花緑の園「日日のまなざし」No.004 植物園に謎の白い物体現わる?(2022.9.23)#2【食す編】

 さて、残暑の雨上がりのある日、植物園に突如として現れた謎の白い物体「オニフスベ」。

No.004「植物園に謎の白い物体現わる?#1【採取編】」では、食用として食べられるオニフスベについてお話しました。

【食す編】では、採取した「オニフスベ」を早速調理して、食べてみましょう!


4.さあ、オニフスベを食べてみよう!

今回、オニフスベで作るメニューはこちら↓↓↓

<オニフスベ メニュー>

 ①オニフスベのガーリックバター焼き

 ②オニフスベの味噌焼き

 ③オニフスベのマリネ


では、オニフスベのガーリックバター焼きから作ってみましょう。

①オニフスベのガーリックバター焼き
◆材料 
  オニフスベのスライス :6~7片(約35g)
  オリーブオイル    :適量
  ニンニクのみじん切り :1片
  バター        :1片(10g程度)



(1)フライパンにオリーブオイルとニンニクのみじん切りを入れる。
 火にかけて少し香りが立ってきたら、オニフスベのスライスを入れる。

(2)オニフスベの片面に焼き色がついたら、ひっくり返して、バターを入れる。
    バターが溶けてきたら、ソテーする。


で、できたモノがコレ↑

フライパン投入時は、1片15cmくらいあったオニフスベのスライスもフライパンでソテーしたら、半分ほどの大きさに縮んでしまった。
どうも、焼いたときにオリーブオイルをかなり吸ってしまったらしく、少し油っぽい。
おそらく、オニフスベを油で焼くと、油を吸って小さくなってしまうのではないと思われる。
焼く前に小麦粉か片栗粉をまぶしてから、焼けばよかったかなあと、ちょっと後悔。

 ●味と食感
  試食してもらった某職員曰く「食べると柔らかいけど少し弾力のある食感,まるではんぺんのよう」ですと。ガーリックバターとの相性は悪くはなさそう。
文献1)通り、おでんのはんぺんのような食感で、味は、やっぱりマッシュルームに似た香りと味がする。

 ●おすすめ度:★★(調理改善の余地有)

 ※【凡例】★★★:美味しい
       ★★:まあまあ美味しい
        ★:食べられる


とりあえず1品できたところで、次はオニフスベの味噌焼きに挑戦!

②オニフスベの味噌焼き

◆材料
  オニフスベのスライス:4片(約20g)
 *味噌        :大さじ1
 *砂糖        :大さじ1と1/2
 *酒         :大さじ1
 *みりん       :大さじ1
 *すりごま(白)   :大さじ1/2

(1)調味料(*印)を混ぜ合わせ、ごま味噌を作っておく
(2)下処理でスライスしたオニフスベは1枚が大きすぎるので、半分にカット
(3)トースターにアルミホイルを敷き、(1)のごま味噌をオニフスベの上に乗せて、
  まずは200Wで4~5分ほど焼いてみる。



(4)様子を見ながら、味噌が沸々してきて、表面に少し焦げ目がつく程度になるまで焼く。



 と、こんな感じ。
 ちょっと焼きすぎたかしら?

 食べてみたら、ちょっとごま味噌をつけすぎたみたい。オニフスベの味よりも味噌の味の方が勝ってしまっている。それに、やっぱり焼きすぎたようで、表面が硬くなってしまった。ごま味噌をつけすぎると、オニフスベの味がしないので、ごま味噌は表面に薄くつけるくらいがいいみたい。また、焼きすぎると、ふわっとした食感がなくなるので、焼きすぎない方が良さそう。

 ●味と食感:食感は、ソテーしたときほどの弾力感はなく、軽い感じ。オニフスベの素材の味(マッシュルーム似た味)がして、食べやすかった。
       
 ●おすすめ度:★★★

  ※【凡例】★★★:美味しい
       ★★:まあまあ美味しい
        ★:食べられる


では最後に、オニフスベのマリネを作ってみましょう!

③オニフスベのマリネ

◆材料
  オニフスベ     :スライス2片(約10g)
  (ミックスビーンズ :1袋)
 *オリーブオイル   :30CC
 *お酢(リンゴ酢)  :45CC
 *ニンニクのみじん切り:1片
 *砂糖        :小さじ1
 *塩         :少々 

 ●煮沸消毒した瓶   :1瓶(220g)
 
 (1)調味料(*印)をよく混ぜ合わせ、マリネ液を作る
 (2) オニフスベのスライスを細かく手でちぎる(2~3cmくらい)
 *包丁で切ると、ボロボロと崩れてしまうので、手でちぎるの方がいいみたい

   

 (3)(1)のマリネ液と(2)のオニフスベ、ミックスビーンズを一旦混ぜ合わせて、マリネ液ごと瓶に入れ、冷蔵庫で1晩寝かせる。オニフスベは、水分や油分を含むと全体が縮んでしまうようで、気持ち大きめにちぎったのに、混ぜ合わせた時点で、結構小さくなってしまった。



 今回、ピクルスも考えましたが、油と相性が良さそうだったので、マリネ液に漬け込むことに。これは、みごとに正解でした!
やっぱり油と相性がよいので、うまく調理すると美味しい。
また、オニフスベの味がマリネにしたらどうなるかわからなかったので、あえてハーブ系は入れませんでしたが、ローズマリーを入れても合いそうです。


 ●味と食感:少しキノコの風味するも、食感はモッツアレラチーズっぽくて、ミックスビーンズとの相性もバッチリ、ビールのお供に最適です。
今回、10人の職員の方に試食してもらいましたが、一番人気でした。
       
 ●おすすめ度:★★★

 ※【凡例】★★★:美味しい
       ★★:まあまあ美味しい
        ★:食べられる

いかがでしたか?
自然界には、さまざまな生き物がいますが、キノコなどの菌類は、枯れた植物を分解する分解者として、木の成長を助ける共生者として生態系を維持するのに重要な役割と果たしています。
食すというテーマから、菌類についても興味を持っていただけると幸いです。

最後に…
これから、味覚の秋、キノコの季節となりますが、キノコは同定が難しいものも多いため、誤って毒キノコを手に取ったり、口にしてしまうとかぶれたり、下痢、嘔吐するなど、大変なことになります。
今回は、ちゃんと「オニフスベ」だと同定ができており、また、きちんと食べれるキノコだとわかった上で、調理しました。
くれぐれもキノコを見つけたからといって、すぐに採取したりせず、何のキノコなのか、しっかりと確認し、見極めた上で、採取してくださいね。


                                   【解説員Fu】

                                
◆参考・引用文献
1)山渓カラー名鑑「日本のきのこ」 2019年山と渓谷社
2)ウィキペディア「オニフスベ」:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%B9%E7%9A%AE



 (*1):福岡市植物園では、学名表記を小学館の園芸植物大辞典に準拠して、
旧植物分類体系の新エングラー体系で表示してします。
APG体系でのズレがあるかと思います。ご容赦ください。


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