ソメイヨシノが咲きだしました(2017.03.29)
開花が遅れていたソメイヨシノが咲きだしました。ソメイヨシノは,江戸末期に染井村(今の巣鴨)の植木屋が売り広めたものです。明治期になって全国に広がっていきました。今では豪華絢爛に咲き誇るソメイヨシノの花を楽しむようになりました。 ソメイヨシノの親は,エドヒガンとオオシマザクラだといわれています。この3種類の桜が植物園で咲いていますので,比較してみました。(写真は拡大しています) まず,萼と花柄をみてみましょう。左から「エドヒガン」「ソメイヨシノ」「オオシマザクラ」です。 エドヒガン(左):まるい壺型の萼筒と毛がたくさんあります。ソメイヨシノ(中):くびれは,ほとんどみられませんが毛がたくさんあります。オオシマザクラ(右):くびれや毛はありません。ソメイヨシノの毛は,エドヒガンの影響です。 雌しべの花柱の毛をみてみましょう。 左のエドヒガンと真ん中のソメイヨシノの雌しべの花柱には,毛がありますが,右のオオシマザクラには,毛がありません。このように植物も当然ですが,親の形質が,子供へと引き継がれています。桜を見るとき,親の桜に思いをはせていただければ,桜の鑑賞の楽しみが広がることでしょう。 (解説員N)