ちいさな大発見!? No.49(2019.8.20)誰です,こんな名前をつけたのは?

 猛暑の中,ひときわ元気なつる性の植物が目に留まりました。
 写真①をご覧ください。名前がわかりますか?
 写真① 開花前,つぼみの状態!

 ご覧の通り,つぼみの状態だとよくわからないかもしれません。それでは,写真②をご覧ください。 
写真② 花弁の先がフリンジ咲?

 もうわかりましたね。アカネ科のヘクソカズラ(屁糞蔓),別名を「ヤイトバナ(灸花)」,「サオトメバナ(早乙女花)」と言います。
 しかし,こんなにかわいい花なのにヘクソカズラとは・・・ひどい名前が付けられたものです。実は,奈良時代末期から平安時代ぐらいまでは「クソカズラ」と呼ばれており,現に万葉集にも登場しています。

 「ざうけふに 這いおおどれる屎葛 絶ゆることなく宮仕えせむ」  高宮王(たかみやのおおきみ)

 現在のヘクソカズラになったのは江戸期になってからと言われ,さらに強烈な名前になりました。ちなみに,英名はSkunk vine,「スカンクの蔓」と言い,スカンクが発する臭いと同じ成分だとか。世界中でくさい植物と思われているようです。

 ところで,筒状の花をじっくりと見ているとあることに気が付きました。写真③から⑦を見てください。
写真③ 中心部が丸い! 
写真④ 中心部が5角形! 
写真⑤ 5角形の変形、先が尖っている! 
 写真⑥ 中心部が星形!
写真⑦中心部が四角形!

 花は基本,合弁花で5裂し,中心部は赤紫色です。ところが,その赤紫色をしている部分が丸形や四角形,5角形,星形など多様な形をしているのです。写真②の右上の花は6角形をしています。
 さらに,写真⑦は花弁が5裂ではなく4裂しています。いろいろと調べてみると,ヘクソカズラは変種が出やすいのだそうです。

 さて,これらの写真はすべて同じ時期に撮っているのですが,蕾から実まで見ることができます。
写真⑧ 花と実が同居している!

 特に見るだけなら匂いも発しません。そもそも匂いを発するのは,食害する虫などの外敵を追っ払うための自己防衛なのです。もちろん人間もしかり。
 みなさんも,じっくりと観察してみませんか。新しい発見があるかもしれませんよ。

【解説員K】

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