ちいさな大発見!? No.53(2019.10.12)ミコシグサ発見!?
野草園西と水生植物園などで今,5弁花のピンクの花を見ることができます。
フウロソウ科のゲンノショウコ(現の証拠)です。
写真① ゲンノショウコ
ドクダミやセンブリと並び,日本古来の3大民間薬に挙げられるゲンノショウコです。乾燥した葉を煎じて飲むと,すぐに効き目が現れることから「現に良く効く証」という意味で名前が付けられたそうです。
下痢止めに用いる場合には煎液の温かいもの、便秘に用いる場合には冷ましたものを飲むとよいと言われています。また,副作用がないことから,医者いらずとも。
さて,写真①の右上をご覧ください。花弁が落ち,5裂しためしべの柱頭が見えています。その雌しべの柱頭が長く伸びたのが次の写真②です。
写真② 根元が少し膨らんでいます!
この長く伸びた鞘(さや)の中に種はできず,柱頭の根元に5つの種ができます。(写真③)
写真③ 鞘全体が黒くなり,種ができている!
そして,種が熟すと鞘が下側から縦に5つに割れ、鞘がクルクルと勢いよく巻き上がるはずみで、種子を1つずつはじき飛ばすのです。
種を弾き飛ばした後の姿を御輿の屋根に見立てて,ミコシグサ(御輿草)の別名が付きました。写真④
実は昨日,やっと見つけました。本園では3ヶ所でこのゲンノショウコを見ることができますが,おそらくミコシグサの誕生第1号(?)だと思いますよ。
写真④ まだ,全部の種を飛ばしていないようです!
ちなみに,福岡で見慣れているゲンノショウコはピンクですが,東日本には白花が多いそうです。私は白花を見たことがありません。
両者を区別するために,ピンク種を「ベニバナゲンノショウコ」と呼ぶことがあるそうですよ。
【解説員K】
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