“木々達が色鮮やかに火の祭り”俳句小屋の展示作品を入れ替えました(2020.12.10)

 

(令和2年12月7日 紅葉樹園にて撮影)

先日、俳句小屋の展示作品を入れ替えました。11月もたくさんのご投句、ありがとうございました。展示させていただいた作品の中から数点ご紹介します。まずはこちら。

“木々達が色鮮やかに火の祭り” ちか

(松尾先生添削後→木々達の色鮮やかに秋祭)

紅葉が火にたとえられて、勢いを感じる作品ですね!紅葉は一般に、最低気温が8度以下になると始まると言われていますが、植物の種類や条件によっては、紅色だけでなく橙色や黄色にも変化します。常緑樹の緑の中に、紅色や黄色のグラデーションが混じったような景色も本当に素敵です。

続いて…

“冬晴れのベンチの上に紅葉山” ポンタ

誰も座ることのないベンチに静かに降り積もるモミジ…あるいはベンチなどの上にこんもりと落葉を積んである光景…目にすること、ありますね。きれいな葉を集めたり、集めた落葉を捨てるに捨てられず積んであるような光景を見ると、季節の移ろいを感じて心が和みます。


モミジを使った作品をもう一点… 

“紅葉らに赤さ負けるな南天よ” 脩

(松尾先生添削後→紅葉らに赤さ負けるな実南天)

モミジとナンテンが赤さを競い合っているようですね。冬が近づくと赤い実をつけるナンテン。子どものころに雪だるまを作り、その目にナンテンなどの赤い実をつけて遊んだという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ナンテンは難を転ずるという語呂合わせから、縁起のいい木ともされています。「災い転じて福となす」、そうありたいですね。


最後にツワブキを詠んだ作品を3点。

“石にそひ水辺にそひて石蕗の花” とし

“戸を出でてすぐ坂の道石蕗の花” 貞昭

“石庭に頓に華やぐ石蕗の花” 政弘

この時期になると、公園や林の縁などでよくみられるツワブキの花。作品では石という漢字が多用されていますが、ツワブキを漢字で石蕗と表記するのは、ツワブキが石や岩の隙間からも生えていることに由来するそうです。花の少ない季節に、スッと伸びた茎の先の黄色の花を見ると、気持ちも明るくなりますね。


俳句の展示は、当園で句会を開かれている「植物句会」松尾康乃先生のご協力のもとに行っており、約1か月おきに入れ替えています。投句は野草園休憩所(俳句展示スペース)と、緑の情報館1階のポストで受け付けています。初心者の方も大歓迎です。みなさんのご投句を、お待ちしています!

※今回展示している俳句の一覧です。

<俳句係M>

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