“父の日に楽しい楽しい楽しいね” 俳句の展示入れ替えました。(2018.7.7)

 野草園の休憩所内に展示している俳句の作品を入れ替えました。


 6月に投稿いただいた俳句のうち,素人の私が,独断と偏見でいくつかご紹介します。


 梅雨。雨が多くお客様も少なかったせいか,俳句の投稿も4月,5月のように
多くはありませんでした…。
 が,6月ならでは,という句をまず紹介。

 3人の娘の父である私の目に真っ先に止まったのが,この句です。





“父の日に楽しい楽しい楽しいね” 作者不詳
(ちちのひにたのしいたのしいたのしいね)




























 


 6月17日(日)の父の日に,家族で来園いただいたのでしょうか。
 「楽しい気持ち」に美辞麗句は必要ない,「楽しい楽しい楽しい」と3回もストレートに
表現してますね。
 作者の仲睦まじい家庭の様子が目に浮かぶようです。
 我が家の「楽しい楽しい楽しい」父の日はいつのことだったか…,
なんともうらやましい限りです(苦笑)



 次も6月ならでは,「雨」に関する句。





“外待雨花も私も雨女” 作者不詳
(ほまちあめはなもわたしもあめおんな)
















 
 恥ずかしながら,「外待雨」,なんと読むのかさえ分からない,初めて目にする言葉でした…
 「外待雨(ほまちあめ)=局地的に降る雨」のことだそうです。
 作者が植物園を散策していたら,降る予定のない雨が急に降り出してきました。
遠くに見える油山には雲がかかってないことから「外待雨」と分かったのでしょうか。
 作者はよく雨に降られてしまうんでしょうね,「雨女」と自認しています。
でも「花」まで「雨女」にされちゃいましたね(笑)


 
 そろそろ植物の話をしましょう。「蠅捕草(はえとりぐさ)」シリーズ。




       
 












  “蠅捕草虫の来ぬ日をもてあまし” 竹下みよこ
  (はえとりぐさむしのこぬひをもてあまし)
  
  “蠅捕草我より勝るその頭脳” 作者不詳
  (はえとりぐさわれよりまさるそのずのう)

  “蠅捕草迷路の奥の奈落かな” 柳井扶美代
  (はえとりぐさめいろのおくのならくかな)
  
  “今虫の命消えゆく蠅捕草” 武藤典子
  (いまむしのいのちきえゆくはえとりぐさ)
 
 食虫植物としてよく知られている「ハエトリグサ」は,モウセンゴケ科ハエトリグサ属の多年草。
とげのある2枚の葉で虫を挟み込んで捕え,養分を吸収します。




















 花は,「虫を食べる」植物とは思えず,可憐です。
 食虫植物の花には,ある共通の特徴があります。これについては,
2018年5月20日のブログ「背高のっぽ~食虫植物の花」をご覧ください。
 
 福岡市植物園の大温室では,「ハエトリグサ」のほか「ウツボカズラ」「モウセンゴケ」
「ムシトリスミレ」などの食虫植物も展示していますので,ぜひ見に来てください。
 
 また,8月5日(日)には,小学生を対象とした講座「食虫植物の不思議」を開催します。
受講料は無料!! 夏休みの自由研究にも役に立つかも。ぜひお申し込みください。


*今回展示している俳句の一覧です。





(園長 井上)

 

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