ちいさな大発見!? No.149(2021.12.13)幸せをみつけよう?!


  「今年はキチジョウソウが咲かないなぁ。」と話していたのが、11月の下旬頃。

 実はここ数年、福岡市植物園では10月下旬に開花し、11月中旬から下旬が見頃、12月に入ると散り終えていました。

 ところが、12月1日になって落ち葉に埋もれた株元で、やっと赤紫の花を見つけました。例年よりも1ヵ月以上も遅い開花となりました。原因はやはり秋口の高温により、茎葉が育つ栄養成長から生殖成長への切り替えが遅れたのではないか・・・と考えています。

満開です!

 さて、ユリ科のキチジョウソウは、漢字では「吉祥草」と書きます。「吉祥」はキッショウとも読み、幸福、繁栄を意味する言葉、幸先のよいこと、よいことが起こる前兆、この上なく縁起のよいことという意味があります。

 ですから、この花を見つけると幸せが訪れるとか、花が咲くと縁起が良いなどと言われているのです。 

つぼみの状態

 さて、この花の特徴は、

 ①10cmほどの花茎に6本の雄しべと1本の雌しべを持つ両性花と、6本の雄しべのみの雄花をつけること。

雌しべが目立つ両性花

 
6個の葯をもつ雄花

 ②両性花は株元に集中し、雄花は花序の先っぽに咲くこと。

 ③花は株元の両性花から開花し、徐々に雄花へと移っていくこと。

 ④種子でも増えますが、地下茎でどんどん株数が増えること。

 今後、受粉した実は1月以降に真っ赤な実を付けます。しかし、こちらも葉に埋もれ、なかなか見つけることが難しいようです。

 正に今が見頃です。植物園にお越しの際は是非、キチジョウソウの花を見つけてください。ちなみに、キチジョウソウが咲いている場所はこんな様子です。

【解説員K】

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