ちいさな大発見!? No.44(2019.7.2)野原で見られるランの花!

 みなさんは胡蝶蘭やカトレアなどのランは好きでしょう。最近ではずいぶんと安く購入できるようになったようですが,まだまだ高価な花です。
 ところで,野原や草地などで今の時期,普通に見ることができるランを紹介します。英名を「lady's tresses」`貴婦人の巻き毛’という意味で、「モジズリ」と言います。「ネジバナ(写真①)」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。何とラン科の多年草です。
写真① 立派なランの仲間ですよ!

 高さ10~30cmほどの小型種です。ランの仲間というくらいですから,あの小さな花のつくりはどうなっているのでしょうか。ちょっと拡大顕微鏡で撮影してみました。
写真② 1つ1つはカトレアの花に似ています!

 ところで「ネジバナ」というくらいですから,じっくり観察してみると,右巻きと左巻きの個体があり,その割合は,ほぼ1対1のようです。写真③④
写真③ 両方とも右巻きですね。
写真④ 左は右巻き,右は左巻き!

 さて,右巻きか左巻きかの定義ですが、株本(根っこ)から見た時と,上から見たときとでは当然,逆になります。ここでは,上から見て、時計と反対回りに巻き付いていく巻き方を右巻き,その逆を左巻きとします。
すると,写真④の左は右巻き,右は左巻きとなります。このようにらせん状になっているのには,花茎をまっすぐに立たせるためにバランスをとっていると言われています。
 ちなみに,写真④は同じ個体から右巻き,左巻きが出現しています。
 中にはらせん状になっておらず,ほぼ一列になっている個体(写真⑤)もあります。また,花色も濃いピンクに薄いピンク,白と存在するそうです
写真⑤ らせんがゆるやかで,色も薄いピンク!

 一般に植物の蔓の巻き方は、種類によって決まっていて、アサガオやキウイフルーツは右巻き、フジやヘクソカズラは左巻きです。ネジバナのように両方が見られる植物は割と少ないようです。余談ですが,植物界全体を見渡したとき,右巻きが圧倒的に多いとのこと。
 本園では水生植物園や花木園Bの梅園ゾーンで咲いています。みなさんもじっくりとネジバナを観察してみませんか。
【解説員K】

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