七夕イベントのご報告(2019.8.15) リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ - 8月 15, 2019 植物園では,7月2日から7日まで,七夕イベントとして,笹にかける短冊を募集しました。 普通の短冊に加えて,文字が書ける不思議な葉っぱ「タラヨウ(多羅葉)」を短冊として用意しました。 期間中は雨に見舞われたものの,7月6日(土),7日(日)と晴れ間がのぞいたこともあり,入口広場の笹には,願いの込められたたくさんの短冊を飾っていただくことができました。 タラヨウの葉に書いていただいた短冊は300枚近くにのぼりましたが、数日置いてもまだ写真の通り,皆さんの願いごとがしっかりと文字として残っていました。 写真:タラヨウの短冊 タラヨウがハガキの語源になったともいわれる所以がわかりますね。 イベント終了後,短冊は全てコヨリを外し,たい肥にして花壇の土にすきこみました。 今,園内ではみなさんの願いが植物の栄養となり,きれいな花を咲かせています。 皆様の願いが叶いますように! リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ コメント
秋でもないのに・・春の紅葉(2020.4.4) - 4月 04, 2020 サクラをはじめ花が次々に咲いてまさに春爛漫の園内ですが、庭木園の一角ではモミジが紅葉しています。普通紅葉といえば秋なのでちょっと不思議な光景です。 実は、このモミジはイロハモミジの一つ「静崖(せいがい)」という品種で、鮮やかな紅色の若葉が特徴です。この若葉は、生長につれて徐々に緑色に変わっていきます。そして、秋になったら他のモミジ類と同じように紅葉するので、1年で2回紅葉が楽しめます。 庭木園には他にも鮮やかな若葉が楽しめるイロハモミジがあり、こちらはやや紅色が濃い「出猩々(でしょうじょう)」という品種です。古来より、モミジの中でも特に若葉の紅色が美しい種類を「春もみじ」と呼んでいます。 ところで、秋の紅葉はアントシアニンという赤い色の色素が葉の中に蓄積されることによって色が変化します。「春もみじ」も秋と同じくアントシアニンによって紅葉しますが、この時期のアントシアニンの役割としては、若くてまだ柔らかい組織を強い紫外線から防いでいるという説があります。葉が生長するにつれて紫外線を防ぐアントシアニンが不要になって、緑色に変わっていきます。 「春もみじ」と同じように、若葉が紅色で後に緑色に変わるものとしてチャンチン【香椿】(センダン科)もあります。福岡市内では街路樹にも使われているのでご存知の方もおられると思いますが、当園では「香りの道」で見ることができます。 また皆さんの身近なところでは、住宅の生け垣に植えられているベニカナメモチ(園芸品種名レッドロビン)(バラ科)の紅色が、この時期よく目につくと思います。 このような春の紅葉ですが、葉が生長していくにつれて刻々と普通の緑色に変わっていきます。春先の限られた間に見られる、木々たちの若葉を守るための工夫をどうぞお見逃しなく! (解説員) 続きを読む
「卯の花」ってどんな花?(2017.5.31) - 5月 31, 2017 先日、公民館活動でコーラスをやっていらっしゃるという女性が植物園にみえられました。 最近皆さんで唱歌の「夏は来ぬ」を歌っているのだけれども、歌詞にでてくる「卯の花」を残念ながらだれも知らなかったので、代表して調べにきましたとのこと。 「夏は来ぬ」 ♪~ 卯の花の匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)早も来鳴きて 忍び音(しのびね)もらす 夏は来ぬ 佐々木信綱作詞、小山作之助作曲の、明治時代につくられた季節感あふれる名曲ですね。 郷土樹木園の園路沿いに咲いているので、早速ご案内して清楚な白い花を見てもらいました。 標準和名はウツギ、ユキノシタ科の落葉低木で北海道~九州、奄美大島の山野に自生しています。和名のウツギは「空木」の意味で幹が中空であることに由来しています。 卯月(旧暦の4月、今年は4月26日~5月25日が旧暦4月)頃に咲くので「卯の花」とも呼ばれています。また園内には八重咲きの変種であるサラサウツギも咲いています。 昨日の朝、「小笹団地正門前」バス停から植物園まで歩いていたらホトトギスの特徴的な「トッキョキョカキョク」という鳴き声も聞こえてきました。初夏の植物園で季節感を味わってください。 (解説員) 続きを読む
幹に果実がつく不思議植物(2021.5.28) - 5月 28, 2021 大温室に、幹に直接果実がつく不思議植物が生長しています。南アメリカ原産で常緑性高木のジャボチカバ(フトモモ科)です。 白い花が幹から直接咲き、果実がつくという不思議な形態をしており幹生果(かんせいか)と呼ばれます。(花は幹生花とも呼ばれる) 直径2~3cmほどの大きさの濃紫色の実はブドウの実に似ていますが、乳白色の果肉の味も似ており、ブラジルなどでは好んで生食されているそうです。 ところでジャボチカバは、なぜ幹生果という独特な形態の果実をつけるのでしょうか? 自分で動くことができない植物は、子孫を増やすための種子を広げる方法の一つとして、動物に果実(種子)を食べられることにより分布を広げます。(被食散布といいます。) この方法を多く担っているのは鳥類ですが、木々が繁茂して枝葉が密生する熱帯雨林では鳥類が自由に飛び回ることができないので、種子運搬(=被食)を地上で行動する哺乳類に依存するようになりました。そのため、枝先ではなく哺乳類が食べやすい幹に直接果実をつけるようになったということです。 ちなみに世界最大の果物といわれるパラミツ(ジャックフルーツ)も幹生果です。 この写真は平成27(2015)年に大温室で結実したものですが、これだけの大きさは丈夫な幹でないと支えられないことがよくわかります。 さらに園内には、屋外でびっしりと鈴なりになっている幹生果もあります。展望台の階段脇のアコウ(クワ科)です。この時期、まだ若い淡緑色の果実が幹や枝にびっしりついています。 アコウはもっぱら鳥類に食べられて種子が散布されるので、鳥類が飛び回る木の上部までびっしりです。イチジクと同属で大きさ的には鳥類が食べるのに適しているようで、園内のあちこちに種子が広がり、中にはこんな場所で生長しているものもあります。 ところで現在大温室で実をつけているジャボチカバは、大きく生長して果実を多くつけていた先代が数年前に枯損したために植え替えた後継樹で、やっと昨年ぐらいから結実するようになってきたところです。 枯損前の着果状況 現在の幼木が、あと数年もしたら先代のように生長して、再びびっしりと鈴なりの果実をつける姿を見せてくれるのではないかと期待しています。 続きを読む
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