ちいさな大発見!? No.63(2020.1.28)1株で2度おいしい?

 今,花木園Bを中心に,ツバキの開花が進んでいます。一口にツバキと言っても,花の大小,一重や八重の花形,絞りや覆輪などの花色等,千差万別です。
 ところで,次の写真を見てください。
1本の枝に2つの花が…?

 実は1本の木から異なった花色のツバキが咲いていました。名前はツバキ田主丸,別名を吹上絞と言います。久留米地方に古くからある大輪の古典品種です。
 下の写真がそのアップです。
白地に淡い紅色の小さめの縦絞り!

 しかし,こちらは単色の紅色です。色は違いますが,花の形は同じです。
これも田主丸!

 他にもないかと探してみると,野草園西でも見つけました。
 ツバキ和歌の浦です!
八重咲きでピンク地に紅の小絞り
 こちらはピンクの単色

 写真はありませんが,ツバキ秋の山は3種類の花を付けていました。

 このような咲き方は「枝変わり」と言われています。
 「枝変わり」は、茎や枝の生長点の細胞に遺伝子の突然変異が起こり、樹木などの一部が変異することで,白い花の木に赤い花が、一重の花を咲かせる木に八重の花が、緑の葉の木に斑入りの葉が現れたりするのが、その例だそうです。
 ですから,このような枝を挿し木すれば、新しい品種が生まれる可能性があるとのことです。
 そこで,見つけましたよ。ツバキ大虹です。
花径12~13cmほどの極大輪で八重咲き

 ツバキ大虹は紅い花弁に白い斑が入る変異を起こしたもので,何と,日本最大品種の1つであるツバキ明石潟の枝変わり種だそうです。
 これがツバキ明石潟,まだ平開前です!

 一般に枝変わりの場合,親より劣ったものになるケースが多いようですが,稀に親より優れたものや新品種として残しておく価値のあるものが出現することもあるそうで,それがツバキ大虹ですね。
 是非,ツバキ園へも足を運んでください。
【解説員K】

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