俳句の展示を入れ替えました。(2016.08.10)
野草園の休憩所内に展示している俳句を入れ替えました。
今回展示した句の中から、いくつかご紹介します。
今年も、松尾康乃先生が俳句をご指導された弥永小学校のご協力のもとに、弥永小学校六年生の作品45点を展示しています。(1枚目の写真)
“ごうかいにキュウリを食べる六年生” 出納 大雅
そうですね、歯って小学校高学年でやっと生えそろうのですね。
キュウリ一本を丸ままにかぶりつく豪快さ! 歯がそろわない小学校一・二年生の頃は、こうはいきません。
“ごうかいにキュウリを食べる”の後の“六年生”!の語句が、最上級生の自信を感じさせます。
“梅雨空にはえる傘たちにじのよう” 瀬戸 袈暖
雨の日に学校の上の階の教室から眺めていると、下校する子どもたちの色とりどりの傘が、次々と校舎から飛び出してくる。それはまるで七色の虹が八方に広がっていくかのようです。
鬱とした梅雨空を弾きとばすような晴れやかさを感じます。
(写真は弥永小学校六年生の作品)
引き続き六年生の作品から、“夏休み”を主題にした句から三句。
“夏休みふいてもふいても汗が出る” 江口 李菜
“なつやすみあつくて外にでられない” かざま たかし
“夏休み宿題多いいやな夏” 栗林 龍我
最近の夏休みは、「暑さ」、「宿題」などで子どもたちも大変なようです。特に日中の「暑さ」には注意が必要です。
最近の夏休みは、「暑さ」、「宿題」などで子どもたちも大変なようです。特に日中の「暑さ」には注意が必要です。
そんな暑い夏休みの毎土曜日、動植物園では「夜の動植物園」として夜の9時まで開園しています。昼の暑さを避け、涼しくなった夕方頃からたくさんのお客様が来園されます。
特に、今年の「夜の植物園」は新しい企画が盛りだくさんです。色んなことを体験できる夏休み、「夜の動植物園」でおもしろい発見ができるかもしれませんよ?
次に、「俳句作品ポスト」に投函いただいた大人の方の句をご紹介します。
“萱草の色に灼きつく想いかな” 西村 えい子
(かんぞうのいろにやきつくおもいかな)
“忘却の色には遠し忘れ草” 田中 ふみ
(ぼうきゃくのいろにはとおしわすげぐさ)
(かんぞうのいろにやきつくおもいかな)
“忘却の色には遠し忘れ草” 田中 ふみ
(ぼうきゃくのいろにはとおしわすげぐさ)
“萱草の花日を浴びて日の色に” 柳井 扶美代
(かんぞうのはなひをあびてひのいろに)
“日の光より萱草の花眩し” 西崎 邦子
(ひのひかりよりかんぞうのはなまぶし)
“日の光より萱草の花眩し” 西崎 邦子
(ひのひかりよりかんぞうのはなまぶし)
(写真は、園内で開花中のアキノワスレグサ)
“萱草(カンゾウ)”=“忘れ草(ワスレグサ)”とは、一般的にワスレグサ属(ヘメロカリス属)の総称として使われます。ユリに似た6弁花多年草で、日本に自生する種は、夏の頃に橙黄色や橙赤色の鮮やかな色の花を咲かせます。
“忘れ草(ワスレグサ)”の名は、中国名の「忘憂草(憂いを忘れる草)」に由来しているそうです。「心の中の憂いを忘れさせてくれるほど美しい花」ということでしょうか。由来の背景には詳しい故事があるのかもしれませんが、おもしろい名前を付けるものだと感心します。
句の作者の方々も、鮮やかな花色について詠まれていますが、カンゾウ(ワスレグサ)の花の鮮やかなオレンジ色は灼熱の太陽を連想させ、まさに夏を代表する花と言えます。
(写真は俳句を展示している野草園休憩所)
*この展示は、植物園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃主宰のご協力のもとに展示しており、約1か月おきに入れ替えを行っています。
*展示場所はこちらです。 →野草園休憩所位置図
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