「サンジカ」ってなに?(2020.8.23)
西インド諸島の原産で、我が国には明治年間の初期に花卉として導入されましたが、逸出して野生化したものが現在では各地で見られます。標準和名のハゼランは、濃紫色のつぼみから5弁の花が、まるで爆(は)ぜるように咲くことから付けられており、パチパチと咲くイメージから、またの名をハナビグサ【花火草】とも呼ばれています。(なんと別名が多いこと!)
当園では野草園の一画に毎年咲いていますが、別名のとおり午後3時頃に開花するかどうか、あらためて確認してみました。場所は小笹団地バス停の近くです。
午前中の写真です。丸いつぼみだけが目立ちます。
その日の夕方の写真です。名前のとおり爆ぜるように、紫色の花を午後3時過ぎに咲かせていました。
また、ハゼランと同じように夏の夕方になると開花するオシロイバナ【白粉花】(オシロイバナ科)の英名は、午後4時という意味のフォー・オクロック(4 o'clock)。これも開花の時間から名付けられています。バス停の近くにいっぱい咲いていたので、あわせて写真を撮ってきました。
![]() |
午前中 |
夕方 |
一方、ハゼランの花は3時頃に咲いては2~3時間後の夕暮れには閉じて、また翌日の3時頃に咲くことを繰り返しています。短い開花時間で、見たところ花も小さいので、花粉を運んでもらうべき昆虫たちにはあまりアピール度がないようにも感じられます。植物にとって花を咲かせることは、大きなエネルギーが必要と考えられますが、ハゼランはそれを夕方の短い時間に何日も繰り返していることになります。あまり効率の良い花の咲かせ方ではないように思うのですが、それでも近年、市街地でしっかりと増えているのは、それがハゼランが長い年月で身に付けた生き残り手段だからなのでしょうか。 (解説員)
コメント
コメントを投稿