毎日の巡回中に出会う、ひっつき虫の紹介です。(2016.12.22)


   今の時期、園路沿いの樹林の中に入ると、小さな笹の葉みたいな植物の茂みから一直線に空へ向かって種がびっしり付いた穂が、広範囲にわたって出現します。

これは“チヂミザサ”という植物で、日本全国、地中海沿岸から中央アジア・インド北部・極東に広く分布するイネ科の一年草です。やや湿った林縁や明るい林内に生育してます。
 

 


“ササ“という名称がついていますが、ササの仲間ではなく、葉の縁がササの葉みたいに波打っているところから名づけられたそうです。
 
 
 
結実後にうっかり茂みの中に入るものなら、気付くと作業服のあちらこちらに「ひっつき虫(種)」が付着して、きれいに取るのにひと苦労することになります。
 


種子には芒(のぎ)と呼ばれる長い刺があり、芒の刺部分には粘液が付いており、動物や人など通るものならなんでも付着する性質があります。いわゆる「ひっつき虫」ですが、かぎ針や逆さ刺ではなく粘液で付くタイプです。このタイプは、ひっつき虫の中では少数派だと思います。

 




   これは“メリケントキンソウ”という幼苗です。種には、ゴム靴も突き刺さるほどの強い刺が形成されます。春にかけて成長しますので、種が形成される前に除草するのがいいのですが、なにぶん広範囲に分布しているため、駆除するのに大変苦労しています。


植物園では、1月2日先着200名様に花鉢のプレゼントや6日には恒例の七草粥試食会を行います。

 これから冬本番をむかえ、モノトーンの色が似合う植物園になりますが、よく見るとあちらこちらに春の便りが見られると思いますので、春を先取りしに、ぜひ当園へのお越しをお待ちしています。


(植物展示係)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

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