ちいさな大発見!? No.45(2019.7.5)‘イヌ’がつく植物!

 今回のテーマは「犬」です。
 
黒柴のアースくん、5歳!

 植物園の正門からまっすぐ園内に入ると,たぶん,鳥が運んできたのでしょう。1株の「イヌホオズキ」が咲いています。ナス科ナス属の1年草です。漢字では「犬酸漿」と書き,白い5枚の花弁と黄色い雌しべの柱頭が目立ちます。(写真①)

写真① 花弁が反っている「イヌホオズキ」

 花はとても可憐で,すでに緑色の実(写真②)もちらほらと見ることができます。別名を「バカナス」と言い,ホウズキやナスに似ているが,食べられず役に立たないという意味があるそうです。全草に毒があり,口にすると危険です。
写真② 緑色の実がぶら下がっている!

 また,バラ園の南側の斜面に「イヌビワ」が実(写真③④)を付けています。漢字では「犬枇杷」と書き,ビワの仲間ではなく,クワ科のイチジクの仲間になります。その証拠に枝葉を傷つけると,イチジク特有の白い液体が出てきます。

写真③ 大きさは1~2cmくらい
 
写真③ 完熟目前,落果していた!

 「イヌビワ」は雌雄異株で雌木にできた実は少し甘くて食べることができます。しかし,こちらもビワやイチジクほどは美味しくないようです。

 植物界にはイヌがつく植物がたくさんあります。例えば,イヌエンジュ(犬槐)、イヌガシ(犬樫),イヌシデ(犬四手),イヌショウマ(犬升麻),イヌタデ(犬蓼),イヌツゲ(犬黄楊),イヌマキ(犬槙)、イヌムギ(犬麦)など,全部で100種類以上もあるそうです。
 さて、このイヌですが,もとの種と比べて姿や質が劣るという否定的な意味あいで使われています。ですから,漢字で表すと,本当は「犬」ではなく,「否」(いぬ)なのです。
【解説員K】

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