というタイトルで珍しい花として紹介されたハナイカダ【花筏】(ミズキ科)。その後、実が成長して黒く熟してきました。復習ですが、この形態は葉の上にいきなり花が咲いて実をつけるのではなく、花の軸が葉の主脈と合着しているため葉の上に花が咲いたり実をつけるように見えるのです。


 熟した実を見ると、この姿を筏を操る船頭に例えて名前をつけた先人のネーミングのセンスにあらためて感心します。


 この時期、葉の上に実をつける種類をもう一つ見ることができます。


 葉の上に赤い実をつけているナギイカダ【梛筏】(ユリ科)です。針葉樹園の中で観察できます。
  この植物も葉の上に実がついているように見えますが、葉のように見えるのは「葉状枝」と呼ばれる茎が平たく変形した偽葉です。ちなみに、偽物ですが葉の代わりにきちんと光合成を行うそうです。この花も、まるで葉の上にいきなり咲くように見えます。

 花は3月ごろ咲きます。小さい花ですがよく見ると内花被と外花被がそれぞれ3枚ずつあってきちんとユリ科の咲き方になっています。
 和名はこの偽葉がナギの葉に似ており、花や実はハナイカダのようにつくことから名付けられています。
 なお、この偽葉の先端は針状になっています。よく見ようとしてうかつに触るとチクリと痛いのでご注意ください。                                          (解説員)

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