ヘリオトロープ(ハーブ園から)(2016.09.20)




写真は,ハーブ園で紫の花を咲かせている「ヘリオトロープ」です。種類にもよりますが,香りがよく香水が作られました。我が国に初めて入ってきた香水として有名です。夏目漱石は,『三四郎』の中で,ヘリオトロープの香水を登場させています。新潮文庫から,その部分を紹介します。

 

【三四郎の方が香水の相談を受けた。一向分らない。ヘリオトロープと書いてある罎を持って,好加減に,これはどうですと云うと,美禰子が,「それに為ましょう」とすぐに極めた。】P212から


【鋭い香がぷんとする。「ヘリオトロープ」と女が静かに云った。三四郎は思わず顔を後に引いた。ヘリオトロープの罎。四丁目の夕暮。迷羊。迷羊。空には高い日が明かに懸る。】   P280から

                                     (解説員N)

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